茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1115回「改めて学問について、確認しておきたいこと」

脳科学者・茂木健一郎さんの12月11日の連続ツイート。 本日は、昨日、京都大学の学生たちと話していて、改めて思ったこと。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第1115回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、昨日、京都大学の学生たちと話していて、改めて思ったこと。

2013-12-11 06:12:30
茂木健一郎 @kenichiromogi

あか(1)京都大学の明和政子先生が呼んでくださって、とても楽しいフォーラムがあった。NHKでラジオ深夜便を担当されている中村宏さんや、京都大学の齋木潤先生、鈴木晶子先生も参加、ひじょーに面白い議論になった。その後の打ち上げでも、大いに話が盛り上がった!

2013-12-11 06:18:18
茂木健一郎 @kenichiromogi

あか(2)その際、大学とは何か、どのように入試をするべきか、という議論になった。多くの人がそれはマズイだろう、と感じていたのが、「人物本位」の入試。ペーパー試験による、偏差値入試もマズイが、その対案として巷で喧伝されている「人物本位」入試は、もっとまずい。あくまでも学力を見るべき

2013-12-11 06:20:10
茂木健一郎 @kenichiromogi

あか(3)そこで、問題なのは、その「学力」とは何か、「学問」とは何か、ということである。フォーラムで発言された他の方々の意見をここで代弁するわけにはいかないから、以下はあくまでも私の見解を書く。一番肝心なことは学問への入り口は、到るところにある、ということを確認することだと思う。

2013-12-11 06:21:22
茂木健一郎 @kenichiromogi

あか(4)例えば、先日来メディアを賑わせている「食材偽装」の問題。何が問題なのか、ということは、認知科学、経済学、倫理学の研究対象になる。政府による規制の強化を求める声が多いが、そもそも、規制は望ましいのか、やるにせよ、どの程度で、どのような実効性で導入するかが学問の対象になる。

2013-12-11 06:22:45
茂木健一郎 @kenichiromogi

あか(5)ここで鍵になるのが、英語での、対応する概念を知っている、ということである。ある学生と話していたら、彼は、「学びあい」の実践に興味があるという。それに対応する英語は何だ、と聞いたら、知らないという。でも、彼は、「どうやら英国で実践が始まったらしい」という。

2013-12-11 06:23:44
茂木健一郎 @kenichiromogi

あか(6)生徒同士が教え合うというのが「学びあい」らしい。英国発祥だというならば、それに相当する概念があるだろう。英単語は、無限の知の宝庫に入る「鍵」となる。その鍵さえ手に入れれば、あとは、ネット上に蓄積された、多くの学術情報を参照できる。独学者こそが、現代の覇者なのだ。

2013-12-11 06:26:03
茂木健一郎 @kenichiromogi

あか(7)どんなことでもいい。懇親会で、男子学生と話していたら、みんな、顔が可愛い子を好きになるという。それじゃあ、全ての表現型の中で、顔だけにそんなにフォーカスするって、進化論的にどうよ、と言うと、みんな笑っている。しかしね、君たち、そこから無限の学問が始まるのだよ。

2013-12-11 06:27:21
茂木健一郎 @kenichiromogi

あか(8)Facial attractivenessのような「鍵」で検索すれば、関連する解説や、原論文が出てくる。ぼくは、これからの学問のイメージは、座学に関して言えば、中学生や高校生の頃から、英語の「鍵」をつかってネット上の論文、講演ビデオ、解説などを読みまくることだと思う。

2013-12-11 06:28:55
茂木健一郎 @kenichiromogi

あか(9)結局、偏差値入試の問題点は、学力重視、という点にあるのではなく、本当の学力を見ていないというか、小さく前に倣え、をしているだけだという点にある。本当の学問の入り口は、到るところにあり、その向こうには無限の深淵が広がっている。そのことを、中学生くらいから学び始めたい。

2013-12-11 06:30:21
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第1115回「改めて学問について、確認しておきたいこと」

2013-12-11 06:30:47