茂木健一郎（@kenichiromogi）さんの連続ツイート第1155回「東京ステーションギャラリーに、行け！」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第１１５５回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、今朝、ふと思い出していたこと。

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とい（１）東京駅丸の内口の改装が終わって、ドームが本当にきれいになった。みんな見上げてカメラを向けている。そこに、東京ステーションギャラリーが新たにオープンしたのは知っていたけれども、なかなか行く機会がなかった。植田正治さんのも行きたかったが、行けなかった。

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とい（２）先日、駅を通ったら、ブリティッシュ・カウンシルの展覧会をやっていて、おっと思って入った。極楽鳥のフェイクがポスターになっている。イギリスは、現代アートの世界では重要国であり、ターナー賞に見られるように批評性が透徹している（談合の「日展」とは大違い）

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とい（３）それで、いろいろな作品があったのだけれども、２０分くらいのビデオ作品にやられてしまった。入っていったら、ちょうど周回上映の切れ目で、「あと＊分＊秒で始まります」と英語で表示されていて、待ってたら始まった。２０分全部は見ないんじゃないかと思っていたが引き込まれて見ちまった

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とい（３）最初、「なんだよ、これ！」と呆然として見てたのだけれども、後半になって、ある展開があり、それで、最後まで、呆然として見たのだけれども、今になって見ると、何だかあの作品が切ないというか、愛しいというか、すごい作品だったんじゃないかと思い返してきた。

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とい（４）それで、昨日、植田工（@onototo）とかにあった時に、「お前、ステーションギャラリーの、２０分のビデオ、絶対に見てきた方がいいぞ。最初から見ろよ。そうじゃないと、ネタバレになるから」とか言っていた。今、気になって、どんな人のどんな作品だったのかと調べてみた。

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とい（５）そしたら、Elizabeth Priceという人のビデオ作品で、しかも２０１２年のターナー賞を受けた作品らしい。へえ〜と思って、ちょっとびっくりした。何の先入観も事前知識もなしに見て、衝撃を受けて、すげーなーと思った作品が、後で調べてみると、ターナー賞だったわけです。

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とい（６）というわけで、ステーション・ギャラリーの今回の展覧会、絶対行った方がいいし、特にElizabeth Priceの２０分のビデオ作品は、ちゃんと始まるまで待って見た方がいいと思うんだけど、それにしても、平日だということもあるのだろうけど、ギャラリーに、人が少なかった。

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とい（７）東京駅近くの三菱の美術館にも、仕事の合間に時々さっと行くことがあるけれども、あっちはいつも人がたくさん。印象派中心の定番展示で、来ている方々も、定番な感じの方々が多い。一方、ステーション・ギャラリーに来ている方は、やっぱり感度とかとんがりがある。

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とい（８）それで、昨日@hazumaさんと話していた時にも言ったのだけれども、選挙って、とんがった方というよりも、定番的な人が勝つから、それを見ていても世界の次は見えないんじゃないかと思う。家入一真さんはもちろん当選するつもりでやるだろうけど、当選しなくても次は示していると思う。

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とい（９）東京都知事選挙って、その結果はいつも印象派の絵のようで、決してElizabeth Priceのビデオ作品ではない。だから、選挙の勝ち馬だけに乗っていると、自分の存在が印象派の絵になってしまう。登場した時には斬新だったが、今ではカレンダーの絵。画鋲で壁に留めよう。

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以上、連続ツイート第１１５５回「東京ステーションギャラリーに、行け！」でした。