デジタルデータとか証拠とか電子署名とか

後日のための個人的メモ
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弁護士 吉峯耕平 @kyoshimine

メールをGmailに転送すれば、後日証明可能です(改変できないから)。漏洩が気になるのなら、データのハッシュ値を取って送ってもOK。 @jun_k00 【法務系Tips Advent Calendar】行政とのやり取りの記録を残す意味 http://t.co/zOLwX2uy8E

2013-12-14 13:27:58
弁護士 吉峯耕平 @kyoshimine

デジタルデータは、原理的には、改変可能である。証拠として利用する場合、何らかの手段で改変できない状況を作ることで、完全性(integrity)を立証する必要がある(必須ではない)。 社会的に信頼される第三者に、当該データ(あるいはハッシュ値)を預けることで、上記状況を作出できる。

2013-12-14 13:52:43
弁護士 吉峯耕平 @kyoshimine

完全性は、真正性とか、正真性と呼ばれることもある。「真正」は民事訴訟法の明文上、作成名義人と結びついた概念として用いられているので、完全性という用語の方が適切である。 同一性という用語も用いられるが、レベルが違う。目的とする過去のデータと手元にあるデータの同一性を、完全性と呼ぶ。

2013-12-14 13:55:02
弁護士 吉峯耕平 @kyoshimine

同一性というときに、有体物として同一なのか、それともデジタルデータとして同一なのか、という概念を区別しておく必要がある。前者を物理的同一性、後者を論理的同一性と呼ぶ。 ある書面が経時的に物理的同一性を保っていることを、原本性と呼ぶ。完全性と原本性はパラレルな概念である。

2013-12-14 13:57:57
弁護士 吉峯耕平 @kyoshimine

したがって、デジタルデータについて、原本性を議論することは、あまり意味のないことである。要は、デジタルデータが論理的同一性を経時的に保っていればよく、また、そのことをどうやって立証するかである。 立証手段として、ハッシュ値を用いることができる。また、各種の電子署名も利用できる。

2013-12-14 14:00:49
弁護士 吉峯耕平 @kyoshimine

電子署名とは何か。法律上の定義は役に立たない。技術的中立性の美名によって、実質的な定義を回避しているからである(そのわりには、タイムスタンプは電子署名の概念に取り込めないそうだ。そんなもんは全然技術的に中立じゃないぞ。)。 ここは、これから考えよう。

2013-12-14 14:04:48
弁護士 吉峯耕平 @kyoshimine

こういう基本概念を整備が遅れている。もう30年もたっているのに。

2013-12-14 14:08:10
弁護士 吉峯耕平 @kyoshimine

海外のe-courtとかなんとか視察に行って、夢を見る前に、やることはたくさんあるよな。 誰か、行政手続オンライン化法も整理してよ。あれを片づけないと、司法のオンライン化も進まないよ。

2013-12-14 14:10:36
弁護士 吉峯耕平 @kyoshimine

電子署名法3条は、電子署名により電磁的記録の成立の真正を推定している。実質的にはあまり意味のない推定規定だが、「電子署名が法的に認められました!」という、あんまり法的ではない宣伝効果はあったのではないかと思われる。

2013-12-14 14:50:48
弁護士 吉峯耕平 @kyoshimine

今度電子公証制度でも、使ってみようかな。

2013-12-14 14:51:07
弁護士 吉峯耕平 @kyoshimine

ホント、うちの事務所とか、よくおれを拾って、使ってるよね。

2013-12-18 00:23:31
弁護士 吉峯耕平 @kyoshimine

申請者 様 登記・供託オンライン申請システムに申請者情報が登録されましたので,お知らせします。             登記・供託オンライン申請システム たったこれだけの内容を、なぜかHTMLメールで送ってきやがった。 アホか!

2013-12-19 20:05:02
弁護士 吉峯耕平 @kyoshimine

メールの送受信の事実を厳密に証拠化しようとすると、難しいなぁ。どんなデータにタイムスタンプを取っても、それ自体が改竄した後のもの、という可能性が残るからなぁ。 結局GmailをBCCに入れるのが、一番なような気がしてきた。

2013-12-19 20:09:25
弁護士 吉峯耕平 @kyoshimine

メールって、送信側、受信側に残るから、改竄自体は簡単だけど、心理的なハードルは高い。 もし、片方がメールを改竄すると、相手方はそれは違う、と主張する。この場合、裁判所が、どちらが正しいかを判断することは難しい。 メール履歴が消えていることを相手方に知られると、結構リスクが大きい。

2013-12-19 20:14:12
弁護士 吉峯耕平 @kyoshimine

電磁的記録の形式的証明力って何だ?

2013-12-19 21:19:32
弁護士 吉峯耕平 @kyoshimine

書証の形式的証明力の概念をそのままスライドできるのか? 私には理解できない。

2013-12-19 21:20:40
弁護士 吉峯耕平 @kyoshimine

つまり根本的には、電磁的記録というのは、必ずしも人の意思を表すものとは限らない、ということなのかな。

2013-12-19 21:23:47
弁護士 吉峯耕平 @kyoshimine

仮に電磁的記録の一部については、形式的証明力が観念できるとして、それと電子署名の関係が整理できない。 甲の音声データに乙が電子署名を附した場合、どう理解すればよいのだろうか。この場合は、甲の音声を記録したデータだ、ということが形式的証明力の問題のはず。

2013-12-19 21:34:01
弁護士 吉峯耕平 @kyoshimine

電子署名の名義は、誰が完全性(真正性)を確保する措置を取ったのか、逆に言うと、誰が改変可能だったのか、という問題なのではないだろうか。 そうすると、書証における形式的証明力とは異質の問題であり、なぜ電子署名で成立の真正が推定されるのか、全く理解できない。

2013-12-19 21:36:47
弁護士 吉峯耕平 @kyoshimine

あるいは、電子署名法3条の「真正に成立」は、書証における「成立が真正」(民訴228)=形式的証明力とは異なる、ということなのかもしれない。

2013-12-19 21:41:29
弁護士 吉峯耕平 @kyoshimine

書いてみて、何となく、何がダメなのかは整理できてきたような気がする。 私の直感的な理解は、電子署名法3条をまともに解釈しようとしても無駄で、これは、電子署名を普及させるための政治的お墨付きに過ぎない、というものだ。

2013-12-19 21:42:28
弁護士 吉峯耕平 @kyoshimine

まぁ、デジタルデータとか電子署名とかは、しばらく置いておこう。

2013-12-19 21:49:10