ゾーニング・ゼロ 第二話「ZONING Wall」

腐女子・ゴキ腐リ・某集団投稿の話を第三者視点で強引にブレンドミックスして抽出したネタ小説です。 サイバーパンク活劇小説『ニンジャスレイヤー』のマッポーめいた実際奥ゆかしい言葉遣いを意識しています。 ※この作品はフィクションです。実在の人物、団体、事件などには一切関係ありません。
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虫の人 @mushi_nohito

第二話「ゾーニング・ウォール」#zoning_zero

2013-12-26 14:14:35
虫の人 @mushi_nohito

2XXX年…電脳都市ググレカスは相変わらず活気に満ちた声で溢れていた。 スゴイ級に高いコンクリートの壁、『ゾーニング』に囲まれた街では、オトコもオンナも平穏に暮らしている。木々は緑にあふれ、鳥はさえずり、日の光に満ちていた。 #zoning_zero

2013-12-26 14:15:16
虫の人 @mushi_nohito

時は昼時、ググレカス大学の教室。「・・・以上で本日の授業を終了とする」大学講師が、持っていたチョークを片付ける。「ああそれと、今日は注意して帰宅すること。壁の向こうで事件があったらしい」講師の言葉に、教室内でざわめきが起きた。 #zoning_zero

2013-12-26 14:15:52
虫の人 @mushi_nohito

「先生、何かあったんですか?」生徒の質問に、講師は答える。「ジャポネット中央議会所にある、ジャンプ=オトコノコ像に、何者かがオトコ・シンボルを突き刺したそうだ」講師の言葉に、教室のざわめきはさらに大きくなる。 #zoning_zero

2013-12-26 14:16:13
虫の人 @mushi_nohito

「皆様、静粛に!」講師がハンマーを叩き一喝すると、教室は静かさを取り戻した。「皆様も知っているとおり、ジャンプ=オトコノコ氏は都市の発展に大きく貢献した偉人だ」 #zoning_zero

2013-12-26 14:16:34
虫の人 @mushi_nohito

講師が一つ咳払いをする。「不幸な事故で亡くなられたが、その偉業は今も私達に豊かさを与えてくれている。無礼の犯人はすぐ捕まりセプクとなるだろう」 #zoning_zero

2013-12-26 14:17:42
虫の人 @mushi_nohito

「しかしゾーニングの近くには、まだ犯人が隠れているかもしれない。今日は近付かないよう、注意して帰宅しなさい。オタッシャデー!」講師が教室を出ていくと、生徒達は犯人の噂話をしはじめた。 #zoning_zero

2013-12-26 14:18:10
虫の人 @mushi_nohito

噂話の輪から離れようと教室の隅で片付けをするオンナに、2人のオンナが声をかける「エーセック、時間はある?」 #zoning_zero

2013-12-26 14:19:12
虫の人 @mushi_nohito

エーセックは体を震わせて、声の方を振り返る。「リント=サン、ティー=フロウト=サン・・・」2人の顔を確認して、エーセックは一瞬安心した顔になったが、すぐ再び顔色が悪くなる。それを見て、リント達はエーセックを教室から連れ出した。 #zoning_zero

2013-12-26 14:19:35
虫の人 @mushi_nohito

3人は中庭を抜け、人気のない校舎裏へとやってきた。木陰になっていて、人目を避けるのに適当な場所だ。「ここなら大丈夫だ」リント=シテナイとティー=フロウトは、エーセックをベンチに座らせた。「何があった?」 #zoning_zero

2013-12-27 13:53:58
虫の人 @mushi_nohito

エーセックはうつむきながら答える。「中央議会所の犯人はミソジニなの」彼女の顔は青色になっていた。「やっぱりね、そんな事だと思った」ティーが呆れた声を出す。「実際馬鹿だ」 #zoning_zero

2013-12-27 13:54:29
虫の人 @mushi_nohito

「ティーの言う事は本当だわ」リントも顔を振って呆れかえる。「オトコノコ像にオトコ・シンボルを突き立てるなんて、ホモソーシャルに対する宣戦布告と同じよ」エーセックの顔がさらに青くなる。ミソジニがやった事は、それだけ大きな問題だった。 #zoning_zero

2013-12-27 13:54:46
虫の人 @mushi_nohito

十数年前、各電脳都市はまだ未開の地であり、都市を維持する人口も財力も不足していた。その発展に一役買ったのが、ジャンプ=オトコノコ氏だった。彼は自分の財産を提供しライフラインを整え、街に人々を呼び込んだ。 #zoning_zero

2013-12-27 13:55:10
虫の人 @mushi_nohito

優れた仲間達と努力の甲斐があり、電脳都市は次々に発展していった。いつしか移り住んできた人々は、この地を地上の楽園と呼ぶまでになっていた。あの事件の日までは。 #zoning_zero

2013-12-27 13:55:29
虫の人 @mushi_nohito

ある日、オトコノコ氏がジャポネット中央議会所でスピーチに立った。演説が終わり、各市長や仲間と握手を交わし、祝いの花束を受け取ろうとした時、あの忌まわしい事件が起きたのだ。 #zoning_zero

2013-12-27 13:56:06
虫の人 @mushi_nohito

花束を渡そうとした近付いたオンナから、奇妙なアトモスフィアが発生した。次の瞬間、それは人の形に・・・正確に言えばオトコノコ氏とその仲間達に似た姿へと変貌し、本人達を包み込んでしまったのだ。 #zoning_zero

2013-12-27 13:56:27
虫の人 @mushi_nohito

ボディガード達はカラテやスリケンで応戦したが、オトコノコ氏達を取り込んだエネルギー体には通用しなかった。取り込まれた者たちは激しく嘔吐して衰弱し、最後にはエネルギー体ごと爆発四散した。Bl拒絶反応だ。 #zoning_zero

2013-12-27 13:56:48
虫の人 @mushi_nohito

演説会場には爆発した者達の血の雨が降り注ぐ。そして花束を渡そうとしたオンナの肉体へと、四散したエネルギーが流れ込んで行く姿を、その場にいた者達は目の当たりにしたのだ。 #zoning_zero

2013-12-27 13:57:22
虫の人 @mushi_nohito

「化け物だ!」誰かがオンナを指差して叫ぶ。演説を聞きに集まった群衆は、悲鳴をあげて逃げ惑う。「コワイ!」「スゴイコワイ!」泣き叫ぶ声の中に、銃声が響く。オンナは射殺されたのだ。 #zoning_zero

2013-12-27 13:57:32
虫の人 @mushi_nohito

―――「あの事件で、ホモソーシャルが誕生したと言われているわ。ミソジニがやった事は、彼等を激怒させる」リントはエーセックの隣に座りながら、ため息をついた。「でも目をつけられるのは彼女だけじゃない」 #zoning_zero

2013-12-27 13:57:54
虫の人 @mushi_nohito

「そうだ。あの事件の時と同じように、Bl能力者への強い疑いの目と恨みに変わる」ティーがポットからお茶を注いで配りながらつぶやいた。「私達は普通に生活したいだけなのに」ティーの言葉にエーセックが声を詰まらせる。 #zoning_zero

2013-12-27 13:58:09
虫の人 @mushi_nohito

この2人も『腐』・・・ミソジニと同じBl能力者だ。しかし彼女達はその能力を封印して、社会に馴染む努力をしている「腐女子」と呼ばれる者達である。 #zoning_zero

2013-12-27 13:58:20
虫の人 @mushi_nohito

「ゴキ腐リ達はオンナの為に戦っていると言うけれど、我々腐女子はそんな事を望んではいない」リントの言葉にティーも頷く。「仲間達と一緒に静かに暮らしたいだけだ。ゴキ腐リはその平穏を脅かす」 #zoning_zero

2013-12-30 15:29:59
虫の人 @mushi_nohito

『ジャンプBl事件』の後、電脳都市政府は事件を調査し、オンナの中に紛れている「Bl能力者」の存在を知る事となる。その情報は民衆にまで広がり、オトコからオンナへの弾圧や疑念が始まり、争いが絶えなくなっていった。 #zoning_zero

2013-12-30 15:30:20
虫の人 @mushi_nohito

これに対し、Bl能力者は二つの勢力に分かれる事となる。「Bl能力を封印して社会に順応する者」と「Bl能力を用いて反社会的活動をする者」・・・のちの「腐女子」と「ゴキ腐リ」である。闘争はさらに過激さを増していく。 #zoning_zero

2013-12-30 15:30:31