0
岩上安身 @iwakamiyasumi
戦争をちらつかせながらの外交は、文字通りの戦争について、徹底的にマテリアルに、即物的に、何の感傷も、願望も、ロマンも、差し挟まずに考え抜いてから、始めてもらいたい。いうまでもなく、一番邪魔なのは、ナルシシズムだ。
岩上安身 @iwakamiyasumi
戦争は、金属をめぐり、金属の有無によって帰趨が決まる。鉄器の生産力が、部族の繁栄か滅亡かの岐路を決めた古代から、その事情は変わらない。近代も、現代もだ。そして、自分が資源を頼っている相手に戦争を仕掛ければ、物質が尽きて敗北するということわりも、何も変わらない。
岩上安身 @iwakamiyasumi
鉄がなければ、戦争も何も話にならない。満州事変を起こし、日中戦争突入目前の時点で、日本は製鉄のために必要な鉄鉱石のほとんどを中国に依存していた。にもかかわらず、無謀な戦争に前のめりに突っ込んでいった。石油も止められる可能性を考えていたはずなのに、ABCDラインを引かれるまで猛進。
岩上安身 @iwakamiyasumi
続き。日本が資源小国である事実は万人が認める話で、資源が足りず、物資が足りず、だからこそ、無謀なことはすべきではないと考えるか、だから南方の資源を取りにいくのもやむなし、と考えるかで立場は分かれはする。しかし、技術はあるのに、物資だけ不足していたという認識はまず異論が出ない。
岩上安身 @iwakamiyasumi
続き。日本刀に始まり、零戦、戦艦大和と、日本の武器、兵器製造技術は素晴らしかった。ただ大艦巨砲主義といった戦略のミスなのだ、と考える人がほとんどである。ところが、日本は実は優秀な兵器を作れなかった。根本的なことだが、冶金技術が低かったからである。基礎技術がおろそかだからである。
岩上安身 @iwakamiyasumi
続き。他国を侵略してまでして、鉱山をおさえても、採掘から選鉱、精錬、加工のシステムがなければ何もならない。日本が占領したとたんに鉱産物の産出量が落ち込む、ということも起きた。技術がないからである。輸送もネックだった。兵站、補給は常に後回しだった。
岩上安身 @iwakamiyasumi
続き。ノモンハン事件は、事件というが、立派な(?)戦争であり、日本軍はコテンパンに負けた。理由は山ほどあるが、戦車を製造しながら補給のための自動車を製造せず(できず)、戦車の装甲の脆弱さを向上させる冶金技術に乏しかったのも敗因である。
岩上安身 @iwakamiyasumi
続き。しかし、こうした敗因分析は、十分にしたとはいいがたく、それなりにまとめた報告も活かされずにお蔵入りとなった。日本軍は、不都合な事実は悉く隠した。報道もさせなかった。その結果、弱点を改善できず、大敗を喫した。敗北から学ぶために情報を公開した英国軍とは決定的に違う。
岩上安身 @iwakamiyasumi
続き。戦争はすべきではない。然り。しかし戦争するからには負けてはならない。これまた然り。負けないためにはどうするか。自らの弱点を直視し、学ぶ他にない。戦争に関わる情報を、片っ端から秘密にするなぞ、大馬鹿者のやることだ。ノモンハンの繰り返しを何度もやる羽目になる。
岩上安身 @iwakamiyasumi
続き。戦争を、戦闘のみに限定して考える愚かさと決別すること。冶金技術に代表されるような、致命的でありながら地道な分野を軽んじないこと。官僚の保身のために情報を秘匿させないこと。己れの弱点を見据え、論じ、鍛え上げる知的作業を「自虐」などという知的薄弱な誹りに怖気て怠らないこと。
岩上安身 @iwakamiyasumi
続き。そうした地道な積み重ねの上で、初めて戦争という恐ろしい賭けについて論じれるのであり、隣人への一時的な怒りや激情で後先顧みずに突っ走って開戦、などという愚行は決して許されない。そして自制に自制を重ねての地道な積み重ねをあらゆる分野で行うということは、結局、平時にも勝利する。
岩上安身 @iwakamiyasumi
続き。ノモンハン事件の際、日本の戦車はソ連軍の鉄条網に絡め取られて狙い撃ちされた。その鉄条網は、ピアノ線でできていた。日本は、戦後になるまで自国で世界レベルのピアノ線を作れなかった。作る技術がなかったのだ。
岩上安身 @iwakamiyasumi
続き。ノモンハン事件で使われたピアノ線の話は、僕も最近まで知らなかった。教わったのは「『レアメタル』の太平洋戦争」という本である。藤井非三四氏著。学研刊。ご参考までに。
岩上安身 @iwakamiyasumi
寝る前に一言。物質なかんずく金属を考える時、鉱山の質も考えなくてはならない。泥臭い話だ。それは地理や地質に関わる話だ。最近デーヴィッド・ハーヴェイが気に入って読んでいるのだが、彼が政治学者か思想家、歴史家のようでいて、実は地理学者だという点。
岩上安身 @iwakamiyasumi
続き。「地理学を欠いた自由と解放は暴力と抑圧に転化する」。これはいい言葉だ。このコピーが帯に書かれた「コスモポリタニズム」、600頁を超える分厚さ。「新自由主義」「資本の罠」も併読中。 http://t.co/qe1nZMHyYr
拡大

コメント

コメントがまだありません。感想を最初に伝えてみませんか?

ログインして広告を非表示にする
ログインして広告を非表示にする