ノルンのレース四方山話 その4 「レーシングマシンの名前・型式の傾向と対策」

ノルン・K・アルトレーネ @Norn_K_Altlene

まずはマクラーレンなのですけど、こちらは一番最初から一貫して、"MP4-"で始まる型式を採用しているのです。#ノルンのレース四方山話

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このMP4というのは、当時マクラーレンのスポンサーをしていたマルボロと手を組んでより強いF1マシンを作る「マルボロ・プロジェクト4」の頭文字なのです。それが今でも使われ続けているのです。#ノルンのレース四方山話

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今ではマクラーレンとマルボロの関係はなくなってしまいましたけれど、MP4という名称だけは今でも引き継がれているのです。これも伝統でしょうか。#ノルンのレース四方山話

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続いてザウバーのマシンの型式なのですけど、ザウバーは一貫してCで始まる型式を付け続けているのです。ちなみにこのCはザウバーの設立者のペーター・ザウバーさんの奥さんの名前の頭文字から採られたものらしいのです。#ノルンのレース四方山話

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そしてザウバーの特徴としては、F1以外のレースのために作ったマシンにもすべてCで始まる型式をつけて全て通し番号にしているということなのです。#ノルンのレース四方山話

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ザウバーはF1以外にもメルセデスのエンジンを搭載したグループCカーを作ってル・マン24時間に参加したりしているのですが、それもすべて通し番号になっているのです。#ノルンのレース四方山話

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ザウバーといえばペーター・ザウバーさんのドライバーを見る目のすごさにはものすごく定評があるのですが、それは今夜の話題ではないのでまたいつかお話できればと思うのです。#ノルンのレース四方山話

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では最後にGTの話題を少ししてみたいと思うのです。#ノルンのレース四方山話

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GTは基本市販されているクルマをベースにしているのでマシンの名前も「GT-R」や「SC430」と市販車の名前をそのまま使うのは当然といえば当然なのですけど、SUPER GTのGT500クラスではちょっとした例外のマシンがいるのです。#ノルンのレース四方山話

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それが10年から今年までホンダのGT500マシンとして走っていた"HSV-010"なのです。#ノルンのレース四方山話

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実はこのHSV-010には市販車が存在しなくてこの世にはレース用のマシンしか存在しないのです。市販されたクルマがモデルのはずなのにどうしてこういうことになったのかというと、ちょっとした事情があるのです。#ノルンのレース四方山話

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本来はこのHSVはホンダのNSXに代わる新しいスポーツカーとして開発されていたものなのです。実は試作車は作られていてドイツのニュルブルグリンクでテストを行っていたりもしたのです。#ノルンのレース四方山話

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NSXはMRですがGTでは09年から参戦するマシンをFRマシンに揃えることになって、09年には間に合わないということで09年はNSXを使って、翌年からこの新型FRスポーツで出ようということになっていたのですが……。#ノルンのレース四方山話

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08年のリーマンショックでホンダの経営が苦しくなってF1から撤退するのと同時にこのスポーツカーの開発も中止に。試作車も廃棄されてしまってホンダには10年以降に使えるマシンがなくなってしまったのです。#ノルンのレース四方山話

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そこでホンダのGT部門の人たちはルールを制定するJAFやGT500マシンを作る日産やトヨタに事情を説明して、中止になってしまったスポーツカーをベースにして参戦できるようにルールを変更してもらったのです。#ノルンのレース四方山話

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どうしてこういうことになったのかというと、一度メーカーが辞めてしまうとなし崩し的にレース自体がなくなってしまうということが以前から何度も起こっているので、「GTは絶対なくしちゃいけない」というレース屋さんの共通認識の結果なのです。#ノルンのレース四方山話

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というわけでJAFと他のメーカーからのOKは取り付けたものの、実は一番反対していたのはホンダのトップ。トップを説得しながらその間になんとこっそりマシンを作りはじめていた辺り、どれだけ本気でレースをやっているのかが分かると思うのです。#ノルンのレース四方山話

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結局トップが折れて、晴れてホンダの新型マシンはデビューできることになって、その時にHSV-010という名前が付けられたのです。#ノルンのレース四方山話

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そんな経緯で生まれたこのHSVには、Honda Sports Velocityの頭文字を採ったものなのです。速さをもったホンダのレーシングスポーツカー、といった意味でしょうか。#ノルンのレース四方山話

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SUPER GTは来年からルールが変更になってマシンの作りが変わって、同時にマシンも15年に登場予定の新型NSXがベースになるので今年限りでHSVは引退なのです。元々はお蔵入りになるはずだったクルマなので、レースで走れただけよかったのかもしれないのです。#ノルンのレース四方山話

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ちょっと後半は話がかなり脱線気味になってしまったのですけど、レーシングカーの型式にはメーカーの人たちのいろいろな「願い」が込められているのです。そういう風に考えながら見てみると、ちょっと面白くなるかもしれないのです。#ノルンのレース四方山話

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というわけで、今夜の #ノルンのレース四方山話 はここまでなのです。今夜もお付き合いいただきありがとうございましたなのです(ﾍﾟｺﾘ