@Ex_kkk_ 数値の変化するに狙いを定めるよりは、的が重なる一瞬を待つ方が効率がいい。この知識は射から得たものではなく、テロ行為の果てに得た殺人法だ。 ───これのどこが正義だと言うのだ。 殺人は悪だ。私情を挟んだ自己理論ではなく、殺人は須く悪であると断定出来る。
2013-12-06 02:37:36@Ex_kkk_ 正義の味方は悪を滅ぼす。そうして刈り取られた悪について、物語は語られる事はない。──正義とは、ただ正当化されただけの悪であった。
2013-12-06 02:37:48@Ex_kkk_ 聞こえる音は二つ。一瞬で刈り取る事。狙うは───ただ一点。首筋のみ。己が身によって堕とされた聖剣の名を解放。3ポイントの左への修正と共に引き絞った。矢を放す。赤原猟犬の速度には及ばないものの、マッハ速度にて放たれる黄金を見る。そうしてコンマ数秒、獲物が体を現した
2013-12-06 02:43:33@Ex_kkk_ 如月大和の口がそう動いた。如月大和は飛来した聖剣の柄を握る。バカな、と思わず呟いた。型落ちと言えど聖剣だ。加えて、射出速度は音速にも並ぶそれを一度ならず二度までも。───偶然ではないという事か。 しかしそこで歪に口元を歪めた。吐き捨てるようにして勝利宣言をする。
2013-12-06 02:46:27@Ex_kkk_ 黄金の剣を否定する。持ち得る千里眼スキルによって、己によって作り出された剣を見たのだ。視覚情報はイメージの固定の一要素である。──故に、一個人の思う最強の剣でなどでは無くなった剣は、その幻想を崩壊させた。
2013-12-06 02:49:48@Ex_kkk_ 黄金が爆ぜ、金属片となって周囲に散る。爆心部ではアリーナの構成霊子を崩しかけ、周囲に漂っていた流水のオブジェクトが押されていく。 手応えはあった、と弓を降ろした。
2013-12-06 02:50:46@Ex_kkk_ 一心、射を終え、的を見、肺に溜まった息を吐き出した。鬼門は突破した。彼女は異状に苛まれる事なく、満足の行く所まで生きつづける。
2013-12-06 02:50:59@Ex_kkk_ 聞こえる筈のない声が耳朶に響いた。思わず硬直する。千里眼で爆心地に意識を向けた。首どころか無傷で悠々と立つ如月大和を視界に捉えたのだ。
2013-12-06 02:52:12@Ex_kkk_ 無意識に舌が鳴った。奇襲が失敗したとなれば逃走を謀るしかない。現在の魔力量では対処が出来まい。バックステップで後方へと飛ぶ。幸い距離もあり、脱出口はすぐだった。
2013-12-06 02:53:58@Ex_kkk_ だが、劣る。壊れた幻想を以てして死ななかった輩が、ただの逃走を見逃す筈がない。確信する、まだ、あと一撃逃走の為に必要であると。
2013-12-06 02:54:08@Ex_kkk_ 目眩ましの意も込め、そのままアリーナを後にした。攻略するのはサーヴァントの方ではなく、マスターである如月大和自身なのだと反芻しながら。
2013-12-06 02:56:59