DJネグリジェによる浜松クラブサーガその2

マコト♯ラケンロール⇔DJ☆ネグリジェ @djnegz

一方で俺のモテキは終わりを告げようとしていた。同じ月、R&Bパーティー「HOT WAX」がファイナルを迎えたのだ。前年から「ハイタイムス•レコード」のミウチ、そしてこの年の春からは当時「RGB」というパーティーでプレイしていたタカピョンという若手のDJを迎えた矢先のことだった。

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理由はいくつかあるが、俺の2step熱も無関係ではなかった。お客さんに「あんなヘンなの(2stepのことです)やめてR&Bだけかけてなよ」と言われたこともあったな。だがもう引き返せなかった。今度は名古屋のDJたちのように2stepでモテればいいやと考えていた。とんだ勘違いだった。

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2001年4月に話を戻します。この時期一気に頭角を現したクリエイターがスティッキー。自身の「トリプレッツ」とネーシャ「ワッツ・イット・ゴナ・ビー」のY2Kミックスが2000年、そして2001年にはいよいよ「ブー！」が来る。

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なんちゅうか、2step全盛期を象徴する1曲って気がする。スティッキー ft. ミス・ダイナマイト「ブー！」。 http://www.youtube.com/watch?v=tU5I254IFFQ&feature=related

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ご多分にもれず俺もスティッキーにハマって、これも前にツイったけど、それこそパックマンからガンジャマンまで、よく考えたら実はどうでもいいお皿まで必死で追っかけたw若杉さんもスティッキーはずいぶん推してたな。

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2001年4月20日(金)、ステステ特別編が浜松プラネットカフェで開催された。ゲストDJはエラグルさんとアゴくん。前回3月のステステの時はグルさんがお客さん、アゴくんはMCだったので、俺を含むドリーム兄弟がブースに勢揃いするのはこの時が初だった。ステステにゲストが入ったのも初か

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その日は東京から「バトル」クルーも遊びに来ることになった。昨日ここでもちらっと名前が出た東京のガラージガール(当時w)ユキ姐もダーリンと一緒に来た。名古屋からはマウちゃんたちやズッキーさんも来たのかな。地元のお客さんより多いとは言わないが、この夜は遠征組がかなり目立った。

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「バトル」クルーは今井さん、リキさん、カツタくん、(サガラ)アキくんの4人だったかな(違ったらゴメン)。街中のうなぎ屋から電話がかかってきて、そこで初対面したのを覚えている。「バトル」はその頃、日本の2stepの総本山というイメージがあったから、そこのクルーに会えて光栄だった。

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パーティーは楽しかったな。お客さんも盛り上がった。アゴくんのマイクを握りながらスピンするスタイルはレゲエのセレクターのようで斬新だったし、グルさんは浜松でもブロウフェルト、ハリー・ライムあたりの超重量級トラックを連投し、いたいけな浜松っ子たちのドタマをかち割った。

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店が跳ねた後はお決まりの朝まで生ロイホ。ちょうどリキさんがロンドンから帰った直後で、現地のパーティー事情などを話してくれた。俺も話を聞きながらロンドンアコガレ、アヤナパアコガレが募ったが、絶対に行くことがないことも分かっていた。俺は極度の高所恐怖症。飛行機が死ぬほど嫌いなのだ。

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グルさんアゴくんをゲストに迎えた翌月、2001年5月のステステは当時浜松の2step DJでは唯一の若手だった纐纈(こうけつ)をフィーチャーした。この月もアゴくんがMCとして駆けつけクラウドを煽ってくれた。この頃にはもう、イヴェントの垣根はもちろん県境も無いに等しかった。

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2001年6月からステステはパーティー名を「SeX」に変えた。これは俺としては「StEp X step」、つまりステステの略称のつもりだったが、まわりのウケは良くなかった。最大の痛手は、そんな名前にしたことで、女子高生のレイナをフライヤーのモデルに使えなくなったことだった。

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この時のフライヤーが手元に残ってないのでハッキリしたことは言えないが、「SeX」の一回目ではハッカさんをフィーチャーしたんじゃなかったかな。さらにこれもうろ覚えで恐縮だが、いま静岡で活動する鬼畜系DJのアンタマと初めて話したのもこの時か、5月のステステだったような。

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アンタマ、もといその時はまだ安間という一人のチンピラだなwヤツは店のオープン直後、まだ誰もいないフロアにポツンと佇んでいた。俺が「2step好きなの？」と尋ねると「好きです！ステステも最初から来てます！」とオーガナイザー泣かせのことを言いやがった。チンピラのくせにw

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聞けば、地元は静岡だと言う。おそらく「CALL!!」の2stepスペシャルの時も来てたんだろう。もしそうなら、その時プレイしたシュンシュンと後にクルーを組むのも何やら因縁めいている。いや、それ以上にその時フロアにいた女性DJムーニーと結婚しちまったことの方がもっと運命的かw

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この安間、後のアンタマという男は、実は俺にとって最初で最後の弟子である。俺はヤツに会った時すでにDJ歴が10年を超えていたが、それまで弟子と呼べるようなDJが一人もいなかった。いや正確には、俺なんかの弟子になりたがる奇特なDJなど一人もいなかったのだ。

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いつどこで師弟関係を結んだのかは正直よく覚えていない。ヤツは俺がアンタマの名付け親だと言うが、俺がヤツに授けたDJネームは「タマ」だ。それを勝手にアンタマに改名した。本当なら破門されてもおかしくない無礼な行動だが、たしかに俺もアンタマの方がいいDJネームだと思う。

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ともあれ、俺がアンタマを唯一の弟子と認める理由はただひとつ。ある日、俺が突然アイドルのヲタに身を落としたw時も、ヤツだけは文句を言わず、それどころかむしろ喜んでついてきたからだ。俺の入院中、代打としてBerryz工房のさいたまスーパーアリーナ公演に参戦したのはアンタマである。