赤い狸と緑の槭のリレー小説

タイトルはなんとなくですみません。 ツイッターの流れでなんとなく投げた文章がそのままリレー小説になり、細々とまだ続いているので、せっかくなので纏めてみました。 コ●ミの「幻想水●伝1」の二次創作です。
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赤井 @ugendou

・・・・・・雨に打たれるテッドを描くのが好きなのだと気づく雨の晩(サドか)

2013-10-23 23:22:24
赤井 @ugendou

@_e_w_e_ ホラー! いやん、恐怖の予定はなかったッス!

2013-10-23 23:26:29
えねみや @_e_w_e_

@ugendou 夕闇時。ふと窓の外を見ると、雨の中、傘も差さずに立ちすくむ人影があった。いったいどうしてあんな所に? とよくよく見るとそれはかつて死んだ友人に良く似ていた……。

2013-10-23 23:55:17
赤井 @ugendou

@_e_w_e_ 食い入るように見つめたのはわずかに二拍、まろぶように表へ駆け出たが、先ほど人影を認めた場所にはもう誰の姿もない。ただ少し周囲よりも乾いて見える土が残るばかりだった。

2013-10-24 00:03:24
えねみや @_e_w_e_

@ugendou 友の名を呟き、彼は暫く雨に濡れたまま佇んでいた。 翌日、彼の住む襤褸屋を一人の商人が訪れた。各地を転々としては、珍しい物を買い、違う地方で売る。そんな生業をしている男は、彼が一時期集めていた呪い人形なども取り扱っており、懐かしくなって幾つか品を見せて貰っていると

2013-10-24 00:21:02
赤井 @ugendou

@_e_w_e_ その中に厚ぼったい素地に複雑な刺繍を施された文様布を被った人型があった。古びて色褪せていたが、その丁寧な仕業の色柄はかつての鮮やかさを想像するに十分だった。彼の育った土地でも、その後転々としたどの地方にもない、その独特な図象を、たった一度だけ目にしたことがある。

2013-10-25 22:20:31
えねみや @_e_w_e_

@ugendou 親友の──その瞬間は行きがかり上助けた村の子供と旅人という関係でしかなかったが──家に入った時に目に入った、大きな壁掛け。もう三百年も昔に滅びた小さな村で見たそれの模様と、本当に良く似ていた。 「お兄さんお目が高いねぇ。この人形、古美術の中でも珍しいものなんだ」

2013-10-31 00:52:06
赤井 @ugendou

@_e_w_e_ 「なんでも子どもが生まれるとその成長を祈って家ごとに用意するらしいんだがね、成人すると感謝とともにお焚き上げ、亡くなっても冥福を祈って焼いてしまうもんだから、本来なら残らないはずなのさ」行商人の巷説はおおよそ商売上の売り口上でしかなかったが、知りたかったのはただ

2013-10-31 22:16:39
えねみや @_e_w_e_

@ugendou その人形の故郷と何年前のものか、ということだった彼はその話に食い付いた。 「どこの地方の、どれくらい昔の風習なんだ!?」 「えっ? いや、あたしもそこまで詳しくはないんだけどね、かなり昔、赤月帝国になるよりも前にロリマーの方で、って聞いたかな」

2013-11-10 05:36:17
赤井 @ugendou

@_e_w_e_ 「あかつき」「ああ、兄さんくらい若い人は知らないか、先だって革命で倒れて今はなんて言ったっけなぁ……そうそう、トラン共和国、南の方の国だよ」 商人の追い言はまったくの見当違いだったがあえて訂正するほどのことでもない。離れて随分と久しい故国の名は深々と胸を突いた。

2013-11-11 23:05:50
えねみや @_e_w_e_

@ugendou 亡き親友に縁があるかもしれぬ品に、こんな遠い外つ国で巡り会うなんて。感慨深い思いで、彼はその人形を手の中で転がした。 「安くしようか?」 余程真剣に見ていたのだろう。商人は思い立ったように提案した。 「いや、それでも元々高い品だろう? 手持ちが足りるかどうか…」

2013-11-16 16:05:56
赤井 @ugendou

@_e_w_e_ 「うんにゃ、言ったろう、本当なら焼いてしまうのが正しいものなんだ。珍しいけれど、『いい』ものじゃない。好事家の棚には相応しくないものだから」兄さんみたいな人が引き取ってくれりゃあいいと思うから出せる分だけでかまわない、と商人は素に戻った顔をほんのわずか覗かせた。

2013-11-16 18:22:34
えねみや @_e_w_e_

@ugendou 厄介払いしたいのか。勘付いた彼は苦笑を漏らす。払える額を伝えると、「うーん……、そうだな」と男は商人らしく渋るフリをしたが、彼が値を上げる気配を出さぬのを見て諦めた。  儲けがないに等しいんだが、とぼやきつつ、金と人形とを交換した商人は、去り際にこう言い添えた。

2013-11-17 15:01:33
赤井 @ugendou

@_e_w_e_ 「兄さんがどこへ行くのか知らねぇけど、もし、もし、だ」言い淀んで続いた言葉は折からの強風に攫われて彼の耳まで届かなかった。風を振り払い尋ね返したが商人はなんでもねぇと肩をすくめて言い直すことはしなかった。だが、たぶん聞こえていてもいなくても結果は同じになったろう

2013-12-30 21:35:06
えねみや @_e_w_e_

@ugendou  ◆  その国に来たのは、何年振り──いや、何十年振りだ。時折見かける、"トラン共和国建国の英雄"の像を気恥ずかしい思いで見遣りつつ、彼は一歩ずつ件の土地へと近付いていった。不安と期待が入り交じり、戻りたくなる衝動に駆られる事もあったが、夢の中で毎夜近付いてくる

2014-01-30 23:22:20
赤井 @ugendou

@_e_w_e_ その場所の遠い記憶が鮮やかになるにつれ、きっと自分は改めてかの地を目にし今一度思い切ってしまわぬことにはそれこそ夢枕に夜な夜な彼が立つことにもなりかねない、そんな予感がひしひしとするのだ。そう、あの冷たい雨の晩、窓の向こうに確かに見とめたと思ってしまったように。

2014-01-30 23:34:52
えねみや @_e_w_e_

@ugendou 遠景に寺が確かめられる程、クロン寺が近付いた頃、はたと気が付いた。もしかして自分は、あの明るくて優しい親友に会いたくないのではないか、と。親友の影から逃げるようにロリマーまでやって来た自分に、彼は肩を落とした。 ──厭っているのではなく、きっと、怖いのだ。

2014-01-30 23:54:13

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