2013年12月9日

「生活保護は不正受給だらけ」じゃないし、「不正受給を減らせば必要な人が保護を利用できる」わけでもない。この辺誤解が多い。

タイトルのとおりです。誤解している方が多いようなので、連ツイしたものをまとめてみました。
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徳武聡子 @Satoko_Tokutake

1)生活保護の不正受給の件数と金額は、確かに増加しています。生活保護の利用者も増えています。これだけ聞くと、「不正受給が増えているから生活保護が増えてるのでは!?」と憤る方もいるかもしれません。でも、思考を一歩進めて考えてみて下さい?実際のところ、どうなのでしょうか。

2013-12-09 10:19:02
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

2)不正受給の問題を考えるときに、少なくとも2つのポイントがあります。①割合的に増えているのか。②不正受給はすべてが悪質な事例か。これを考えないと、目につく件数が増えているということで「不正受給の増加!モラルが!大問題!」といささか短絡的な方向に走ってしまうからです。

2013-12-09 10:25:08
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

3)生活保護の不正受給の割合はどうでしょうか。2007~10年で、件数で1.4%~1.8%、金額では0.35%~0.39%の間で増えたり減ったりしています。2011年は件数で2.3%、金額で0.49%程度です。11年の増加は調査強化したことによるものです。割合的には小さいです。

2013-12-09 10:43:01
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

(補足)不正受給のデータ元について。2007~10年はhttp://t.co/H1iRzYI8XX(日弁連パンフ)より、11年は件数:報道http://t.co/ws8noL88Xfと保護世帯数:厚労省資料http://t.co/yFc8FaevvR(第3-4表)より算出。

2013-12-10 19:20:37
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

(まとめを読み返していて説明不足を発見)生活保護の不正受給が割合的にはほとんど変わってない。ということは、生活保護利用者が増えれば不正受給の金額や件数が増えるのは、ある意味当然です。母数が増えれば解も増える。算数でやったこと。→ http://t.co/myif3MaLNV

2013-12-09 22:03:13
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

→これが、割合も爆発的に増えているということになれば、生活保護の増加は不正受給が増えたから、ということになるのかも。でも、実際はそうではない、ということです。

2013-12-09 22:06:25
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

4)不正受給は一定割合で存在します。だからといって容認するわけではありません。悪意を持って生活保護費を騙し取るような輩は厳しく断罪されるべきです。しかし、金額にして僅か0.5%にも満たないものについて「生活保護では不正受給が蔓延している」とまで言えるものでしょうか。

2013-12-09 10:45:13
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

(繰り返しますが、不正受給の件数や金額が少ないから別に構へんやん、といっているのではありません。蔓延っているかのように評価されるのはおかしいですよね、ということです。)

2013-12-09 10:49:23
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

不正受給の割合的な話をすると、「それは氷山の一角だ!」と反論される。どうして、そう「生活保護利用者は不正受給をしているに違いない」と決めつけられるのだろうか。不正受給が存在することは確かだ。しかし、ほとんどの人が日々真面目に(偏見に苦しみながら)制度を利用しているというのに。

2013-12-09 12:29:14
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

5)次に、「不正受給」といわれているものすべてが報道されているよう詐欺的に生活保護費をだまし取るようなものかどうか、ということです。まず、厚労省かは発表される不正受給の件数は、生活保護法78条に基づく徴収決定がされたものだろうといわれています。

2013-12-09 10:52:08
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

6)法78条「不実の申請その他不正な手段により保護を受け、又は他人をして受けさせた者があるときは、(略)費用の全部又は一部を、その者から徴収することができる。」ですが、この不実とか不正というのは悪意や害意があることが前提となっています。

2013-12-09 10:55:13
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

7)逆に言えば、悪意や害意がないのに保護費を受領したときでも「不正受給」とはいえないでしょうし、実際にそう判断した裁決もあります。代表的な例は、高校生の子どものアルバイト料です。年金の支給が開始されたのに申告するのを忘れていた、という事例もあります。

2013-12-09 11:00:11
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

8)収入申告しようにも福祉事務所に行く時間がなかったということもあります。通常はそういう「うっかり」は不正受給ではなく、生活保護費の過支給があった場合の返還条項(63条)を活用されます。この場合には、申告していれば適用される各控除が適用されます。そうしている福祉事務所もあります。

2013-12-09 11:02:40
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

9)しかし、そういう「うっかり」の場合にまで「不正受給!」と決めつけて法78条を適用するCWや福祉事務所も少なくありません。利用者は適用される条項で違いがあるなんて知りませんし、そもそも法63条の存在も知りません。「うっかり」を不正といわれたら、負い目がある分反論できません。

2013-12-09 11:05:54
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

10)法律家や支援者の助けを借りて、不正受給扱い(78条適用)にされていたものを、単なる過支給扱い(63条適用)に修正されたという事例もあります。CWが収入未申告はすべて78条適用と思いこんでいるフシもあります。結果、不正受給ではないのに不正受給扱いされてしまっているのです。

2013-12-09 11:13:57
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

11)もう一つ、借金をしていて、その借入金を申告していない、という事例もあります。基本的に世帯に入ったお金は収入申告の対象ですから、借入金も申告しなければいけません。しかし、後から返済するし、借金が収入?といわれてもピンとこないものです。で、申告していなくて、不正受給といわれる。

2013-12-09 11:17:20
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

11)こういう「なんちゃって不正受給」は、CWがきちんと説明していれば防げます。単に「収入があれば申告を」と通り一遍では説明ではありません。高校生のバイト料には各種の控除(収入扱いしない部分)があり、殆ど手元に残せることを説明すれば、親だって安心して申告できるでしょう。

2013-12-09 11:24:46
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

12)借金にしても、「生活保護で借金はダメ」だけじゃんなくて、破産手続をした方がいいこと、法テラスを利用して費用負担なく手続が取れることなども丁寧に伝えて、これ以上借金を繰り返さないような支援をすべきです。しかし実際にはCWにはそんな時間はありません。人手がなくて忙しいからです。

2013-12-09 11:27:29
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

13)CWが適切で丁寧な支援ができなくなっているのは、絶対的な体制の問題でもあります。人手不足、過重労働、知識や専門性の欠如など、福祉事務所の体制は質量ともに良くありません。これを改善することが、不正受給を防ぐ方策でもあると言えます。無論、熱心な素晴らしいCWさんも多くいます。

2013-12-09 11:31:54
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

14)ちょっとダラダラと書きましたが、まず言いたいのは「不正受給が増えているから生活保護が増えている」とか「生活保護が不正受給だらけ」と非難するのは見当違いということです。ましてや、罰則を強化しただけで不正受給対策をしたつもりになってる政府はアホかといいたいです。

2013-12-09 11:37:46
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

15)対策を打つなら、福祉事務所の人員増加、しかも福祉職を採用するように手当したほうが、よほど(なんちゃって)不正受給を未然に防げます。そもそも、もっと多くの数百万人規模の人が生活保護を必要としているのに、その一部しか利用できていないのだから、それを何とかする方が急務のはず。

2013-12-09 11:42:27
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

16)また、割合的に考えても、不正受給を減らせば必要な人が生活保護を利用できるようになる、というのも全く関連性のないことです。それはそれ、これはこれ、です。不正受給を完全に根絶したとしても、必要な人には全然足りません。

2013-12-09 11:47:33
徳武聡子 @Satoko_Tokutake

17)生活保護については、一方的な情報しか発表されていません。発表が虚偽ということはないですが、こと生活保護については、政府発表や報道がすべてではないこと、それのみで何かを判断するのは危険であること、を心に留めていただければと思います。正しい判断は正しい情報から。以上です。

2013-12-09 11:51:20
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