舞鶴漣日記まとめ９
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@shi_dakg
お前は艦娘ではなかったのか。「ご主人様、この人。人ですよ？」提督はその事実に驚く他ない。艦娘の艤装は艦娘にしか装備出来ない。背骨やらあのあたりに接続部があり、そこから自在に動かす為の疑似神経が設けられており、それを動かせる適性というものがあるからだ。#舞鶴漣日記
2013-12-24 03:34:14
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@shi_dakg
つまり、動かせているということはこれは人間ではない。そう判断したし、他にも判断材料はあった。五十鈴の艤装を、顔面を剥ぎ、身に纏う程の狂気——それ以上の腕力を、人間が発揮出来るものとは思っていなかった。#舞鶴漣日記
2013-12-24 03:38:09
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@shi_dakg
彼女は言っていた。——私艦娘になって戦いたいの。そうして嫌々提督科の座学を適当にこなす傍ら、整形もして、恐らくは憧れていた提督の密売人としての片棒を担ぎ、ここへ来た。そして時雨と加賀に食われた。はずだった。#舞鶴漣日記
2013-12-24 03:41:25
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@shi_dakg
「……ちゃん」今度は、長良の口を介さずにそれが言う。僅かな間ではあるが、机を並べていた時からの提督のあだ名で。#舞鶴漣日記
2013-12-24 03:45:27
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@shi_dakg
吐き気がする。目眩がする。なんだってこんなことになってる。なんだってあんなものに成り果ててるんだ。あれは「人間だろうよ、どうやったって人間だよ。ほら見ろ」天龍が言う。嫌だ、見たくない。気持ち悪い。「見ろって」軽い力でひっぱたかれて、顔をあげる。#舞鶴漣日記
2013-12-24 03:56:44
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@shi_dakg
長良は折り目正しくこちらに頭を下げるがミスというならそもそも死亡を確認していなかったこちらのミスだ。尋問なんてしたところでろくなこと解りゃしなかったろうし、謝る必要は無い。「ですが…」いいから。片付けは妖精さんに任せて、みんな戻ってくれ。#舞鶴漣日記
2013-12-24 04:22:13
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@shi_dakg
長良をまず先に戻らせてから、漣と天龍とでそれを見る。「吐きそうな顔してたくせに、大丈夫なのか？」今も吐きそうだよ。とりあえずビニールシート被せておいて、解剖かなぁ。チップ回収しないといけないし、多分こいつもあのクソと同じ薬やってるよなぁ。はぁ。#舞鶴漣日記
2013-12-24 04:24:03
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@shi_dakg
まったくいやになる。どうせクリスマスの飾り付けもここまではしないし、封鎖しておけばみんなあこちらまでは来ないだろう。残骸の回収だけお願いしておいて、あとはそのあとだ。うんざりだ。#舞鶴漣日記
2013-12-24 04:25:20
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@shi_dakg
朝だ。ひとまず妖精さんたちに残骸を片付けてくれたお礼としてウェハースを渡そうとするが断られる。何故です。問うと、いつもの筆談で、「それあきた」ごもっとも。なにより今日はクリスマスイブだ、後ほど違うものを持ってくると伝えて執務室を後にする。 #舞鶴漣日記
2013-12-24 09:09:21
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@shi_dakg
向かうのは飾り付けの及んで居ない場所だ。新しく大型艦建造が許諾されるとのこで、現在使われているドックを拡張するのだがそれには昔使われていた工廠の機能を完全に停止して廃棄するか、そちらに全機能を移行するかしろとのこと。まぁつまり旧工廠へ向かっている。 #舞鶴漣日記
2013-12-24 09:12:40
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@shi_dakg
地図の上でしか把握していないものだから、昨日の廊下にうっかり出てしまい、朝からうんざりリターンズだ。しかしそこを通らないと行けないので床に見える染みを避けて通る。小走りで駆けた先、さらにその奥だ。 #舞鶴漣日記
2013-12-24 09:14:27
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@shi_dakg
染みの廊下を抜けてふとその先の扉を見て額然とする。ここには見覚えがある。襲撃のあと、行方不明になった連中を探していた時に見つけた場所だ——地図を見る。新しいものと、古いものの二つを見比べる。#舞鶴漣日記
2013-12-24 09:24:46
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@shi_dakg
古いものにはその扉の横、目的地であるところの旧工廠への連絡通路が記されているのみでその扉は記されていない。新しいもの——こちらは妖精さんに頼んで精確に記録してもらったものだが——そちらには詳細不明、封鎖、とだけ書かれている。なんだよ詳細不明って。 #舞鶴漣日記
2013-12-24 09:27:00
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@shi_dakg
一人で入って怖い思いするのはゴメンなので調べるのはまた今度にする。そうだな年明けとか？そうだなそのあたりだな！！…大回りで連絡通路作ってもらってここ通らなくていいようにしよう、そうしよう。#舞鶴漣日記
2013-12-24 09:29:24
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@shi_dakg
連絡通路を通り、旧工廠の重い扉を開けるとかなり大規模な設備であったらしく、今使われているものより古い機材ではあるがその高さ広さはかなりのものだった。これなら大型艦建造とやらも問題なく出来そうだ。あとは老朽化の点検と、設備機能のバージョンアップと、そんなところか。 #舞鶴漣日記
2013-12-24 09:45:18
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@shi_dakg
外出中に漣から電話。大型艦建造の工事が思ったより早く済むとのこと。テスト運用してもいいかと聞かれたのでオッケーを出す。漣なら馬鹿な資材投入はしないだろうし、これで新型が出れば儲け物だ。 #舞鶴漣日記
2013-12-24 12:12:07
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@shi_dakg
しかも古参の加賀と殴りあいの喧嘩を始めたらしいので長門の投入を許可、そのまま二隻とも凍結させることを指示。あの加賀殴りあいとかするガッツあったのか。 #舞鶴漣日記
2013-12-24 14:36:48
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@shi_dakg
大型艦建造のミスでややテンション低めな漣にケーキを与え、夕張とジングルベルってるイムヤ一号とイクをひっつかんでモニターまで引きずっていく。えらい抗議を受けたものの、限定海域の報せを見るなり二隻とも目を輝かせる。無論 夕張もだ。 #舞鶴漣日記
2013-12-25 00:17:23
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@shi_dakg
どういう構造かは知らないが、メンタルモデルと呼ばれる艦娘にも似たその少女は、鎮守府を珍しげにうろうろすると（あくまで元になった艦の話だが）同じ潜水艦のイムヤたちのもとに戻って座り込んだ。落ち着かないのか。「ううん、ここが落ち着くだけ」なるほど。 #舞鶴漣日記
2013-12-25 01:18:15
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@shi_dakg
限定海域で三隻目となるイムヤを拾うが、やたらとうつろな目をしていたのと拾って来た一号が泣きそうな顔でぐずる直前だったので、受け取ってそのまま北上さんの改修に回す。それはそれでというような呆気にとられた表情を見るとどうすれば正解なのか解らない。 #舞鶴漣日記
2013-12-25 08:52:06
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@shi_dakg
龍田と違い、飛鷹、龍驤、大井の同期作業は滞り無く行われたようだ。こうなると何が原因なのかいまいち解らない。「そういえばご主人様、昨日の加賀さんたちですがー」そういえばあれあのあとどうしたっけ。「比叡さんの改修に使っちゃったじゃないですか」そうだった。 #舞鶴漣日記
2013-12-25 08:55:53
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@shi_dakg
渡されたのは小さなコンテナだった。小さなと言っても猫くらいのサイズはある。どうやって持ってたんだろう。「開けて、中みて」その言葉のままコンテナを開ける。爪が引っかかって欠けたがいつものことだ。#舞鶴漣日記
2013-12-25 11:55:25
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@shi_dakg
中に入っていたのは白い紙に包まれたコンテナよりも一回り小さな四角いものだった。質感としては煮凝ったゼラチンにも似た、溶けかけたニカワのような色をしたそれは、見慣れたものだった。「どうぞ、使って」妖精さんが言う。そう、これは使うものだ。提督として当たり前に使うもの。#舞鶴漣日記
2013-12-25 11:58:39