【撮影編１】ノーマン・ザ・スノーマン制作記録

ノーマン・ザ・スノーマン制作日記まとめ

〜コマ撮りの世界へようこそ〜

コマ撮りアニメーションとは、写真の連続再生によって映像にする手法です。パラパラ漫画の写真バージョンといった所でしょうか。「ノーマン・ザ・スノーマン」は、1秒間に24枚の写真から成っています。

映像を作るために使っているのは、コマ撮りソフトの「Dragonframe」です。かの有名な「フランケン・ウィニー」もこのソフトを用いて作られています。

↓ 公式サイトの「FEATURES」にある「HOW IT WORKSムービー」を見ると、コマ撮りアニメがどのようにして進行するのか、そしてドラゴンフレームの画面を垣間みることが出来ます。
http://www.dragonframe.com/

「Dragonframe」で一体なにが出来るのかというと、撮った写真をパソコン上で再生できるのです。カメラとパソコンをつなぐので、カメラの露出などを操作することも出来ます。

仮のセット組みをし、カメラの動きを司るモーションコントロール機材（なんと監督の手作り！）のテストと、人形と背景のバランスなどを見ていきます。今回はプラネタリウムという大きなスクリーンに映すため、画角の大きさは未知の領域でした。床面積がどのくらい必要か、背景に使う木はどのくらい作ればいいのか、検討していきます。

モーションコントロールとは、カメラの位置を動かすシステムのこと。映画やドラマの撮影で使われているものは、コンピューターで制御されていますが、ここでは全て手動です。細工を施したレールの上に三脚を設置し、カメラを左右に動かします。大切なのはモーションの再現性です。リハーサルと本番とで違う動きをしてしまったら意味がありません。今回、初使用のこのレール、とても滑らかに動き、再現性もばっちりでした。

最初のシーンである街並みの撮影は、レールを縦においてカメラを前後に動かしています。そして更に、上下に動くレール、カメラの向きを変えるティルトを使い、街の中心部にピントを合わせていきます。

撮影スペースにある窓は光が入らないように塞いであります。床に新木が置いてありますが、これはこれから撮影スペースを隔離するためのものです。美術制作と同時進行なので、外光に影響されないようにします。

壁の完成〜！出入り口は暗幕を垂らします。

かわいいひよこ？くるくるしてます

着々とファーストカットの準備が進んでいます。ひときわ明るくスポットライトがあたっている青いお家が少年のお家です。

実際にカメラとパソコンをつなぎ、モーションやピント、ライティングなどの最終調整に入りました。一番奥に見える山の風景は、仮のものです。本番では山の写っていない写真を拡大し、使用しました。

ドラゴンフレームの画面です。家に仕込まれたライトが直接画面に見えてこないように調整したりしています。パソコンの右側に貼ってあるのは進行表です。モーションがかなり複雑だったので、1コマに誰がどんな動きをするのか、表にまとめました。

メイキング映像(0:19〜0:31)や本編を観ていただけると嬉しいのですが、前に進む軸、上に進む軸、上から下へ動くカメラの向き、そしてフォーカスの４カ所の動きが重なっています。明かりを落とした暗い環境だったため、1コマ撮るのにすごく時間がかかりました。息をひそめて待つDragonframeの「オッケー」の合図。

http://www.youtube.com/watch?v=oGeYW2enGfc