沼田やすひろ氏 ゲームシナリオとは制作仕様書

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沼田やすひろ @numatayasuhiro

シナリオ・アナリスト 学校教官、各種セミナー講師 ※基本、フォロー返しはしません。

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沼田やすひろ @numatayasuhiro

春のゲームシナリオ講座のために 整理メモをつぶやいておこう。

2013-12-30 00:52:36
沼田やすひろ @numatayasuhiro

ブログでも語っているけど、 シナリオとは制作仕様書。 映像作品では複数の画をつないで、 モンタージュ手法により、 単一の画では語れなかった 新たな意味を生み出すためのもの。 今回、新たな用語として、 このシンプルなシナリオを シーケンス・シナリオと 呼ぶことにする。

2013-12-30 01:01:10
沼田やすひろ @numatayasuhiro

一方、何らかの キャラクターがなにかをするという ストーリーを語るための やや複雑なシナリオを ストーリー・シナリオと 呼ぶことにする。 これを分けておかないと、 ゲームシナリオは語れないんだ。

2013-12-30 01:03:20
沼田やすひろ @numatayasuhiro

ゲームとは選択であり、 キャラクターのリアクションを ユーザー(視聴者)は選択する。 一般の映像作品は選択の結果を 見るだけだが、 ゲームでは選択を自ら入力する。 そのためにシステム構築する。 どんなリアクションを選択できるか? 「~したい」がターゲットのニーズだと ヒットする。

2013-12-30 01:09:12
沼田やすひろ @numatayasuhiro

この「入力システム」による 数々の「仕掛け」が ゲームにおける表現であり、 複数の「仕掛け」を つないでいくのが 「レベルデザイン」という仕事。 「レベルデザイン」が シーケンス・シナリオ。 シーケンス・シナリオが楽しければ、 ゲームは「おもしろい」。

2013-12-30 01:16:43
沼田やすひろ @numatayasuhiro

画のつなぎ方である映像が 楽しければ、 映画が「おもしろい」のと同じだ。 それらを、さらに ストーリー・シナリオで つないでいく。

2013-12-30 01:19:06
沼田やすひろ @numatayasuhiro

ゲームの世界観は、 先に「~したい」という システムがあって、 その仕掛けをレベルデザインしていく 過程で構築される。 先に世界観があると、 実は おもしろいレベルデザインの 邪魔になることが多い。 だから、「~したい」という 「システムありきで世界観を考案する」 のが望ましい。

2013-12-30 01:25:36
沼田やすひろ @numatayasuhiro

だから、 原作もののゲーム化は、 ちょっと難ありが 多かったりする。 こういう場合は、 原作の特徴から パラメータを抽出したりする システム化の工程から入る ことになる。

2013-12-30 01:28:08
沼田やすひろ @numatayasuhiro

ゲームのシナリオ作成の 工程は 0)原作付きの場合(世界観研究) 1)システム化 2)レベルデザインの考案 3)オリジナルの場合(世界観設定) 4)ストーリー・シナリオの作成 1~3が「ゲーム表現」。 僕のいつもの話を聴いていると わかると思うけど、 表現とストーリーは別次元。

2013-12-30 01:35:46
沼田やすひろ @numatayasuhiro

ゲーム表現がおもしろければ、 ゲームとしては成立するわけで、 ストーリー・シナリオはなくてもいい。 音楽のPVなどは、 ストーリーがなくても おもしろいのと同じだ。

2013-12-30 01:39:36
沼田やすひろ @numatayasuhiro

ゲーム表現に必要なのは、 プログラム力。 この素養がなければ、 表現を生かす、 良いゲームシナリオは書けない。 同じように、 映像表現に必要なのは 画創りの素養。 画創りがわからなければ、 良い映像シナリオは書けない。

2013-12-30 01:44:56
沼田やすひろ @numatayasuhiro

というのを近々、 ブログにまとめよう。

2013-12-30 01:45:58
沼田やすひろ @numatayasuhiro

おっと忘れていた… レベルデザインのコツは キャラクターに「できること」でなく、 「できないこと」を考えると、 うまく作れる。 実は、プロットも「できないこと」 …「枷(かせ)」があると、 うまく作れるよ。 「できない」と思わせる局面を クリアしていくのが 「おもしろい」んだ!

2013-12-30 01:53:57
沼田やすひろ @numatayasuhiro

SFとファンタジーの違いについて質問を受けました。 これは僕よりオーソリティが たくさんいらっしゃると思いますが…。 1980年代にSFが何の略か…で 論争があったように、 その境界はあいまいです。  

2013-12-31 15:09:12
沼田やすひろ @numatayasuhiro

SFとファンタジー。 両者ともに 「ルール」…キャラクターの枷が 明確で、 その説明に、(未見性のある) 時流の科学トピックが使われていると、 SFになります。 「剣と魔法」でファンタジー? 「異星人とロボ」でSF? などの記号の有無のではなく、 「世界のルール」の質によります。

2013-12-31 15:12:49
沼田やすひろ @numatayasuhiro

同じストーリーを さまざまな方が「表現」して、 その表現の違いを楽しむ。 表現の側にナラティブがあり、 その巧みさを味わう。 「表現を読み解く」 リテラシーが要求される娯楽だ。 シナリオは、 制作仕様書だ。 自分が「なにを表現したいのか」が わからないと書けないんだ。

2014-01-03 10:40:47
沼田やすひろ @numatayasuhiro

僕の本は特徴をつけるため、 どうしても「筋立て至上主義」のように 読めてしまうので、 かなり誤解を受けているけど、 金子先生も僕も 「画創り」の重要性は認識している。 「画創り」を考慮せずに、 「筋立て」だけで シナリオは書けない。

2014-01-03 10:46:33
沼田やすひろ @numatayasuhiro

年末にCG-ARTS協会さん主催の セミナーでは、 「筋立てと画創り」の両面から シナリオを構築する 「バイステップ法」の実践を 日本ではじめて講義した。 (理論は金子先生の黄金則による) もっとワークショップの時間を 割ければ、理解が進んだと思うけど、 まずは第一歩です。

2014-01-03 10:49:26
沼田やすひろ @numatayasuhiro

ベースにあるのは なにを語りたいのかという 「テーマ」と なにを魅せたいのかという 具体的な「イメージビジュアル」。 これがないと、 どんなに長いシナリオも まったく意味をなさない。 また、修正のしようもない。 バイステップ法の ファーストステップは、 この二つを徹底的に考える。

2014-01-03 11:07:17
沼田やすひろ @numatayasuhiro

第一段階で 「剣と魔法のファンタジー」とか 「UFOと宇宙人のSF」とか 記号を並べる方が多いのだが、 この段階で具体的な 「売れる未見性」がないと オリジナル作としては辛い。 ここで曖昧な世界観を破壊して、 新しい「売れる世界観」を 構築してもらう。 これはかなり苦しい修行だ。

2014-01-03 11:15:36
沼田やすひろ @numatayasuhiro

この数年、感じること。 創作のプロになる人はネタ探しに貪欲で、 アマチュアでとどまる人は ネタ探しをしない(嫌い)ということ。

2014-01-05 11:44:53
沼田やすひろ @numatayasuhiro

学生さんに「武器」というと、 2パターンに分かれる。 武器の専門書を見つけて研究する人。 自分の現在のイメージですませる人。 後者は手持ちの 他者の創作物を資料にしてしまうことも 多い。 後者だと、創作物の作者の 世界観を超えることはあり得ないよね。 二次著作ならいいけど…うーん

2014-01-05 11:50:31
沼田やすひろ @numatayasuhiro

「銃」を調べようというと ヨルムンガント。 「電脳世界」というと 攻殻機動隊。 インスパイアされて別物を創作するなら その世界に関する資料を ことごとく読んでおくぐらいでないと 原作者には絶対に勝てないよ。 え…勝とうなんて思ってない? うーん…それなら、 二次著作物を作ろうね…

2014-01-05 11:54:52