完全ノープラン艦これ与太話【ネイビー・アライヴ・インポッシブル】#3～#4

春魔解丼 @vespiking

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#完全ノープラン艦これ与太話 【ネイビー・アライヴ・インポッシブル】 #3

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――数分前！

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「アーッ！なんという美麗……いけない！とてもいけない！」入渠ドック脱衣所に夕張の絶叫が響き渡る。全裸のまま阿賀野の艤装を抱き抱え、恍惚とした表情で肌を擦り付けている。「艦橋が大きい！7000t超！でも書類上は6000t！アーッ！逆詐称！」変質者！！

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「そして……砲塔！アーッ！これはとてもいけない！」阿賀野の艤装、その砲塔！先の大戦では条約で禁止されていた50口径三年式二号20cm砲！軍縮条約の存在しない現代においては軽巡にも搭載可能なのだ！当艦隊でも正式採用されている。「ほとんど違法行為だ！こんなことが！アーッ！」絶頂！

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（あっ……んっ……はっ……）ふいに浴室から、淡く黄色い声が漏れた。夕張の12.7cm単装高角砲が1秒未満で最大仰角まで屹立する！通常ではありえない速度！大日本帝国の技術開発力と生命の神秘が互いにスパークし奇跡がおきたのだ！「この声は！阿賀野さん！」見よ！これぞ三式聴音機の精度だ！

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聴音観測から0コンマ1秒、夕張は浴室に向かって翔んだ！夕張の速力は今や50ノットを超越している。ボイラーが焼け付き、タービンが悲鳴をあげるが、彼女は意に介さない。今はただ、浴槽で眠る阿賀野のもとへ！1秒でも早く！

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真白く光る船体を湯船に浮かべた阿賀野がそこにいた。艤装も制服も一糸すら纏わぬヒトの身体ではあるが、唯一身に纏う美しい気品はまさに、軽巡の完成形と称された阿賀野型のそれである。「ア……オオ……」落涙。感動の涙である。天を仰ぐ単装高角砲がしめやかに火を吹いた。

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背中の艤装連結ユニットに結合された太いチューブ状修復機材から修復剤がドクリと注ぎ込まれる度、阿賀野の寝息に嬌声が混じる。美しい船体に穿たれた異質な機械は、一見するとグロテスクで、それでいて奇妙な美しさを纏っていた。「ワオーッ機械姦！」轟く夕張の怒号！ワビサビが台無しだ！

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夕張は跳んだ！神話の挿絵に描かれた醜悪な悪魔デッサン絵画のごとく跳んだ！神聖を穢す背徳！ああ、私はいま黄泉比良坂を駆け上る黄泉醜女である！皇国大和の美しき大地を穢さんとする黒き稲妻である！稲妻はとてもはやい！光だからだ！光は宇宙でいちばん速い！光速だ！

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阿賀野の胸を乱暴に掴む夕張！とてもやわらかいおっぱいだ！セクシーすぎてどうなっちまうんだ！「オオーッ！大日本帝国万歳！」大破の傷で血が垂れた口元を舐める。油と鉄の混じった艦娘特有の風味が口いっぱいに広がる。狼藉！だが阿賀野は目を閉じたまま寝息を立てる。それが一層夕張を興奮させた。

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その時！ふいに阿賀野の瞼が薄く開き、肉付きのよい官能的な輪郭線の腕が夕張の頭を優しく抱いた。「アッ……ファッ！？」腕はそのまま夕張の頭を胸に押し付ける！「アーッ！阿賀野さん！合意とみて宜しいですか！？モガーッ！」腕は更に強く頭を押し付け、頭を……締め付けている！？何かがおかしい！

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「おっぱい溺死する！至福！」狂気！死に直面した夕張の精神状態はいま、誇り高き特攻兵のそれにすら近付いていた！だが落ち着け夕張！おお、どうか気付いてくれ！その三式聴音機で！血と混じって阿賀野の口から漏れる、黒い粘性の液体！そこから漏れる恐怖的音声に！「……NYAAA...」

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意外としぶとい夕張に業を煮やしたか、阿賀野は頭を胸から引っペがし、その唇を奪う！阿賀野の口から多量の粘性体液が夕張へと侵入する！「NYAAAA!!」糸の切れた人形のように白目をむいて倒れる阿賀野！「オゴーッ！！」胸を掻き毟ってもがく夕張！「オ、オゴッ、オゴ……カ、カ……」

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「かかったなアホがァ！！！」

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夕張は最後の力を振り絞って阿賀野と逆方向へ跳躍！今日見せた蛮行のどれよりも力強く、決断的に！「阿賀野さあああんッ！最期に貴女とセックスできて！幸福でしたァーッ！！」夕張の腹部が突如爆発！ボイラー異常加熱による自爆である！湯船に内臓と血と重油が飛び散る！その中には……『猫』の残骸！

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夕張の三式聴音機は、脱衣所の時点で阿賀野に潜む『猫』を探知していた！砲戦では勝機なしと判断し、彼女が選んだ戦術は道連れである！サイバネ改造によって不死身であるとはいえ、この極限状況での決断力！自己犠牲か！？否、信頼である！仲間が必ず復活させてくれると信じて！あと煩悩も多少あった。

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「ア……あれ？ここは……キャーッ！メロンさんが！メロンさんがスイカ割りに！ウォーターメロン！」意識を取り戻した阿賀野は眼前のゴア光景に戦慄する！だが！「アーッ！あっ、でもお花畑の向こうでメロンさんが手を振ってますね！元気そう！」幻覚症状とポジティブシンキングで即座に立ち直る。

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阿賀野は艦霊としての怨念があまりに強力であり、船体側の深刻な拒絶反応を劇薬投与によって抑え込んでいる。その副作用で常に幻覚をみており、言動は極めて胡乱で判断能力も著しく低い。平時では余りある戦力を殺ぐハンディキャップでしかないが、この局面では功を奏した。

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阿賀野の九三式聴音機が猫の気配を捉える。「きらりーん✩猫さんがいっぱい！可愛い！」阿賀野の両眼が金に輝く！flagship！「そうだ！さっきまで猫さんと夢で遊んでました！きっと正夢ですね！」瞳が縮小し、一糸纏わぬその身を……殺気が覆う！

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【ネイビー・アライヴ・インポッシブル】 #3 終わり。おそらく #4 に続く。

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（ほんじつの更新にて、夕張の三式聴音機という表現がありましたが、正しくは九三式聴音機でした。担当者は責任を取って阿賀野の胸で窒息刑としましたので、ごあんしんください）

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#完全ノープラン艦これ与太話　【ネイビー・アライヴ・インポッシブル】 #4

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（これまでのあらすじ：夜間の鎮守府を襲う謎の怪現象『猫時間』。開門システムのジャムにより、北上率いる指令部隊は着任すらままならぬ状態であった。しかし昼間から着任できる今日は状況が違う。好機！『猫』との直接対決が幕を開けた！）