【八十五番目、これでいい】福間健二 2factory55

二〇一一年五月にfukumaten でスタートしたところから、これが八十五番目。百本やって、百番目は十一回にして、千一夜ならぬ千一回の朝の「発言」としてまとめたいと思っています。今回は、いいタイトルが浮かばなかった。「八十五番目、これでいい」と思ったときの「これでいい」までを入れたタイトルにしました。一月に行った松山で出会った風景と顔から書いたのですが、岡山と大阪に行く用事ができて休み、戻ってから8、9、10を書きました。 音楽は、松山の友人堀内統義さんの好きなビートルズ。迷わずに「HELP!」。 http://www.youtube.com/watch?v=N4WaptDiwR4
ファッション ドトール ロッテリア 詩歌 タリーズ モスバーガー
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福間健二 @acasaazul
城からリフトでおりたところで知らせを受けた。事件、ガラクタを天使の羽のように畳むものにする。裏切っていい。空港へ向かうバスのなかで次の頁に釘が打たれた。秘密、糸口は腫れた左手の親指のつけね。その紫色に支配され、水時計、うごかない。(八十五番目、これでいい1)#2factory55
福間健二 @acasaazul
くぐって、またぐ。うまく入ったけれど、出るときに女性の視線を感じて、井戸、左の膝と手首をついて、水時計、さかさまに。三津から港山への渡し舟。高浜「みなとや」のアナゴ、タコ、ワカメ、トロハゼ。親指と人差し指を、加速する炎が往復した。(八十五番目、これでいい2)#2factory55
福間健二 @acasaazul
だれかになにかを贈りたい。そんな心が、別々に風を受けて、関節を痛めている。小さな鉄道の終着駅の、小さな本屋でもある売店。すぐ前が海に沿った道で、後は神社のある山。鐘が鳴った。時計を抜けだして音に属する時間が錘りになって沈んでいく。(八十五番目、これでいい3)#2factory55
福間健二 @acasaazul
石になる。だれの屈辱。光る石になる。だれの夢。顔までかぶった毛糸の帽子の編み目をとおして明るい入江の窪地を見る。ラフロイグ、だれも踊っていない。二〇一一年秋の松山。ホテルの部屋にあった夏目漱石を読みながら、帰らない人たちを思った。(八十五番目、これでいい4)#2factory55
福間健二 @acasaazul
何度も落下して壊れた機械とぼくの、夜の旅。囚われの身の、疲れきった人々と線路が目の前にあらわれては消える。反省しない金属に属する時間もあるのだ。きらきらする棒と靴、フィートとインチ。気がつくと銀天街の午後。福引の抽選券、もらった。(八十五番目、これでいい5)#2factory55
福間健二 @acasaazul
ドトール、タリーズ、ロッテリア。この惑星の、落ち着かない娘たち。コーヒーと、なにか。食べるもの、色彩とリズム、低反発。あとは絡みあう影を隠す権力の雲への、さりげない異議申し立てを体のどこかで。けさの夢。孤独な牛を自由にしてやった。(八十五番目、これでいい6)#2factory55
福間健二 @acasaazul
牛の目にやどる「きみが欲しい」の歴史。それがせつないのだが、その角がテーブルをひっくりかえして世界は北側から混乱する。思いを読みとられた娘のひとり、ジーンズのおしりにコーヒーのしみがつき、片ひざにかぎ裂き。なんだ、チカちゃんだ。(八十五番目、これでいい7)#2factory55
福間健二 @acasaazul
くちごもる。井戸、ドア。未来の耳に入っていく。振動、浸透。決定的でなくても単純な「人間であること」のねじれる線のおもしろさ。陶酔するための水の山を要求して渇きに目ざめるきみなら、普段着でパーティーにやってきてクイーンに対抗できる。(八十五番目、これでいい8)#2factory55
福間健二 @acasaazul
穴だらけの、痛みがついてまわる、苦難と抗議の、引き延ばされる「これ、気持ちいい?」の、この夢、この人生。どの断片を銀色の空に放つのか。手首の捻挫と閉所恐怖症、治りそうになくて、ぼくはきみを見ない。花に、花であるきみに見られている。(八十五番目、これでいい9)#2factory55
福間健二 @acasaazul
チカちゃん、ぼくはいま岡山です。霧の中の、モスバーガー京山店。絶滅を免れた「男と女」が対話している。点と点、音と音、色彩と色彩。人間はこうして開かれるのだと裂け目を覆うものを眠らせなかった松山のマルドロールと水時計によろしく!(八十五番目、これでいい10)#2factory55

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