11年前に書いていたらしいSS

iqnねたばれ用 @iqn1206_rm

@sousakuTL タイムスタンプ 2002/06/06 というテキストに書かれた小説がパソコンの中から出てきた。オリジナル世界が舞台の短編だが、起承転結の起承で止まっていたようだ。 続きを書きたい衝動に駆られる。

iqnねたばれ用 @iqn1206_rm

@sousakuTL 話のざっとした流れ：所謂西洋風ファンタジーな世界。魔物が今までより多く跳梁跋扈するようになっている。冥界の破壊神が魔物増加の黒幕であり、地上を滅ぼし冥界化させようとしているという噂と、天が世界を救うために救世主（メシア）を遣わしてくれるという教会の教え。

iqnねたばれ用 @iqn1206_rm

@sousakuTL 山の麓の村の近くにゴブリンが多く出没するようになり、山菜採りをしていた村娘が襲われる。そんな村娘を救ったのが、異国風（中東系？）な服装と全身に奇妙な文様を描いた旅人の青年。

iqnねたばれ用 @iqn1206_rm

@sousakuTL 青年が村にやってきたその晩、村はゴブリンの大群に襲われる。しかし旅人の青年が大魔術（？）を披露してゴブリンたちを追い払う。 村は青年に、用心棒として暫く村に留まるよう要請。青年もそれを引き受けた。

iqnねたばれ用 @iqn1206_rm

@sousakuTL そして暫くした後、教会が「メシア」が地上に遣わされたと発表。その話は村にも届く。青年は「自分の役目は終わった」とばかりに村を去ろうとするが、村娘などの懇願でずるずると旅立ちの日を伸ばしてしまっていた。

iqnねたばれ用 @iqn1206_rm

@sousakuTL そんな中、村に「メシア」がやってくる。この地方の全ての集落を見て回っているという「メシア」だったが、青年を見るなり宣告する。 ――この者は破壊神の手先だ。捕まえろ！

iqnねたばれ用 @iqn1206_rm

@sousakuTL 当然、村人は困惑するが、「メシア」は言葉を続ける。この青年が異国出身……つまり異教徒であること。そして、全身に描かれた文様は、冥界との繋がりを示すもの。そして村人の誰かが声を上げる……そういえば、青年が来た夜に魔物が襲ってきたと。

iqnねたばれ用 @iqn1206_rm

@sousakuTL 決定打となったのは、告発を受けた青年の態度だった。 「バレちまったか」 観念したように笑みを浮かべ、肩を竦める。否定の言葉は何も口にしなかった青年は、その場で捕えられ、投獄されてしまう。

iqnねたばれ用 @iqn1206_rm

@sousakuTL 最初に青年に命を救われた村娘は青年を庇った。しかし「破壊神の味方をするのか」と糾弾された村娘も、青年と共に投獄されてしまった。 薄暗い牢の中、村娘は青年に事の真偽を問う。あなたは本当に破壊神の手先なのか、自分たちは騙されていたのか……？

iqnねたばれ用 @iqn1206_rm

@sousakuTL 青年が口を開こうとしたとき、ふたりの元に「メシア」が、護衛も連れず一人でやってくる。 「あなたには本当に申し訳ないことをした。許して欲しい」 「メシア」は、「破壊神の手先」に頭を下げたのだ。

iqnねたばれ用 @iqn1206_rm

@sousakuTL 混乱する村娘と対照的に、青年は冷静だった。 「メシア」は神が遣わした救世主じゃなく、教会が祭り上げた傀儡だ。人々が不安に怯える中、信者に希望を抱かせるのと、勢力基盤を頑丈にするために仕立てあげられた作り物だ。 青年の言葉を「メシア」は否定しなかった。

iqnねたばれ用 @iqn1206_rm

@sousakuTL 「メシア」は青年に「取引」を申し出る。自分が「メシア」であると人々に信じさせるために、自分に倒された演技をしてくれないか。そうすれば、教会側で生活の面倒を見ようと。 しかし、青年はそれを断った。破壊神の手先に助力を乞うなど、「メシア」のやることではないと。

iqnねたばれ用 @iqn1206_rm

@sousakuTL 結局、青年は翌日処刑されることが決まった。村娘は青年の選択を責めるが、青年は「破壊神の手先をこれくらいで殺せるとは見くびられたものだ」と不敵な笑み。

iqnねたばれ用 @iqn1206_rm

@sousakuTL 青年は隠し持っていた道具で牢の鍵をこじ開け、気配を殺し自分の荷物を回収、まんまと脱獄に成功する。 そして――夜の村に笑い声を響かせた。「メシア」や村人の前に堂々と姿を見せ、「教会」と「人」の敗北を演技じみた態度で嘲笑う。

iqnねたばれ用 @iqn1206_rm

@sousakuTL 村娘を小脇に抱え、魔物を追い払ったのと同じ「大魔術」で村人たちを翻弄し、そのまま山の中へ村娘と共に姿を消す。 「メシア」は何も出来ず、闇に消える二人を見つめるだけだった。

iqnねたばれ用 @iqn1206_rm

@sousakuTL 隣村で青年は村娘を解放しようとするが、村娘はそのまま青年にひっついて旅をするようになってしまった。 道中、村娘は青年に尋ねる。「メシア」が作り物なのはわかった。しかしあなたは何者なのか？

iqnねたばれ用 @iqn1206_rm

@sousakuTL 何だと思う？　青年の問い返しに、村娘は青年こそ真のメシアではないかと応えた。 青年は「そう思ってくれた礼」と言って、己のフルネームを娘に告げる。 ――それは、破壊神の名だった（了）

iqnねたばれ用 @iqn1206_rm

@sousakuTL ……まぁ、11年前に考えてたこんな話が、「魔物から村を救ってくれてありがとう！　用心棒やってくれ！」ってところで止まってたんですよ（

iqnねたばれ用 @iqn1206_rm

@sousakuTL 結局、破壊神が世界を滅ぼすという噂も、「メシア」が遣わされるという話も、人間が創りだしたもので実現することはないんだよというオチ。ただ、メシアはどうか知らんが破壊神の方は実在してて、何か知らんが人間の姿をしてのんびり旅していたという不思議。

iqnねたばれ用 @iqn1206_rm

@sousakuTL もっと受けるのが、この破壊神の性能は人間の冒険者レベルだという……ね……ｗ ま、正確には「破壊神の眷属のうち最弱なヤツ」だからな！　＿６だからな！（結局それかい