エネルギーの変換とか、輸送、貯蔵の効率について

エネルギーを使いたい時に使いたい形で使えるようにするには、別の形に変換したり、輸送したり貯蔵したりする必要があります。電気というのもエネルギーの「形」の一つ。その効率について具体例をいくつか調べていたので、古いツイートですが記録としてまとめておきます。
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Flying Zebra @f_zebra

水素は天然ガスよりも分子がずっと小さく(何しろ原子番号1なので)軽いので、高圧タンクで気体のまま圧縮するにしろ、液化するにしろ、必要なエネルギーは大きくなります。更に金属と反応しやすく(水素脆化)、容器の材料にも大きな制約があります。

2012-10-25 12:53:02
Flying Zebra @f_zebra

液体燃料のエネルギー密度が高く優秀だと書きましたが、それでも大量に使う場合、例えば火力発電では輸送と貯蔵にかかるコストやエネルギーはバカになりません。100万kW級の火力発電プラントを1年間運転するには、石油だと155万トンの燃料が必要です。ちなみに、石炭だと235万トンです。

2012-10-25 12:55:17
Flying Zebra @f_zebra

天然ガスなら95万トンで済みますが、液化するのにも液体状態で貯蔵・輸送するのにも大量のエネルギーを消費します。年間に155万トンの石油を輸送し、一部を備蓄しておくコストの正確な値は知りませんが、参考に原油の備蓄(国家備蓄と民間備蓄)を見ておきましょう。

2012-10-25 12:55:37
Flying Zebra @f_zebra

日本はオイルショック以来戦略的に原油と石油の備蓄を進め、国家備蓄と民間備蓄を合わせて国内消費量の半年分程度を備蓄しています。備蓄基地の建設は地元に反対されることが多く、民間設備の借り上げや洋上に係留したタンカーなども使っています。予算は、年間約2000億円です。

2012-10-25 12:56:33
Flying Zebra @f_zebra

ちなみに、原子力発電の場合100万kWを1年間運転するのに必要な濃縮ウランは僅か21トンです。輸送はトラックで、貯蔵は建屋内のラックに収まります。供給が止まっても、発電所にある燃料だけで2年程度は運転できます。エネルギー密度では、圧倒的に有利なのです。

2012-10-25 12:57:47
Flying Zebra @f_zebra

水素利用の話はほとんどできなかったけど、昼休みが終わるのでおしまい。TL汚し失礼しました。(誰かさんのマネ)

2012-10-25 12:59:11