大罪戦闘企画

第十六公演《慾深い妖精に勝手な正義の鉄槌を》
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【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

一人、回廊を行く少年。背を追う書物はぱらりぱらりと風に捲られ踊り狂う。中庭には七つの石像。そのどれもが『大罪』を象徴するオブジェ。 −−かつて『大罪』は八つであった 其処に、不自然に空いたスペースが在る。少年は足を止めると、りぃん、と一つ鈴を鳴らし。 現れる、新たなる石像。

2013-11-27 20:00:08
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

演者は揃った?準備は良い? さあ、新しい『罪』も生まれたことだし続きをしようか! ねえ、『正義』って、本当に『美徳』かな? あははははははっ!

2013-11-27 20:00:40
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

《演者紹介:第十六公演》 【正義】フスティーシア (@ratan_ruten) vs 【強欲】ジャルド (@hakujo_)

2013-11-27 21:01:12
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

《まもなく……11月27日21:00より……第十三公演、第十四公演、第十五公演、第十六公演が同時開演致します…… ご観覧の皆様はお席にお着きくださいますようお願い致します……》

2013-11-27 21:02:27
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

さあみんな、公演の時間だよ! 今度こそ僕を楽しませてくれるよねっ! ふふふっ!ふふふふふっ! みんな死んで!みんな奪い合って! こんなに楽しいこと、たった七つで独占なんて勿体無いよね! だから八つ目は僕からのプレゼント! みんなも楽しんでくれると良いなあ! あははははははっ!

2013-11-27 21:02:30
紺青ものえ @almiyy

影が荒野を滑るように移動する。黄金の髪と纏う淡い色の衣服が乾いた風に揺らされ、踊る。長く伸びた耳はひくりと動く。紫の眸は瞳孔を横に細めて、周囲を観察する。 この場所には似つかわしくない、妖精のような姿。 ――単純に、荒野。 そう、荒野だ。何にもない、ただの荒野。

2013-11-27 21:35:34
紺青ものえ @almiyy

乾いていて、草木もない丸裸の土と石の大地。 砂が僅かに巻き上がる大地の数センチを浮遊する体をくるりと回す。幼い仕草で首を傾げ、 「此処は、何が在るのかしら」 彼は愉しかったと言っていたけれど、どうかしら。 妖精は力を抜いてゆらり、風に流されて。

2013-11-27 21:36:25
カーデ @ratan_ruten

荒れた野と書いて荒野。 そこには石と土しか存在せず、動物も植物もその鼓動を響かせておらず。 その空間に、足を踏み入れた少女が1人。 黒いブーツが自然物にかつりと当たる音。その音は断続的に続く。 音を出している張本人、黒いライダースーツを身に纏ったそれは、なんの目的も無く→

2013-11-27 22:08:10
カーデ @ratan_ruten

終わりの見えない荒野を犯していく。 ふ、と音が止まる。 ライダースーツを纏ったそれは、何かを発見したようだ。 燃えるような紅の瞳で見上げしは、濁色の空。 そしてそこに写る一つの小さな人影。 視界に入れ、脳に情報を刻み。 精悍な顔で、少女らしい口で呟く。 「う、浮いてる…」

2013-11-27 22:31:09
紺青ものえ @almiyy

足を踏みしめる足音。 一度ではない。それは歩行の調子で鳴らされる。私からは決して発されることのないそれに向かって正確に、滑らかな動きで紫の目線を向ける。 視認したその姿は、少女。しかし身に纏う服はあまり見たことのないもので。体にぴったりと沿う、体全体を覆う服。

2013-11-27 22:43:19
紺青ものえ @almiyy

ゆっくりと思考を巡らせて。一つの記憶にゆっくりと、しかし瞬きに近い速度で辿り着く。此処にはいない隻色の私の愛しい憤怒が見せてくれた本に、確か――。 「らいだー、すーつ、ライダースーツ……?」 言葉をゆっくりと紡いで、視線が此方を見る。

2013-11-27 22:43:22
紺青ものえ @almiyy

ふんわりと体の向きを変えて、淡いワンピースの端を柔らかくつまんで、浮いた足をゆるく絡めてお辞儀をするように。 「素敵なあなた、ごきげんよう」 下げる頭。飾る大きなリボンが揺れた。

2013-11-27 22:43:29
カーデ @ratan_ruten

「す、素敵な私ごきげんよう……?」 浮いた少女から発せられた言葉に戸惑う。 ぎこちなく身体を動かし、一歩下がる。 「アナタハーダレデスカ」 片言で、空に浮く少女に疑問を投げ掛ける。 脳味噌は理解を放棄し、紡ぎ出す言葉も見つからない。

2013-11-27 23:01:13
紺青ものえ @almiyy

「私は、ジャルド」 摘んだ裾をそっと離して柔和に微笑む。 妖精のような耳に髪をかけて、目線を合わせるように。こんな何もない荒野に現れた彼女を、私はとても『気になっている』。 「『強欲』の『座(椅子)』に座らせて頂いているの。……あなたは、どんな『座(椅子)』に座っているの?」

2013-11-27 23:11:46
カーデ @ratan_ruten

「座……あれ、ざってなんだっけ……」 問いかけ。その口調と言いいでだちといいまるで妖精のような、と浮かべる。 そして肝心の内容に関しては、頭を抱え込む。 「あの、狐目野郎……なんて言って……そう!!正義よ!!」 いやー座ってのがなんだったのか忘れてしまった、と笑い頬を掻く。

2013-11-27 23:29:20
カーデ @ratan_ruten

「そう、私は『正義』フスティーシアと名乗らせて頂くわ」 腰の目の前に手を置き、片方の手を斜めに向かって伸ばし、ぴしいとポーズを決める。 その際、背中の茶色いポニーテールがぴょこりと揺れる。 「(決まったわ……)」 得意気な顔。見るものが見れば、苛立ちを蜂起させる。

2013-11-27 23:43:09
紺青ものえ @almiyy

悩む彼女を見つめる。艶やかなポニーテール。綺麗な眸。 「正義……素敵ね」 口元でやんわりと指先を絡めて、頬を僅かに染めてうっとりと。綺麗な言葉の響き。幼い子供が好きそうな、憧れの人物像。素敵な理想。思想。精神。心。意識。 「フスティーシア、素敵なお名前ね?」

2013-11-27 23:51:43
紺青ものえ @almiyy

ポーズを決めた少女に柔らかな紫を添えて、 「かっこいいわ、フスティーシア」 素敵な表情。揺れる髪。伸ばされた指先、腕。どれも素敵で、それ以上に私にはあまり馴染みがなくて。黄金の髪を揺らして、まるで空中に座るような姿勢を取って、 「正義って、どんなことをするの?」

2013-11-27 23:51:47
カーデ @ratan_ruten

「ふっふっふーかっこいいでしょーそうでしょー!」 褒められた。と解釈し、にへらと頬を緩める。 なにぶん他人に褒められるとは久方ぶりで。 何よりも自分の好きなヒーローの変身ポーズを褒められたのが嬉しかった。 「正義?そんなの決まってるじゃない!!」 にっこりと微笑み、息を

2013-11-28 00:07:18
カーデ @ratan_ruten

吐く。 「それはね!……悪をくじくことよ」 底冷えするかのような仄暗さを、紅の瞳に宿す。 同時に、ポーズもやめる。 「貴方は、空に浮いてる。そんなこと出来るのは、悪だよね?」 焦点の定まらない目で、小首を傾げる。 目の前に写る、金髪の妖精は正義にとっては、悪に映る。

2013-11-28 00:10:55
紺青ものえ @almiyy

可愛らしく頬を緩めた少女、ああ、素敵。 「悪を挫く。そうね、『正義』だものね」 正義は悪を倒す。少女の、フスティーシアの暗く、澱んだ『素敵』な眸を見つめて、 「私に、この『強欲』の中に、正義も悪もないの」 絡めた指を解いて、ゆらりと下に。風に髪が揺れて、ああと声を漏らして笑んだ。

2013-11-28 00:32:47
紺青ものえ @almiyy

「あなたが『そう』と思うなら、私は『悪』」 横に裂けた瞳孔を持つ紫、その中に甘く愛しい『慾』を満たして。 「麗しき硝子の城から出でたる私は『悪』、――『強欲』の座の許に『成形(私)』は在る」 一息。 「『欲しい』」 羅列のように、小さな唇は慾を示す。膨れて、膨れて、止まらない。

2013-11-28 00:32:56
紺青ものえ @almiyy

「――私を見た貴方の眸が欲しい。 私に向けて言葉を発した口及び声帯が欲しい。 私に笑みを浮かべた首が欲しい。 私に対して後退したその足が欲しい。 私の目の前で掲げられた腕が欲しい。 私に僅かでも感情を抱き、意識したその脳髄が欲しい」 ――下さいな。

2013-11-28 00:36:15
紺青ものえ @almiyy

白い指先、伸ばして示し、大地へ。 膨れて、飛び出す。成形によって作り出すのは刃。 長さ二メートル。幅十センチ。 本数は一。 「――ゆけ」 フスティーシアへ目掛けて、射ちだす。

2013-11-28 00:36:22
カーデ @ratan_ruten

「なあんだやっぱり『悪』なのね、良かった」 強欲の言葉にほっと胸を撫で下ろし、直後その双眸を向ける。 その先にあるのは刃。 「コミックだと、刀使う敵は多いものね」 溜め息を付き、片手を前に。 「作品名、[アイアンドッグ]、主人公の能力」

2013-11-28 00:47:19
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