完全ノープラン艦これ与太話【ネイビー・アライヴ・インポッシブル】#1～#2

春魔解丼 @vespiking

開かずの鎮守府正門へアサルトダイブを敢行しついに着任に成功した俺提督一味

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8.8 cm高射砲の大口径砲弾が鎮守府正門を撃ち抜く！！はちの召喚する8.8 cm高射砲はオリジナル原寸サイズであり戦艦の４６ｃｍ砲よりもギザギザとかそういうのが多く破壊力が実際高い！！

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着任し即座に遠征艦隊を送り出す！大淀を下に落とす！任務を完了する！なんたる日々の通勤時間と起床時間に由来する無駄のない執務室移動か！そのまま建造を開始せんと窓を開き工廠へとダイブする夕張！だが……『『ＫＡＢＯＯＯＯＭＭ！！』』ナムサン！

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猫である！巨大な猫が工廠の壁を突き破り空中の夕張を攻撃する！空中で回避動作をとるが間に合わぬ……直撃！撃墜！内臓破裂！！頭をコンクリートに打ち付けドゲザしたかのような姿勢で動かなくなる。

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猫の吐き出す奇怪な瘴気は鎮守府を多い尽くし……おお、ブッダ……斃れた夕張を包み込み……視界が……白く……

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【ネイビー・アライヴ・インポッシブル】#1 終わり。 #2 に続かない。

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「ゆだんするな、そろそろ『猫時間』だ……」鎮守府の重鎮たる北上すらも、張り詰めたアトモスフィアの中で殺気をぎらつかせる。「出撃旗艦は」「阿賀野」「遠征隊は」「当日中に第２・４艦隊帰投予定な」「低練度……猫出没中の帰投は絶望的……」「我々で猫を倒すので？」「やるしかない」

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【ネイビー・アライヴ・インポッシブル】 #2

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任務進捗をあらわす電光掲示板には「遠征１０回な」「システム総じ５０％」「遂行中」「スラムダンク」といった無慈悲な文言が並び、大淀が滑っては落ちてゆく。時刻フタマルサンマル。遣独艦隊の不在を考えても達成不可能な数値ではない。平時であれば。

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平時、北上らの着任は早朝及び深夜となる。それゆえここ数日間、夜半の着任は『猫時間』と重なり続けていた。遠征指示すらままならぬ状況である。昨日は正門を破壊して突入するも、内部にて交戦した『猫』の攻撃を受け夕張が死亡。司令部隊も鎮守府脱出をよぎなくされた。だが、今日は違う。

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『猫時間』と呼ばれる怪現象が観測され始めたのは数日前である。日没後、特定の時間における『猫』の出没。それに伴う鎮守府正門開放システムの完全停止。『猫』の出没、それ自体は以前より観測されるありふれた『天災』であった。だが今回は、毎日同時刻に出没する点が極めて異質であった。

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「今日はタタキのめしてやりますよ。昨日とは違う」「ゆだんするな、猫はひかるし、つよい」夕張の軽口を北上がたしなめる。今日は『猫時間』以前より指令部隊が着任している。正門の内側にいる。やるなら、今日しかない。

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ここで夕張の生存を不可解に思われる読者諸氏もおられることだろう！夕張は昨日以前にも、南西諸島海域における海戦でいちど死亡している。その時、死体をベースにバイオテック改造手術を施され不死身のサイボーグ艦娘として蘇生！洋上で死ぬと恐らく沈むので死ぬが、陸上でなら何度でも復活するのだ！

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「い号作戦完遂です」「出撃、打ち止め。交戦可能戦力すべて執務室へ終結せよ」「ラジャー」「あっ工廠の妖精さんが手を振っていますよ！！」「おいメロンあのバカを縛ってこい」「ラジャー！」幻覚にはしゃぐ阿賀野を荒縄で縛る！「ンアーッ！」豊満な胸が強調！夕張興奮！「おい誰かそのバカも縛れ」

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……数十分後！対『猫』作戦の本拠地たる執務室に、６隻の艦娘が集結していた。正規空母飛龍！重巡洋艦羽黒！高速戦艦霧島！駆逐艦夕立！航空戦艦山城！そして『司令官』、重雷装巡洋艦北上。中枢本隊、その中でも最強の練度を誇る精鋭６隻。しかし場の空気は、楽観とは程遠い。

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「遠征８０％達成。現在の遠征部隊が帰投すれば、任務達成です」「遠征任務は余裕っぽい？」「ゆだ　するな。猫のお　ろしさ　……」「あれ　声が遅れ　あれ？」恐怖！時間間隔の遅延である！『猫』の予兆だ。「――来るぞ！」

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「彩雲発艦します。まず母港の偵察を」「まかせた」最初に動いたのは飛龍である。執務室の大窓を開き、最小限の所作で彩雲を撃ち出す。外海より遥かに狭い母港における夜戦。超長距離での昼戦を主体とする空母にとっては最悪のシチュエーション。それ故の偵察役である。今動かねば。

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「入渠ドック周辺、異常なし。阿賀野とメロンも無事……、いや、うん、何も見てない。大丈夫」「何を見たんですか」「何も見てない！私は何も見ていない！」「いったい何を！」「うるせえクソメガネ！指紋ベッタベタつけんぞ！割るぞ！」

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「そういうスケベ談義はいいからサッサと工廠とかにも飛ばしてくださいよ」羽黒が静止する。最近羽黒は機嫌が悪い。姉のチョコレートづくりを延々手伝わされストレスがたまっているのだ！とくに色恋沙汰はタブーだ！「三式弾タタキ込むぞ左舷艦橋」「コワイ！いつもの羽黒ちゃんじゃない！」理不尽！

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入渠ドックを離れ、彩雲は工廠上空を旋回する。人影はない……異常なし。……人影がない？本当に？『WNYAAAAAAAAAAA!!!!』

春魔解丼 @vespiking

「しまった！」ＡＬＡＳ！先の阿賀野の幻覚！あれは単なる幻覚ではなかった……手を振る妖精などいない！なら何がいたのか！「「応答願います本部！『猫』です！『猫』確認！よ、妖精の死体を喰って……ブツッ！」」工廠方面で小爆発！通信が断絶する！「キエエーーーーーッ！！！」

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彩雲の爆発音が執務室に届くより先に、夕立は工廠へ向かって跳躍！夕立の持つ野性の感覚が敵の存在を嗅ぎ付けたのだ！弾丸めいて射出された夕立は空中で獣のように身を捻り、着地と同時に『猫』の頭を掴み叩き伏せる！敵は１ｍ級一匹！力量は互角！

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『猫』はヌルリと夕立の掌から頭を滑らせ、互いに一撃必殺には一歩届かぬ間合いで威嚇し合う。べちゃり、と足元の血が跳ねる。血と混じり、足元から立ち昇る赤い瘴気。深海棲艦eliteのそれと同質のオーラが砲口に、魚雷管に、両目に収束し、その視線すべてが敵一匹へ収束する。眼前の敵一匹に。