東京国際映画祭2010 レビュー集

@Fiction_kk氏のレビューをまとめ
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株式会社フィクション @Fiction_kk

『ゲスト』とにかく先に一言 「長いよ!!」

2010-10-26 22:50:27
株式会社フィクション @Fiction_kk

『ゲスト』 映画祭で壇上に上がる監督がカメラを客席に向けていることがある。「シルビアのいる街で」の監督が世界の映画祭を廻って録り溜めた映像の記録…ということになっているが、実際はスペイン人である彼が、かつてスペインが世界にばらまいた二つのもの「スペイン語」「カソリック」を辿る内容

2010-10-26 22:55:16
株式会社フィクション @Fiction_kk

最初のうち、中南米で貧困とセットにして路上で旧約を説くものがどこでも映されるあたりはひそかにそういう意図もあんのかな、と思ったが次第に露骨になっていきクライマックスではイスラエルとパレスチナ。ラストはヴェネチアに降る雨に「大洪水」を重ね合わせる、ではあまりに暗喩として恥ずかしい

2010-10-26 23:02:34
株式会社フィクション @Fiction_kk

劇中何度も「フィクションとドキュメンタリーの差異はなにか」という問い掛けがなされるのだが、この映画でそれに答えたことには全くなってないと思うのだが…

2010-10-26 23:04:28
株式会社フィクション @Fiction_kk

『一粒の麦』 まさかまさかの幻想映画の傑作! ラストはファンタジーだけが描き得る、美しさに満ちている、愕然 #tiff_2010

2010-10-27 13:32:19
株式会社フィクション @Fiction_kk

タイトルは聖書の成句、一粒の麦死なずば。ルーマニアで客死した息子の遺体をセルビアに運ぼうとする男と、逆にコソボに売られた娘をルーマニアに連れ帰ろうとする男。二人の旅を、大昔千キロの道程を教会を運ぼうとした人々の苦難が繋ぐ。旧ユーゴの現代をこれまでにない視点で描いている

2010-10-27 13:37:09
株式会社フィクション @Fiction_kk

旧ユーゴ時代の警官が、未だにチトーを敬愛しているようなリアルな辛さを描きつつ、娼婦や死体についてのブラックユーモアや、ルワンダからきた黒人やジプシーなど、オフビートなコメディが共存できているセンスは非凡。

2010-10-27 13:40:33
株式会社フィクション @Fiction_kk

トークも堪能。しかしあのラストのためにセット組んだのかなあ。矢田部さんによればCGはごく一部とのことでしたが。とまれ『一粒の麦』のような映画はまず一般公開はないしビデオだってあやしい。正に映画祭で出会わなければ、観れない映画だったなあとしみじみ。感謝です

2010-10-27 14:15:58
株式会社フィクション @Fiction_kk

『ウインターズ・ボーン』弟妹を育てるために極貧の中で生き抜く少女の話だが、文芸映画ではなくハードボイルドサスペンス。保釈金を払わずに消えた父、このままではそのカタに家をとられる、父の行方を探すが親戚たちに探すなと脅され…と魅力的展開。原作小説はもっとミステリー仕立なのかな

2010-10-27 16:20:21
株式会社フィクション @Fiction_kk

少女が大人の世界を知って大人になるパターンだが、タイトルにあるように「冬の骨」を得るために主人公がやらされることはかなり強烈(笑)

2010-10-27 16:28:10
株式会社フィクション @Fiction_kk

『隠れた瞳』 あれ?期待しすぎたかな、なんか肩透かしな。主演女優の美しさはハンパないが

2010-10-27 19:40:11
株式会社フィクション @Fiction_kk

『重慶ブルース』 かつて妻子を捨てた父。息子が人質事件を起こし射殺されたと聞き、息子の動機を知ろうとする…。ハードボイルド小説のような導入ながら、高層ビルが立ち並び若者文化が栄える重慶に戸惑う主人公は、いまの中国を反映しているのだろう。そして明かされる真実が父に突き刺さる。渋い

2010-10-28 16:34:14
株式会社フィクション @Fiction_kk

『恋の紫煙』 新作は必ずTIFFにかかるのに、一度も一般公開されたことのない(笑)パン・チョーホンの新作。私は好きですけどね。喫煙コーナーで出会った男女の恋が、タバコ税の税率があがる夜慌ててタバコを買い占めてまわるうちに終わる。洒落た、本音の恋愛映画。いまの日本なら共感されそう

2010-10-28 18:26:59
株式会社フィクション @Fiction_kk

『神々と男たち』来春公開が決まったそうでまずはめでたい。しかし当然そのチラシだと思って受け取ったら「玄牝」のチラシだったのは…これ、立派なテロではなかろうか(笑)

2010-10-28 22:39:05
株式会社フィクション @Fiction_kk

『神々と男たち』1996年アルジェリアで誘拐殺害された修道士たちの実話に基づく。犯人はイスラム教過激派とされたが、軍による陰謀説もありそこは巧みにぼやかされている。宗教が戦争を産むなんて浅薄なことを言うことは決してできなくなる、実話を越えた深源に触れた映画 #tiff_2010

2010-10-28 22:47:42
株式会社フィクション @Fiction_kk

今まで映画で描かれていた、異教徒に無理解で自分達を絶対視する伝動者や修道士はここには登場しない。回教徒と共存しコーランを学び時にはアーメンとともにインシュアラーと唱える。熱心な宗教家だからこそ過激なイスラム教テロリストとむしろ心情をかわしてしまうところなど圧巻。カンヌ伊達ではない

2010-10-28 22:52:42
株式会社フィクション @Fiction_kk

順番前後したが『エッセンシャル・キリング』まさかの戦争アクション(笑) あの母乳強吸シーンだけでギャロの受賞は当然とは思うが大枠はややありふれてないか。殆ど言葉を排すことで生まれた緊張感が、最後に聾唖の女性を出すことで屋上屋になってしまった印象

2010-10-28 22:57:42
株式会社フィクション @Fiction_kk

『ブライトン・ロック』 グリーンの後期長編が原作。60年代のイギリスを再現したいのか、60年代のイギリス映画を再現したいのかは、似ているようでだいぶ違う。そのどちらをもと欲張った結果、なんだかリアリティから掛け離れた奇妙な仕上がりに。現代でグリーンに挑む意義はなんだろう

2010-10-29 13:27:46
株式会社フィクション @Fiction_kk

トークを聞いて、監督はあのカソリック的世界観を本気で現代でやるべきだと思ってたことがわかる。じゃあ現代化されてないのも仕方ない…のか?(笑) ニール・ジョーダンが委員長と聞いて「Ilost」と覚悟したというのは良い話だ

2010-10-29 13:57:22
株式会社フィクション @Fiction_kk

『ゴーストライター』端正に作られたポリティカル・スリラー。悪女描写にチャイナタウン時代を彷彿させるが、それよりずっと定型の安心感。だが戦争犯罪で告発されそうなので英国に帰らず米国に居座る元首相という設定が、ポランスキー自身の境遇を思わせ、とにかく爆笑。連れ戻したかったら殺せ、か?

2010-10-29 17:33:17
株式会社フィクション @Fiction_kk

『一粒の麦』の凄さを、伝えるべき人に伝えられたので大満足なう(笑) 『そして、地に平和を』のテーマは『ウインターズボーン』にも通底してるかも、という指摘に納得

2010-10-29 17:35:29
株式会社フィクション @Fiction_kk

『僕の心の奥の文法』 60年代のイスラエル、まわりのみんながどんどん大人になっていくスピードについていけず、子供のままで止まろうとする少年の、痛さと優しさがあふれた日々。多分イスラエルという国の少年期を象徴してんのかなと思いつつ、異国の普通の生活を知る楽しみを満喫

2010-10-29 19:50:41
株式会社フィクション @Fiction_kk

『サラの鍵』 単純な映画の完成度にすればコンペの他の作品は問題にならない。マスターピース!

2010-10-29 22:55:21
株式会社フィクション @Fiction_kk

歴史ミステリーは過去よりも、探偵役のいる現代の描写が難しい。ドラマは必要だがそれがとってつけたようになっては興ざめだからだ。『サラの鍵』では過去を知ることによって現代の人々が揺さぶられるそのバランスが絶妙で、最終的には現代そのものを描く

2010-10-29 23:05:59
株式会社フィクション @Fiction_kk

ベルディヴ事件(フランス警察がユダヤ人八千人を検挙し収容所に送った)の競輪場や収容施設をセットで再現し大作感すら。真実を探ることが夫の家の隠された暗部を、そしてフランスの暗部を明かすことだとしたら、そこに意味はあるのか。

2010-10-29 23:12:14