大罪戦闘企画

第三六公演《帰る場所》
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【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

誰かが指差した 誰かが笑った 誰かが差し出した 誰かが喜んだ 其の屋敷は何処にも無い 其の屋敷は何処にも在る 其は繰り返される

2013-12-30 19:03:26
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

あははははっ!あははははっ! 楽しいなあ!楽しいなあ! どうしてこんなに楽しいんだろう! あははははっ!あはははははははっ! 楽しいなあ!楽しいなあ! ねえ!楽しいよ!楽しいよ! ねえ!ねえ!楽しいんだ! だからねえ!早く次を持ってきて! あはははははははははははははっ!

2013-12-30 19:04:10
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

《演者紹介:第三六公演》 【強欲】貪 (@krwz_7ds) vs 【強欲】アーネウス (@s_akiyui)

2013-12-30 20:56:03
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

《まもなく……12月30日21:00より……第三三公演、第三四公演、第三五公演、第三六公演が同時開演致します…… ご観覧の皆様はお席にお着きくださいますようお願い致します……》

2013-12-30 20:56:17
【邪悪の樹——三ツ牙】企画管理アカウント @treeofevil

ふふふっ、あははっ、あはははははははははははははははははははははっ! . さあ、はじめよう!

2013-12-30 21:00:08
エメロード @actKrwz

――その空間には、何も無い。何も見えない。ただ空気のみが存在しているような、ただ白だけが広がるような。足音を立てる事なく、滑るようにその場所を歩き、辺りを見回す。 そうして、ただ一度のまばたきのち――その場は、変容していて。 「花の香り、か。――白い花ばかりだな」

2013-12-30 22:03:34
エメロード @actKrwz

ぐるりと辺りを見回し、吐息。初めに見た光景とはだいぶ変わったが、それでも白が溢れている事に変わりは無い。百合、鈴蘭、チューリップ、白薔薇……白い花を咲かせるものであれば、何でも咲いているような。空を仰ぎ、微かに流れる風に目を細める。 「……蒼穹(そら)が遠いな」

2013-12-30 22:03:41
エメロード @actKrwz

踏み締めた草花から香る生は、馨しく。紅が存在しない事に息苦しさを覚えながらも、当て所なく歩くのは止めだと言わんばかりにそこで足を止め、ただ静かに、目を伏せた。

2013-12-30 22:03:49
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

其処には、ただ暗闇が在った。 男の前には、漠然と広がる暗闇が在った。けれど男がそれを闇と認識するより先、景色は白へと変じ。その時にしてようやく、男は己が目を閉じていたことを知った。 鼻孔を擽る香りが在る。柔らかく、馨しく、何処か覚えのある香り。瞬きを一つ、二つ、繰り返し。

2013-12-31 00:52:42
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

鈍った回路がじわりじわりと回り始め――広がる白に目を見開いた。 白百合、白薔薇、水仙、――鈴蘭。広がる白は、美しく、馨しく。心臓の奥の奥を掻き毟りたくなるほどの衝動を男の臓腑に焼き付ける、白。眼前に広がっていたのは、男が何よりも望んだ白の花園であった。

2013-12-31 00:53:47
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

――帰って来れたのだろうか? ――……いいや、違う。 男は刹那、期待し、直ぐにそれを自ら打ち消した。 頭上、広がる蒼穹。彼女の花園に、蒼穹は無い。常夜の白。あの地に在るは、群青だ。 溜息が零れる。微かな苛立ちが底を焼く。

2013-12-31 00:55:47
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

首を振り、それを無理やり打ち消して、正面を見据えた男の視界に女の姿が入る。 長い黒髪の、女だった。 声を掛けるべきかと、男は迷った。されど男の喉が空気を震わせることは無かった。男の内に湧く嫌な予感が、それを男に許さなかったのだ。 男はただ、その場に留まり、女の姿をその目に映す。

2013-12-31 00:57:02
エメロード @actKrwz

――伏せられていた金色が垣間見るは、白の先に佇む男。 「やあ、こんにちは……で、良いのかな。」 空が映すのは蒼穹だが正確な時間は計れない。 「此処に在るという事は、君も罪の一つで間違いないかな?」 訊ねる。口調は柔らかく、腕は胸の下で組まれている。 「ああ、名乗りを忘れていたね」

2013-12-31 14:43:14
エメロード @actKrwz

「――貪、という名だ。さて、君はどこの誰だい?」 言葉は穏やか。相手に敵意を与えぬようにか、声は柔らかく。 「ああ、そうだ。君の名を聞く前に一応、言っておこう」 辺りを見回してから、蒼穹を盗み見て息を吐く。 「私から、手を出すつもりは無いよ」 何を馬鹿なと思われるかもしれないが。

2013-12-31 14:43:21
エメロード @actKrwz

「似た場所を、知っている。――興味があっただけだ、この空間と、この空間を成したものに」 さてしかし。――此処が“あれ”と同じ作りなのであれば、どちらかが敗さねばならぬのかもしれないが。男の纏う雰囲気に、金色を眇めながら、応えを待つ。

2013-12-31 14:43:28
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

「こんにちは。……君も、と言うことは、貴女もそうなんですね」 掛けられた声に、目を細め、微笑を浮かべる。紡がれた言葉には内心で溜息を吐いて、言葉を返し。 「貪……?……ああ、……」 聞かされた女の名に、引っ掛かりを覚えた。巡らせた思考に、浮かんで来たのはあの城に居た『憤怒』の姿。

2013-12-31 20:07:06
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

口数が少ないながらも彼が語った話の中に、その名が有ったのだったか—— 「私はアーネウス。『腐敗』の『強欲』です」 思考を振り払い、男もまた名を名乗る。 「私からも、攻撃する意思はありません。情けないですが、勝てそうもありませんしね」

2013-12-31 20:07:10
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

女の言葉を全て信用するわけでは無い。疑わぬわけでも無い。だが、警戒するにはどうにも馬鹿らしく思え、女から視線を外し、花園だけを視界に留める。 一面広がる淡い白。誰が成し、何を成すかなど、男にはどうでも良かった。

2013-12-31 20:07:28
エメロード @actKrwz

「……そうか、強欲、か」 吐息を一つ。君のように名乗るなら、と前置いて。 「私は『侵奪』の『強欲』だ。――君と同じ座に在る、と云う事になるかな」 笑みは何処か、憂いを帯びて。 「何やら、君の方は私の名に覚えがあるようだけれど」 不思議そうに首を傾げ、問う。

2013-12-31 20:54:05
エメロード @actKrwz

「はは、情けないという事は無い」 僅か、苦笑を滲ませながら、空を仰ぐ。 「……アーネウス、君には帰る場所があるのか?」 問いを重ねる。白の花々を見る彼の視線に何を思ったのか。

2013-12-31 20:54:11
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

『侵奪』の『強欲』。それもまた、かつて聞いた言葉だった。同じ座で在ることなど——いいや、それどころか男には座のことさえどうだって良かったが、微かに引っかかるものがある。 それが何か。いったい何故なのか。男にはハッキリと分かっていたが、思考を閉ざし、消してしまう。

2013-12-31 22:11:20
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

男にとってそれは考える必要の無いことで、思い出す必要も無いことだった。 「……『憤怒』、と言えば分かりますかね」 貴女ならば、と付け加えて。 「帰るべき場所があるんです」 もう一つの問いに答えた。隠す余裕も無く、溜息が零れて。 視界の白が、風に揺れる。まるで、波のように。

2013-12-31 22:13:05
エメロード @actKrwz

「――『憤怒(フェンヌー)』、」 呟きは、僅かに驚きを含み。後、何処か納得したように、柔らかい笑みを零して。 「そうか。……彼が。」 言葉は小さく。己の内へ染み込ませるように。 「帰るべき場所が在るのなら、帰るべきだな」 告げる言葉は確かな重さを秘めて。

2013-12-31 22:21:34
エメロード @actKrwz

「――待つ者が、いるのだろう?」 問いは静かに。あたたかな風は、白い花弁を揺らす。 目を伏せ、視線は空へ。蒼穹を眺め、そっと目を伏せる。

2013-12-31 22:21:41
ウィリアム・ウィドー @s_akiyui

女の呟きに男の微笑が消える。されど次の瞬間には穏やかな表情に変わり。 「まあ、『同じ強欲だが、お前とはまるで違う』と断言されただけでしたがね」 肩を竦める。それ以上は、特に覚えていない。アレには大分倦厭されていたから殆ど話すこともなかった。『傲慢』は、何故だか気にかけていたが。

2013-12-31 22:58:25