佐久良さん家のおばけの女の子

佐久良🐃🌌 @sorazare_sakura

@sousakuTL おばけ見えないサラリーマンとおばけの女の子の話を唐突に思い付いたのでメモ。

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@sousakuTL おばけの女の子は、人間に視認されうる時には物に触れることもできない完全な幽霊。でも人間の目の届かないところでは壁もすり抜けられないしお腹も空く。どちらにしろ姿は見えない。

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@sousakuTL 誰かの家に居着いては怖がられたりカメラに追い出されたりしていた女の子が、あるサラリーマンの家を訪れた時、死んだ飼い猫の幽霊と勘違いされて優しくされる。

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@sousakuTL ガスの元栓を閉めたのも自分、失せ物を探しておいたのも自分、だから、彼が猫にと出したその食べ物は、自分がもらってもいいはずだ。女の子は飼い猫の名前を自分の名前にして、歪な文通を始めたりもする。

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@sousakuTL 『ごはんおいしかたです　みゃあ』『いるときおへんじできないです　みゃあ』『かめらはきらいです　みゃあ』『おかしたべられます　みゃあ』目を離した隙に増える手紙さえ怖がらず、彼は『みゃあ』との同居を受け入れる。

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@sousakuTL 直接会話はできずとも親交を深めるうち、女の子は彼の仕事にも興味を持つ。『おしごとついていってもいいですか　みゃあ』かっこわるいところは見せられないな、と苦笑しつつ、彼は承諾する。

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@sousakuTL さてその日の夜、家に帰り着いても『みゃあ』からの手紙が来ない。部屋を移動しても、少しの間家を空けてみても、何の音沙汰も無い。いつもと何も変わらない一人きりの家に、それでも明らかに何かが足りない。

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@sousakuTL そこで初めて、彼は『みゃあ』をどこかに置いてきた可能性に気付く。すぐさま駅に取って返すも、電車は既に無い。駅と家との間を必死に捜索して夜を明かすが、職務質問された以外に収穫はなし。

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@sousakuTL 彼の仕事についてきていた女の子は、偶発的に会社の倉庫に閉じ込められていた。人の目の届かないところで実体を得る彼女は、外側から鍵をかけられた密室を出ることはできない。

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@sousakuTL 以前にも似たようなことがあった。この扉が次に開くのはいつなのか。このまま餓死するのか。もう彼に会うことはできないのか。女の子は不安な夜を過ごす。

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@sousakuTL 翌朝、誰より早く出社した彼は、『みゃあ』の名を呼びながら、昨日の自分の行動を辿る。やがて、女の子の眠る倉庫の扉が開く。物音と彼の声にハッと女の子が目を覚ました瞬間に、その扉が閉まる。

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@sousakuTL ここにいるのに。ここに来たのに。見えはしないのだ。見つけてはもらえないのだ。自分というものが本当にいやになって、女の子はぽろぽろと涙をこぼす。

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@sousakuTL その涙を、今一度扉を開いた彼の目が、捉えた。

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@sousakuTL という話でした。見えない『みゃあ』と交流するために、今までも彼は『前後変化』を見ていたので、扉を開け直さないはずがなかった。

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@sousakuTL 無事に二人で帰って、やっぱり『みゃあ』の姿は彼には見えないけれど幸せに暮らす。何年か後に、『きみは猫のみゃあじゃないよね』と言われて、気付いていたのに一緒にいさせてくれたことを知って、泣かされたりはする。おしまい。

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@sousakuTL タイトルは　見えない人　か　見えない人とおばけの『みゃあ』　あたり

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@sousakuTL いつか、彼が死んだ瞬間に触れられるようになるんじゃないか　と気付いてしまった。　＞みゃあ