ヘイトスピーチ問題等に関する地道なルポ

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私的取材ルポ＃4【主権回復を目指す会・西村修平氏が見る在特会の今@自民党本部前】13.10.23 午後12時15分。永田町の自民党本部前。道路を挟んだバス停の一角に15人程の集団が陣取った。「主権回復を目指す会」の面々だ。(次へ) http://t.co/r306HUvR8m

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「靖国神社参拝を見送った安倍首相を糾弾するぞお」「糾弾するぞお」。鳴り響くシュプレヒコールに合わすように参加者の怒りは徐々に熱を帯びていく。「あなたの言う『痛恨の極み』とは蚊に刺された程度の痛みなのか」「一体どれだけ公約を反古にするんだ」。約３０分に渡り抗議は続いた。(次へ)

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この日の抗議内容は主に三点。靖国不参拝、河野談話の踏襲、中韓領土問題。これらに関する安倍首相の姿勢を糾弾した。最後にマイクを握った西村氏は「何から何まで反古にして知らんぷり。保守応援団と安倍信者は見苦しいにも程がある」と一括。(次へ)

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(写真)シュプレヒコールをあげる西村修平氏 http://t.co/yjc4yUWjyK

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さらに「皆さん、国会議員とは何ですか？先生、先生って我々国民の税金で暮らしてる使用人じゃないか！」「♪私バカよね、おバカさんよねって歌がありますね。保守応援団と安倍信者は、秋の夜長に細川たかしの『心のこり』を聴いて少しは反省しろ！」と一気にまくし立てた。(次へ)

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街宣終了後、西村氏の事務所にて話を聞いた。在特会が控訴を決めた京都地裁判決に関しては「厳しい判決だとは思う。ただ仮釈放中に被告人が同じ失敗を繰り返してる。思想家であればありえないのだが。徳島や新大久保の件も影響してるだろう」と多額に及んだ供託金への見解を示した。(次へ)

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毎週のようにデモを繰り返す現在の在特会については「彼等には何にも知識がない。社会経験もない。実体は何にもない」と吐き捨てた。運動の目的は何なのか？そう問うと「そんなものないでしょ」と“デモのためのデモ”であると断罪した。カウンター側は法規制に向けての動きを加速させている。(次へ)

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それに対し在特会ら「行動する保守」は世論に反発するように排外デモを繰り返す。したたかさで言えば、行政への影響を強めるカウンター側に今は分があると言える。やはり法の力は強い。27日の梅島デモ延期も足立区議会へのとある働きかけが影響したという。(次へ)

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在特会ら「行動する保守」は今まで通り、ただデモを繰り返すのか？西村氏は「そうなるだろうね」と呟いた。だが、今後の展開については「警察次第」と断言。「在特会は警察が作った檻の中でおちゃらけてるだけ。警察も仕事が欲しいから。国家権力との癒着ですよ」と嘆息した。(次へ)

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「在特会は警察が育成してる。現場を見れば分かる。あの程度のデモになぜあれだけの機動隊が必要なのか」。西村氏の持論に従えば、警察という名の国家権力がヘイトスピーチを助長していることになる。「警察が在特会の片棒を担いでる？」。そう問い質す私に西村氏は不敵な笑みを浮かべた。(次へ)

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「私は日本という国は終わってしまったと思ってる。私はゲリラ。ゲリラの本分は生き抜くこと。今は一人ひとりが生き抜く時代。個々が強くならないといけない。まず、自分が生活できる基盤を作ること。仕事、所帯、それから運動。自分を大事にできずに国家を大事にできるのか」と西村氏。(次へ)

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「私はね、政治家がやらないからやってるんですよ。与党がやってたらこんなことしてない。自分の道楽ですよ」。桜井会長を始め在特会のメンバーとは疎遠になったという。「出会ったころの彼らは純粋だった。注目され、組織が大きくなるとね…」。西村氏はそう言って、力なく笑った。(終)

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私的取材ルポ＃5【関東地区秋の在特祭り～神奈川編～ドキュメント映画『TDZ13222』（朴信浩監督）上映会＠横浜】13.10.26 秋の夜長の港町で異色のイベントが開催された。在特会の“天敵”とも言うべき在日韓国人が制作、監督を務めるドキュメンタリーの上映会だ。（次へ）

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監督の名は朴信浩（パク・シンホ）。映画『TDZ13222』は今年２月に在特会が島根県内で行った韓国に対する「竹島奪還デモ」に密着したドキュメンタリーだ。羽田出発から島根民団前抗議街宣に至るまで桜井誠会長の動向、インタビューを軸に構成されている。（次へ）

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タイトルの由来は「竹島奪還在特会２０１３年２月２２日」の頭文字。本作品の上映は浦和での第１回に次ぎ今回で２回目。台風の影響で日中に都内で予定されていた「日韓断交デモ」が延期となる中、会員外を含む老若男女１３人が集まった。メディアは私を含め３人。いずれもフリーランス。（次へ）

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午後６時半。川井誠二郎・在特会神奈川支部長の挨拶で会は始まった。「足元の悪い中…と言おうと思ってたんですがすっかり雨もあがりましたね。今日はこの映画を見て、竹島問題をもう一度考えるきっかけにしてほしい」と参加者に訴えた。会場には八木康洋副会長、米田隆司広報の姿もあった。（次へ）

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映画上映後には、ニコニコ生放送を入れての公開インタビューが行われた。登壇は朴監督、米田広報、途中から八木副会長が加わった。朴監督はこの映画を撮った動機を問われ「ただ単に日本人をけなしてる韓国人がいるから、日本人で韓国人をけなしてる人を紹介したかった」と迷いなく断言した。（次へ）

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朴監督は以前、かねてからの演劇仲間である米田広報の脚本で「かん天な人」という映画を撮っている。「黒シール事件」で知られる在日出身の国会議員・新井将敬氏を題材にした作品だ。これを桜井会長が高く評価したことが縁となり「TDZ13222」の制作、監督が決まったという。（次へ）

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（写真）公開インタビューに臨む（左から）米田広報、朴監督、八木副会長 http://t.co/jQDjm6Tg7Y

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朴監督は桜井会長への感謝を述べた上でこう述べた。「ただ皆さん、勘違いしないで下さいね。私は在特会の会員じゃないし、全てを支持してるわけじゃない。でも２世、３世にしてみたら日本は祖国。ここで生活していかなきゃいけない」（次へ）

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次第に熱を帯びる朴監督の口調に会場の空気が締まった。「私たちを批判してる人たちの思想も受け入れてやっていかなきゃいけない。分かち合っていかなきゃいけない。対立し合ってやり合うんじゃなくて、共存する方法があると思う」（次へ）

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朴監督の葛藤は怒りとなって同胞にも向けられた。「日本は今、第二の祖国と言えなくなってきてる。でも日本を離れて外国に住むことは考えられない。桜井会長のような人を受け入れていく度胸のない在日はだめなんだ！」。鬼気迫る表情に朴監督の覚悟が伝わってきた。(次へ)

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桜井会長と在特会に密着した朴監督が撮影を通して一番印象に残ったことは「本当はただの布団売りになりたかったんだよね」という桜井会長の言葉だったという。朴監督はその理由について「会長も特別な人じゃない。デモ映像はネットに溢れてる。普通の会長を見せたかった」と述べた。(次へ)

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映画を見れば分かる。朴監督は桜井会長及び在特会について賛同も批判もしていない。ただ目の前の現実を撮っている。余計な贅肉が一切ない。それはまるで「あなたはどう思うか」と問われているようだった。次回上映会の予定はないが通販で購入することが可能という。(次へ)

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行動保守、カウンター、第三者。立場を問わず一見の価値があると思う。それでも朴監督は「それは個人で判断するもの。押し付けがましいことはできない。見たいと思った方は見てくれたらいい」と語気を強めた。私はそこにジャーナリスト朴信浩の意地と矜持を見た気がした。(次へ)