『怪談たん』による、御当地怪談纏め #怪談

四十七都道府県の御当地怪談。
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怪談たん @kwaidan_tan

愛知県:長久手古戦場 戦国時代には美濃、尾張、三河あたりで何度も大きな戦があった。天正12年に起きた小牧・長久手の戦いは豊臣秀吉が権力を握る上で重要な戦じゃったが、数多くの戦死者を出した戦でもある。今でも夜になると古戦場には傷だらけの武者が彷徨う姿があるそうな。

2013-11-30 11:17:54
怪談たん @kwaidan_tan

岐阜県:夜叉ヶ池 泉鏡花の戯曲『夜叉ヶ池』の舞台となったこの池には、旱魃から村を救うために自ら龍神に身を捧げた健気な乙女の伝説が残っておるの。標高三千尺を優に超える稜線上にある神秘的な湖の畔には夜叉龍神社があるが、たどり着くまでの山道がそれはもう大変での。死ぬかと思うたぞえ。

2013-11-30 15:17:48
怪談たん @kwaidan_tan

福井県:九十九橋の首なし武者 足羽川下流部に架かる九十九橋には旧暦4月24日に首なし武者の行列が出るという。武者共の正体は柴田勝家とその家臣で、秀吉に滅ぼされた恨み晴れず今も姿を現すというの。じゃがその勝家が滅んだも一向一揆勢力を虐殺した呪いというじゃによって、戦はいかんわいな。

2013-11-30 19:17:40
怪談たん @kwaidan_tan

石川県:飴買い幽霊 飴買い幽霊は日本のあちこちにおるが、金沢の道入寺にはその姿を写した掛け軸があるわいな。旧盆時期に公開されるが、なかなか迫力あるご面相じゃ。寺伝では幽霊の子が円山応挙に描かせた画となっておるが、妾は正直違うんじゃないかな~、と。ま、野暮は言わんがの。

2013-11-30 23:17:54
怪談たん @kwaidan_tan

富山県:幽霊の掛け軸 おわら風の盆で有名な八尾にある聞名寺に伝わる幽霊の掛け軸は、これも伝応挙筆。幽霊画の依頼されたものの見たことがないものは描けぬと悩む応挙を助けるため妻が自害し、幽霊として出てきた姿を描いたという。以来、この画の前で眠ると本物の幽霊が出てくるそうじゃぞ。

2013-12-01 03:17:00
怪談たん @kwaidan_tan

新潟県:妙多羅天女 名前は美しいが、正体は恐ろしい猫婆じゃ。ネコ娘ではないぞえ。佐渡島に住んでいた老婆が老猫の真似をしていたら、いつのまにか自らも神通力を得て、対岸の弥彦に渡っては天災をもたらしたそうじゃ。ただし、この伝説には複数の種類があるので、調べてみるとおもしろいぞえ。

2013-12-01 07:20:20
怪談たん @kwaidan_tan

山梨県:鬼の湯 湯村温泉には鬼の湯があった。江戸時代、多田三八という甲州侍が天狗と喧嘩して、その天狗が傷を癒しに入った湯で、たまたま三八も同じ湯に浸かっていたため、また喧嘩になったそうじゃ。風呂は人の迷惑にならぬよう静かに入れとルシウスに一喝してもらわねばらぬの。

2013-12-01 15:17:42
怪談たん @kwaidan_tan

静岡県:死者の集う山 熱海にある日金山は、昔より死者の霊が集う山と言われておる。みちのくの恐山と同じじゃの。彼岸の時期に日金山に登ると、行き交う人の中に懐かしい人の姿を見ることができるというが、亡者を捕らえる鬼もおるというじゃよって妾は近寄らぬほうがよさそうじゃ。

2013-12-01 19:17:34
怪談たん @kwaidan_tan

神奈川県:幽霊トンネル 川端康成の短篇小説「無言」には鎌倉から逗子に出るトンネルに幽霊が出るという話が書かれておる。具体的な名前は出て来ぬが、近くに火葬場があるとしておるから、まあ間違いなく小坪トンネルじゃろうの。タクシーに若い女が乗ってくるが後写鏡には映らぬそうじゃ。

2013-12-01 23:17:52
怪談たん @kwaidan_tan

東京都:乳房榎 『怪談乳房榎』は三遊亭圓朝が創作した怪談噺じゃが、現在の板橋区近辺の昔話を底にしたともいうの。おきせ(おせきとも)殿は夫の祟りによる乳房の腫物で命を落とすが、さて、おきせ殿に命を以って償うほどの落ち度はあったのかのう。題名になった乳房榎は松月院に今もあるぞえ。

2013-12-02 03:17:51
怪談たん @kwaidan_tan

埼玉県:雉岡城の夜泣き石 夜泣き石も全国津々浦々にあるが、雉岡城の夜泣き石は奥方による側女の虐待という皿屋敷伝説のバリエーションのような話になっておるの。井戸に沈めれた側女は腹にややこがおったゆえ、乳のために城内の井戸や池の水が白く濁ったそうじゃ。切ない話よの。

2013-12-02 07:18:00
怪談たん @kwaidan_tan

千葉県:八幡の藪知らず 住宅地に今も残る禁足地として貴重なのが「八幡の藪知らず」じゃ。由来は諸説あり判然とせぬが、あの水戸黄門が迷いこんで九死に一生を得たという言い伝えがあるわいな。今はほんに小さな森ゆえ、もしここに入って姿を消す者がおったら、むしろ本物の怪談になるぞよ。

2013-12-02 11:17:42
怪談たん @kwaidan_tan

群馬県:桔梗の咲かぬ村 現在の足利市只上には将門の胴塚かある。討死した将門公のご遺体が村を通った時、棺から声がした。村が将門公を裏切った側女・桔梗の故郷だったからじゃ。そこで、胴を埋葬して慰霊したが、以来村には桔梗が咲かなくなったという。今の只上神社が胴塚のある場所じゃ。

2013-12-02 15:17:47
怪談たん @kwaidan_tan

栃木県:殺生石 那須の殺生石は超有名じゃによって、説明はいらんかの? 九尾の妖狐が化けた玉藻前が死んで化身したのが殺生石じゃが、鳥羽上皇の時代、つまりは九百年も前からこの地で毒の気を吐き続けておる。気合十分なのか、気が長いだけなのか……。

2013-12-02 19:17:35
怪談たん @kwaidan_tan

茨城県:累々淵 累々淵は鬼怒川沿岸の地名だわいの。累殿が夫・与右衛門に殺された場所じゃ。今でも人家疎らで中々気味が悪いわい。ところで、累殿も歌舞伎に登場するぞえ。今でもよう掛かるのは『色彩間苅豆(いろもようちょっとかりまめ)』じゃ。これも大南北作。ほんに怪談の好きなおのこよの。

2013-12-02 23:17:56
怪談たん @kwaidan_tan

福島県:安達ヶ原の鬼婆 元祖都市伝説「安達ヶ原の鬼婆」がいつ頃生まれたか判然とせぬが、平兼盛が「陸奥の安達が原の黒塚に鬼籠もれりと言ふはまことか」と詠んでおるから、十世紀にはすでに流布していたのは間違いないの。ただし折伏した東光坊は12世紀の人じゃによって、こっちは後付じゃ。

2013-12-03 03:17:07
怪談たん @kwaidan_tan

宮城県:船幽霊 海とともに生きてきた地域には必ずといってよいほど船幽霊の話が伝わっておる。雄勝町では「もうれん船」と呼んだようじゃ。海は恵みを与えてくれる生活の場であるとともに、異界そのものでもあったのじゃろうの。

2013-12-03 07:17:58
怪談たん @kwaidan_tan

岩手県:マヨヒガ 深い山や森を彷徨っていたらふいに大きな家に行き会う。家は無人じゃが、火鉢で鉄瓶の湯が沸いているなど人のいた気配はある。そこから物をひとつ拝借すると富貴を得るという。一見よい話なのじゃが、あのメアリー・セレスト号のようでどうにも不気味じゃ。異次元、みたいな?

2013-12-03 11:17:47
怪談たん @kwaidan_tan

山形県:沼田城の幽霊 元和年間、沼田に城を新築することになったが湿地帯ゆえ土台ができぬ。すると、ある法印が「十三の娘を黒牛に乗せて人柱にせよ」と託宣し、殿様はそれに従った。城は無事建ったが、本丸に夜な夜な少女の霊が現れは「水が欲しい」と泣き、当直の侍どもの心胆寒からしめたという。

2013-12-03 15:17:42
怪談たん @kwaidan_tan

秋田県:ボサマの木 川で座頭が溺死していたのを渡し船の船頭が引き上げ、懇ろに弔ってやった。するとそこから木が生え、大木になり、大きな花を咲かせたがその真ん中に座頭が座っており、落花の折には音曲を奏でた。これが大きな評判となり、船頭は見物客の船賃で裕福になったそうな。よい話じゃ。

2013-12-03 19:17:31
怪談たん @kwaidan_tan

青森県:八甲田山 新田次郎の小説『八甲田山 死の彷徨』に書かれた大規模遭難事件が起こったのは明治35年1月。陸軍の雪中行軍訓練で210名中199人が死んだ。無謀な計画と不十分な装備が生んだ人災じゃった。以来、無念の死を遂げた兵士たちの霊が彷徨い、今も出るという。心痛む話じゃ。

2013-12-03 23:17:59
怪談たん @kwaidan_tan

北海道:アイヌカイセイ 北海道の先住民族であるアイヌの人々は、死霊をアイヌカイセイと呼ぶ。ぼろぼろぼ樹木衣(アットゥシ)を着た姿で空家や古家に現れる。もしそこに人が眠っていると胸や首を押して苦しめるという。なに、情報が薄い? 妾は蝦夷地のような寒いところは苦手なのじゃ。堪忍の。

2013-12-04 03:17:13
怪談たん @kwaidan_tan

各都道府県の怪異はひとまず終わったの。なかなかバリエーション豊かであろ? ちょいちょい民話や伝説も混ざっておるが、元をたどればみな同じ。悲惨な出来事や人の愚かさ、悲しさ、時には温かさを語り伝える意味に思いを馳せてもらえれば、妾(わらわ)の寝ずの苦労も報われるというものぞえ。

2013-12-04 07:18:05
怪談たん @kwaidan_tan

@Pregabalin これはすまぬ。今調べたところ、長野県のみなぜか140字を超えていたため弾かれたようじゃ。二周目の際には表示されるように調整したよってに、堪忍してたも。まとめ、かたじけなかったの。有難う思うぞえ。

2013-12-05 23:39:10
怪談たん @kwaidan_tan

長野県:鬼女紅葉 冷泉天皇の御代、つまり平安後期じゃの。都から戸隠に流された鬼女・紅葉(呉羽とも)はここで残虐非道を重ね、ついには朝廷軍に討たれた。じゃが、土地の者は都の知恵を授けた紅葉を慕ったと伝わっておる。負ければ賊軍ということかの。鬼無里には紅葉絡みに旧跡がようけあるぞよ。

2013-12-20 11:17:29