セカイ系戦争

猫春雨＠ものがたる屋 @nekoharusame

「世界を構築する集合的無意識の一部に自我が芽生えたものだ。我らは世界の影であり、ある種の防衛プログラムとも云える」それで世界を守ろうとするのね。母体を守る為ならある程度強硬手段に打って出るのも分かる気がした。「でも旧って？」「旧くから存在する扶養者という意味さ」#twlonely

猫春雨＠ものがたる屋 @nekoharusame

「我らにとって人間はまだまだ幼年期であり、庇護すべき対象なのだよ」それで大人なのね。「子育てというものは大変だね。愛情が愛情として必ずしも相手に伝わるわけじゃない。時に恨まれ敵意を持たれる。まさに親の心子知らずだな」「それは押し付けているからではないでしょうか」#twlonely

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「正面から向き合って、対話し、心を通わせる。一方的な愛情なんて迷惑でしかないと思います」「うむ……」私は両親のこと好きだけど、時々うっとうしいこともある。過干渉は子供の為にはならないのかもしれない。「あなたたちも意識を改革するべきだと私は思います」と何様な発言。#twlonely

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「ははは、まさか説教されるとは思わなかったよ。やはり君はユニークだね」「ど、どうも」「まぁ、私たちも旧を冠しているとは云え、いつまでも旧態依然で居るわけにはいかないだろう。時代は常に流れている。その時々に応じて考えを改めないとな」意外と物分かりが良くて安心した。#twlonely

猫春雨＠ものがたる屋 @nekoharusame

「では、私はそろそろおいとまするとしよう」「待ってください！」「安心したまえ。私が去ったあと、君はもう普通の生活に戻れる」「出来れば他の人も戻せませんか！　例えばトオルならもう免罪されてもいいと思います！」「ふむ、検討しておくよ」そう云うと、突然雑踏に包まれた。#twlonely

猫春雨＠ものがたる屋 @nekoharusame

旧大人の人影はもうどこにも見当たらず、大勢の人々が道を行き交っている。まるで夢でも見てたみたい。私がふらふらと歩き始めると、通行人と肩がぶつかった。「すみません」サラリーマンが普通に会釈して立ち去った。えっ、今のって……。「あ、あのぉ」近くの人に声をかけてみる。#twlonely

猫春雨＠ものがたる屋 @nekoharusame

「なんでしょう？」邪険に扱われることなく、普通にたずね返された。「いえ、すみません」本当に戻ってる！　私は思わずバンザーイと両手を挙げた。周囲の怪訝そうな眼差しにあわてて手を下ろしたが、それでも無視されない喜びに打ち震えた。私は駆け出す。自分の家目指して全力で。#twlonely

猫春雨＠ものがたる屋 @nekoharusame

「お母さん！　お母さん！」鍵を変えられているのでドアを叩いた。「何よ、どうしたの」お母さんは顔を出すと怪訝な顔をする。ああ、無視されてない。「私はお母さんにとってどんな存在？」「変なこと聞くのね。もちろん可愛くて愛おしい大切な子よ。って何を云わせるの」と笑った。#twlonely

猫春雨＠ものがたる屋 @nekoharusame

「それよりあなた学校はどうしたの？」「えっ、あ、ちょっと体調が悪くて」「そう、だったら部屋で大人しくしているのよ」私が返事をするとお母さんは家の中に入っていった。そう云えば、トオルのことをすっかり忘れていた。私はトオルの名前を呼ぶ。するとどこかでカラスが鳴いた。#twlonely

猫春雨＠ものがたる屋 @nekoharusame

それっきりトオルは姿を見せなかった。私が元の世界に戻れたからトオルたちと関わることが出来なくなったのだろうか？　私は孤独ではなくなったけど、この世界のどこかでは孤独と戦っている人たちが居る。私は忘れないよ。だからあなたたちは独りじゃない。心は繋がっているからね。#twlonely

猫春雨＠ものがたる屋 @nekoharusame

#twlonely　というわけでセカイ系戦争は完結ですというか終わらせますた。戦争はって突っ込みを受けそうですが、孤独との戦いこそそれだったと書き終わってから納得。プロットなしで連載するとグダグダになることを実感しただけでも収穫はあったでしょうか。私たちの戦いは始まったばかりだ！