私見:秘密保護法の騒ぎで見えてきたモノ

勢いで連ツイしてみた。
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狭川 雀 @SagawaSuzume

しかしまぁ、特定秘密保護法成立かぁ。思う所は色々あるけど、個人的には「趣旨は理解できるし賛成できるが、法案の本文はいただけない」ってスタンスだったんだけど、Togetterなんかでは法案反対派と言い合ってる回数のほうが多くて、なんだかなぁ、と思ったりするわけだ。

2013-12-07 23:23:59
狭川 雀 @SagawaSuzume

今回の件で見ていて嫌だったのは、「知る権利」をマスコミが叫んでたことだね。はっきり言ってそれはポジショントークでしかない。いやまあ、政治家も、反対派の一部も似たようなものではあるんだけど。

2013-12-07 23:25:35
狭川 雀 @SagawaSuzume

「知る権利」について言うなら、今回の法案で「一般人が弾圧される」みたいな主張をしていたマスコミが、一番「知る権利」という観点では怪しかったと思う。確かに機密を知らずに漏らした人間が捜査されるという意味では迷惑を被ることはあるかもしれないが、それは機密保護法に限ったことではない。

2013-12-07 23:27:04
狭川 雀 @SagawaSuzume

たとえば車を運転していて「急いでるんでそこまで乗せてください」という人が来たら、親切な人は乗せるだろう。だが、それが殺人犯の逃亡を手助けしていたら、と考えれば。同様に情報の拡散も「善意で情報を広めたつもりで情報漏洩の片棒を担いでる」可能性はあり、捜査の対象になるのは仕方が無い。

2013-12-07 23:29:23
狭川 雀 @SagawaSuzume

そういう感じで、マスコミが言ってることも、嘘とまではいかないにせよ、誇張や誤認が少なからず混じっていたと思う。ただ、何故マスコミがそういうことをしたかといえば、それこそ取材中に機密に触れようとして捕まる、ってリスクを下げたいからだ、っていう話なんだろうね。

2013-12-07 23:31:28
狭川 雀 @SagawaSuzume

「知る権利を守れ」ということ自体は憲法の条文から導き出せることなので、これ自体は間違いではない。ただ、それを叫んでいるマスコミは本当に、常にそれを叫び続けるのか、というと怪しい。何故なら大半のマスコミは営利活動でやっているから。例外はNHKぐらいじゃないかな?あれも微妙だけど。

2013-12-07 23:32:39
狭川 雀 @SagawaSuzume

たとえばTVに関して、殆どのテレビ局がスポンサーの広告を流す代わりに、そこから得た広告費で番組を作っている。そういうテレビ局が、たとえばスポンサー企業が不祥事を起こしたとき、きちんと報道できるのだろうか、というと、現状ではかなり怪しいのではないかと思う。

2013-12-07 23:33:48
狭川 雀 @SagawaSuzume

つい最近も「ほこ×たて」って番組が捏造やらかして番組終了にはなった。でも、それを放送していた放送局がどれほど社会的な制裁を受けたか。もちろんあれはバラエティなので、捏造の深刻さではニュースには遙かに及ばないが、それでも捏造をやったテレビ局が殆ど何も影響を受けてないのは事実だ。

2013-12-07 23:35:29
狭川 雀 @SagawaSuzume

そしてもう1つ、そういった番組を放送したフジテレビはもとより、他のTV局や新聞は「知る権利の侵害だ」と騒いだだろうか。少なくとも明確にTVで嘘が放送されたのに、すぐに騒ぎは収束している。これでマスコミに自浄作用や良心を期待するのは厳しいよね。

2013-12-07 23:37:30
狭川 雀 @SagawaSuzume

政治家に関してもそうだ。一番判りやすいのが民主党で、情報隠しはいけない、と叫びながら、彼らが政権を握っていた間に多数の情報破棄が行われていた、という過去がある、とされる。(ソース: http://t.co/yeNgpw5YsS

2013-12-07 23:39:06
狭川 雀 @SagawaSuzume

まあ、政治家なんてポジショントークするしかない仕事で、たとえ正義を口にしても選挙で勝てなければ意味がないし、支持されているのであれば多少の無理は許されてしまう側面はある。ただ、だからこそ、彼らが正義を口にするのは、それが利益になるときだけなんだ。それは自民も民主もその他も同じ。

2013-12-07 23:40:26
狭川 雀 @SagawaSuzume

だから今回の件で「知る権利が失われる」と叫んでいた野党は、この件については正しいだろう。だが、もし彼らが政権を取った時に、同じことを主張するだろうか。与党と野党というポジションが変わり、今度は自らの不祥事が追及される立場になった時、それでも正義を叫んでくれると考えるのは甘すぎる。

2013-12-07 23:41:24
狭川 雀 @SagawaSuzume

つまり、知る権利を守りたい、と真摯に考えるなら、現状では政治家もマスコミもアテにならない、ってことなんだ。どっちにとっても、知る権利を主張するのは自分達にとって都合がいい時だけだから。

2013-12-07 23:42:50
狭川 雀 @SagawaSuzume

じゃあどうすればいいのか、って考えたら、結局は法案を改正し、少なくとも法律に従ってる限りは秘密を隠し辛くするしかないだろうな、と思う。たとえば「秘密を破棄する時は、一定期間の猶予を置いてからする。猶予期間中必要と認められたら破棄を解除できる」とするとかね。

2013-12-07 23:43:56
狭川 雀 @SagawaSuzume

これにより、少なくとも為政者側が何か情報を隠そうとしても、政権交代等で明るみに出る、というリスクが大きく増加するから、抑止力にはなる。もちろん第三者委員会の拡張とか、機密とする事項の細分化・明確化も手段としてアリだろうね。

2013-12-07 23:45:14
狭川 雀 @SagawaSuzume

もっとも「何を機密にするか」というのを明確化するのは、「想定されてなかったからリストにないけど、これを隠さないと国民に不利益をもたらす」という事態を招きかねないから、多少曖昧になるのは仕方が無いと思う。全ての事態を想定する、などというのは理想論を通り越して無茶ぶりだ。

2013-12-07 23:46:21
狭川 雀 @SagawaSuzume

あと「際限なく秘密が増える」という批判があって、それは理論的にはあり得ることなんだけど、それを根拠にすると話が立ちゆかなくなる。そもそも秘密保護法案を作ろうが作るまいが、政府が秘密を持つことは現実的にできてしまうし、それを隠すことも可能だからだ。

2013-12-07 23:48:04
狭川 雀 @SagawaSuzume

違法化は抑止力ではあるけど、そこに罰則がないとか、そもそも違法であることを誰も把握できなければ、その抑止力としても殆ど機能しない。上手に秘密を隠し、あるいは情報を破棄してしまえばバレない、というのは秘密保護法案とは関係なく存在する問題だし、解決策は何もない。そう、何もないんだ。

2013-12-07 23:49:06
狭川 雀 @SagawaSuzume

だから「それでも政府が信用できない」という人は、本当に政治家なり官僚なりになって全ての情報にアクセスできる立場に立つか、信用できないから、と日本を出て行くしかない。だって官僚も議員も全て、信頼できる人間だけで埋まった状態を作る、なんてどう考えても現実的じゃないだろう?

2013-12-07 23:50:13
狭川 雀 @SagawaSuzume

Togetterなんかのコメントでは何度かくり返したけど、自分は今の秘密保護法には反対だ。だから、変えて行くための運動をする必要はあると思う。じゃあどうすればいいか。マスコミや政治家を味方につけるしかない。それにはどうすればいいか。変えて行くことのメリットを作るしかない。

2013-12-07 23:51:27
狭川 雀 @SagawaSuzume

この場合の変えて行くことのメリットって何だろうと考えると、少なくとも自分には「適切に運用していると国民が納得できるようにすること」しか思いつかない。つまり、適切に運用していると国民に知らせることで、国民がその政党や政治家を信用し、それが権力につながるようにすればいいんだ。

2013-12-07 23:53:18
狭川 雀 @SagawaSuzume

方法はいくつか考えられて、たとえば「情報の存在は表に出すけど内容は秘匿する」部分を多くするとかね。もちろん盗もうとする人が出てくるリスクも上がるけど、どんな情報が秘匿されているのか、一部でも国民が知ることができれば、それは「こういう情報なら仕方ない」という判断にある程度は繋がる。

2013-12-07 23:54:14
狭川 雀 @SagawaSuzume

或いはさっき言ったように、破棄にデメリットをつけて破棄そのものを躊躇わせる、とかかなぁ。まあ、今言った2つも、結局は「でも政府は信用できない、秘匿するに決まっている」って決めつけてかかる人を納得させることはできないだろうけどね。まあ、それは無理ゲーだと思う、どんな政府だろうと。

2013-12-07 23:55:44
狭川 雀 @SagawaSuzume

ああ、少しだけ話を逸らすと、「知る権利があるんだから秘密なんか持たなきゃいい」って人が居るけど、それは明確に否定できる。少なくとも国の運営に支障が出たり他国からの侵略を招くような情報なら、それを秘匿することは公共の福祉に適うから、ある程度の人権に制約がかかるのは仕方ないからだ。

2013-12-08 00:01:00
狭川 雀 @SagawaSuzume

少なくとも政府がいきなり潰れたり、他国の侵略を受けた時は少なからぬ人が被害を受け、人権すら守れなくなる(政府が潰れれば通貨の価値がなくなり財産権が侵害されるし、侵略戦争になれば生存権すら脅かされる)ことを考えれば、知る権利が一定の制限を受けるのは憲法の精神とも矛盾しない筈だ。

2013-12-08 00:03:56