孫泰蔵さんが「江戸の知恵」を読んで考えた事のまとめ

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taizoson.eth @TaizoSon

東京大学名誉教授で脳科学者の養老孟司氏は、日本人は、先人の美的感覚や美しさを求めてきた文化に学ぶことが非常に重要だと語る。特に彼が強調しているのは、「感覚」を大事にするということだ。

2010-10-14 09:26:50
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ここでいう感覚とは、万物それぞれが湛える美しさやかけがえのなさ、他のものとの違いなどを感じるものの見方を指す。たとえば林檎が100個あるなら、一つ一つの違いを見つめ、100個なら100通りの存在を考える、ということだという。

2010-10-14 09:26:56
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一方、感覚の対極にあるのは「観念」であり、現代人がともすれば観念的になりすぎることに警鐘を鳴らしている。抽象化された概念を表す言葉によってできあがる「観念」を重視しすぎるな、という。

2010-10-14 09:27:02
taizoson.eth @TaizoSon

世界中を言葉によって概念化していくと、行きつくところは観念のみになり、最終的には観念にそぐわないものを許容できない非寛容な人間になってしまうぜ、と養老孟司氏はいうのだ。

2010-10-14 09:27:10
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養老孟司氏「世の中には、多様な意見を認めない人たちがいる。それはものの見方に原因があります」。そういう人たちはものの見方が多分に観念的で、自分の信じる観念にそって生き、その観念にそぐわない多様なものの存在や考えを認めず硬直化している、という。

2010-10-14 09:27:16
taizoson.eth @TaizoSon

養老孟司氏「現代の日本人はだんだん観念的になってきている。僕は以前からそれを『脳化社会』と呼んでいます。身体で感じることよりも、脳で考えることが世界だと思うのが現代人で、脳化というのは都市化に伴う現象です。しかし、それは本来の日本人の姿ではありません。」

2010-10-14 09:27:22
taizoson.eth @TaizoSon

その点、「美」というのは、観念よりも感覚と結びつきやすい。日本の美術、工芸、芸能など日本の伝統文化から先人が持っていた鋭敏な感覚を、江戸の人々の立ち振る舞いから感覚に基づいた行動の美学を、我々はたくさん学べるのではないだろうか。

2010-10-14 09:27:29
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「日本人が長年培ってきた感性や個人個人の生き方の美学に自信をもって、それを大事にすることです。ただルールや罰則で管理されるのではなく、自ら自分の行動を律するような人間、社会をつくろうとすることが、現代社会をあるべき姿に戻すことにつながります。」と徳川恒孝氏は養老氏に相槌をうつ。

2010-10-14 09:27:35
taizoson.eth @TaizoSon

徳川恒孝氏は徳川宗家第十八代当主だけに説得力がある。「江戸時代には『金持ちが偉いんじゃねえや。お天道様に顔向けできるように働いている奴が一番偉いんだ』というモラルが広く浸透していました。一方、お武家様のほうは「食わねど高楊枝」です。商人たちも悪どい商いをすると仲間外れになる。」

2010-10-14 09:27:41
taizoson.eth @TaizoSon

倫理というのは結局のところ行動の美学であると思う。江戸っ子の美学。かっこいい。こういう混迷の時代だからこそ、江戸時代に学ぼう。

2010-10-14 09:27:48
taizoson.eth @TaizoSon

養老孟司、徳川恒孝著「江戸の智恵」(PHP研究所)を読んで今朝はそんなことを学んだ。

2010-10-14 09:28:09