『怪談たん』による、御当地怪談纏め #怪談

四十七都道府県の御当地怪談。
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怪談たん @kwaidan_tan

これからしばらくは四十七都道府県の代表的なご当地怪談を呟いていこうかいの。わぬしの生国や今住んでおる国にどんな怪談があるのか、楽しみにしてたも。ただし、心霊スポットとやらは出て来ぬので、そのつもりでの。

2013-11-26 14:18:41
怪談たん @kwaidan_tan

沖縄県:真玉橋(まだんばし)の幽霊 那覇と豊見城の町境に流れる国場川に架かる真玉橋には、架橋の際に人柱になった女の霊が出るというの。複数の伝説があるが、うち一つは神託により人柱を言い出した神女(ノロ)自身がその条件にぴったりだったために埋められたという。今でも姿を表すそうじゃぞ。

2013-11-26 17:18:24
怪談たん @kwaidan_tan

鹿児島県:大石兵六物語 大石兵六(ひょうろく)という若侍が寛永一年葉月に肝試しに行って、狐と勝負する話で、実話とされておる。怖い話というよりも滑稽譚じゃが、狐どもの化けっぷりが個性豊かでおもしろいぞえ。話を元に書かれた絵巻物も残っておる。鹿児島銘菓兵六餅はこの話が由来じゃ。

2013-11-26 20:19:08
怪談たん @kwaidan_tan

宮崎県:雪女 宮崎は南国いめえじが強いが西都市には驚いたことに雪女の話がある。スタンダードな雪女譚じゃが、少々違うのは雪女を見たのがオナゴという点だの。炭焼小屋で寝ていた男衆は皆雪女に殺され、雪隠に行っていて難を逃れた娘が洗い髪の雪女と顔を突き合わせた。物凄い顔だったそうじゃぞ。

2013-11-26 23:18:38
怪談たん @kwaidan_tan

熊本県:妾の幽霊 人吉市の永国寺に伝来する幽霊画は実際の幽霊を写生したものじゃそうな。応永15年、木上郷に住む武士の妻がいびり殺した妾の霊に憑かれ、当時の住職・実底超真和尚に助けを求めた。そこで和尚は妾の霊の姿を描き、亡魂に己の姿の浅ましさを悟らせたという。女心を知る坊主じゃの。

2013-11-27 02:17:17
怪談たん @kwaidan_tan

長崎県:産女 「飴買い幽霊」「子育て幽霊」と呼ばれる物語の一群があるの。子を孕んだまま死んだ女が墓の中で産み落とし、わが子の命を助けんがため幽霊となって飴を買い求めに行くという話じゃ。長崎市光源寺ではこれを産女として、産女の霊力で湧いた井戸が近年まであったそうじゃ。

2013-11-27 05:17:29
怪談たん @kwaidan_tan

佐賀県:化け猫 鍋島の化け猫騒動といえば超有名な怪談じゃの。お家騒動を発端とする化猫話は歌舞伎にもなり、全国津々浦々知られるようになった。ところが鍋島には別の化け猫伝説があり、こちらは鍋島家の菩提寺・秀林寺の猫塚に猫大明神として祀られておる。佐賀の猫は化け上手なようじゃ。

2013-11-27 08:20:33
怪談たん @kwaidan_tan

大分県:瓜生島の怪 別府湾に浮かぶ瓜生島には猟師たちが信仰する恵比寿像があり、その顔が赤くなると島が沈むと言い伝えられておった。それを聞いた者がベンガラで顔を赤く塗ったところ、一夜にして島は海に沈んだという。京極夏彦原作のドラマ「赤面ゑびす」のモデルじゃの。島は実在したぞえ。

2013-11-27 11:18:12
怪談たん @kwaidan_tan

福岡県:怪談お綱門 寛永年間の事、福岡藩の侍が妾に溺れ妻子を捨てた。度重なる酷い仕打ちに、妻・お綱は狂乱し、子らを殺した上、夫を殺そうとするが返り討ちにあってしもうた。じゃが恨みは凄まじく、夫や一族を祟り殺した上、お綱最期の場所となった福岡城の城門は触ると熱病になったというぞえ。

2013-11-27 15:17:51
怪談たん @kwaidan_tan

高知県:七人みさき 七人みさきは四国や中部地方に出る怨霊じゃが、高知のは長宗我部元親の家臣・吉良親実と配下六人の霊だそうな。讒言により一族を滅ぼされた親実は首無し馬に乗って城下を巡り、仇敵を呪い殺していった。じゃが、敵討がすんでも成仏せず、七人みさきとなって今も彷徨うそうじゃ。

2013-11-27 19:17:48
怪談たん @kwaidan_tan

愛媛県:山家公頼の祟り 元和6年、宇和島伊達藩の筆頭家老・山家公頼の屋敷が政敵に急襲され、一族皆殺しにされた。藩主が首謀者じゃったというが、その後、襲撃に関わった連中が次々と怪死するに及び、山家一族は和霊神社に祀られた。しかし霊は中々鎮まらず、伊達家代々の男子に祟ったそうじゃ。

2013-11-27 23:18:07
怪談たん @kwaidan_tan

香川県:崇徳院 「皇を取って民とし民を皇となさん」崇徳院の有名な台詞じゃわいな。政争に敗れた末、讃岐に流罪となった崇徳院は不遇のまま生涯を終えられた。我らが怨念は家を滅ぼす程度じゃが、尊きお方の恨みは国をも滅ぼす。後に武士の世になったのは崇徳院の願い叶ってのこととも言うわいの。

2013-11-28 03:17:24
怪談たん @kwaidan_tan

徳島県:お松狸 徳島の怪異はほぼ狸どもの専売特許になっておる。昔、鞆の判形(とものはんぎょ)というところにはお松という化け狸がおって土地の者をよう化かしたというぞえ。今はお松を名乗る怪談作家がおるの。すりゃ、あの者も狸かえ?

2013-11-28 07:17:55
怪談たん @kwaidan_tan

山口県:平家の怨霊 壇ノ浦の合戦で滅んだ平家の怨霊譚はいくらでもあるぞよ。「耳なし芳一」の舞台となった赤間ヶ関阿弥陀寺(現・赤間神宮)にある平家一門の墓は、荒れ狂う怨霊を鎮めるために建てられたものじゃが、今も壇ノ浦には妖しき影が彷徨うというの。平家の怨霊はまだ静まっておらぬ。

2013-11-28 11:17:52
怪談たん @kwaidan_tan

島根県:黄泉の穴 出雲地方の猪目洞窟は黄泉の国に繋がっているそうじゃ。『出雲国風土記』には夢でこの洞のほとりに立つと必ず死ぬ、と書かれておる。昭和になって行われた発掘調査で、古代にはここで葬送儀礼が行われていたことがわかったというよってに、その記憶が伝説化したのかも知れんの。

2013-11-28 15:17:41
怪談たん @kwaidan_tan

鳥取県:幽霊滝 日野町の竜王滝には身震いするような話が伝わっておる。村の麻取り場で働く女が、肝試しのために滝に据えられた賽銭箱を持ち帰ったところ、恐ろしいことが起こった。何が起こったかは小泉八雲「幽霊滝の伝説」(『骨董』所収)を読むとよかろ。触らぬ神に祟りなし、じゃ。

2013-11-28 19:17:34
怪談たん @kwaidan_tan

広島県:善六淵 吉宗公の御代、佐伯郡砂谷村の善六は圧政に苦しむ民のために直訴したが及ばず、村人は村の寺の住職に助命嘆願を願うたが住職は無視した。刑死した善六は怨霊となり、村人を助けなんだ住職や庄屋一族に祟った。庄屋の息子らは淵で溺死、そこが善六淵と呼ばれるようになったわいな。

2013-11-28 23:18:19
怪談たん @kwaidan_tan

岡山県:藤戸の怨霊 源平合戦の折、源氏側の将・佐々木盛綱が浦に住む猟師に地形を聞き、口封じの為に猟師を殺したという話が『平家物語』にあるわいの。能「藤戸」はこれに材を取り、戦後藤戸にやってきた盛綱を祟り殺そうとする猟師の霊を描いておる。これもまた庶民の無念を伝える話じゃの。

2013-11-29 03:17:10
怪談たん @kwaidan_tan

兵庫県:お菊井戸 姫路城にはお菊井戸と呼ばれる井戸が現存しておる。もちろん、わら……もとい、「播州皿屋敷」のヒロインにして悲劇の美女・お菊が夜な夜な皿を数えた井戸じゃ。城下町の十二所神社にはお菊神社もあるわいな。皆の衆、こぞって参り懇ろに手を合わせ、お賽銭も弾むようにの。

2013-11-29 07:18:06
怪談たん @kwaidan_tan

大阪府:大阪城の怪異 江戸時代の『金城聞見録』なる書には大阪城の怪談が書かれてあるぞえ。厠に出た「禿雪隠」、祠の撤去に怒って大いに祟った京橋口定番屋敷の古狐、中を見ようとすると災いが起こる開かずの間などなどさながら化け物展覧会よ。じゃが、当時の建物は今はほぼ残っておらん。

2013-11-29 11:17:57
怪談たん @kwaidan_tan

京都府:六道の辻 京の都はネタが豊富すぎて選びきれぬが、六道の辻辺りは地獄へ繋がる井戸があり、幽霊飴が売っていたりと、常からあの世の気配漂うの。昔、この辺りは鳥辺野というて葬送地じゃった。何が出てもおかしくない土地じゃによって、京都観光の折には足を運んでたも。

2013-11-29 15:17:45
怪談たん @kwaidan_tan

奈良県:血の出る礎石 大和は、ちとばかりトリビア的なのを紹介しようかの。南都七大寺の一、大安寺にはその昔東西に黄金造りの塔が立っていたという。塔は後に焼けて亡くなったが、ある石工が西塔の礎石を割ろうとしたところ、石から真っ赤な血が噴き出したそうじゃ。石工は病みついて死んだ。

2013-11-29 19:17:46
怪談たん @kwaidan_tan

和歌山県:人魚の木乃伊 高野山の近くに学文路という土地がある。そこの苅萱堂は石童丸伝説の本拠地であると同時に、人魚の木乃伊がある寺としても有名じゃ。西洋の可憐な人魚姫と違い、ムンクはこれを見て『叫び』を描いたのではなかろうかと思うような不気味な化け物じゃ。食う気にはなれぬ。

2013-11-29 23:18:17
怪談たん @kwaidan_tan

滋賀県:鉄鼠 平安時代、三井寺の高僧・頼豪は白河天皇の依頼で男児誕生の祈祷をして成就させたが、褒美に約束した戒壇院建立が宿敵であった比叡山勢力の横槍によって叶わず、失意のうちに死んだ。その怨霊は鼠となって比叡山を襲い、全山を喰らい尽くしたそうじゃ。比叡山と三井寺に墓があるぞえ。

2013-11-30 03:17:10
怪談たん @kwaidan_tan

三重県:川原祓所 伊勢神宮外宮には川原祓所と呼ばれる石がある。ここに手をかざすと温かく感じるというて、最近ではぱわあすぽっと扱いじゃが、そもそもここは神官が穢れを祓う場所じゃよってに、安易に触れるとむしろ穢れがついてしまいはせんかの。すぴりちゅあるなぱわあすぽっとにはご用心じゃ。

2013-11-30 07:18:11