今泉デレラ

やる気のない御堂筋 翔 @0pb3254810c176w

ボク「……いまいずみくん寝よっか」今泉君「眠くないっぜ！！」ボク「…ほなボクの隣おいでご本読み聞かせたるから…」今泉君「え〜」ボク「あるところに意地悪なままははにいじめられている」今泉君「つまんねぇからやめろって」ボク「今泉デレラがおりました」今泉君「超面白そう」

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ボク「今泉デレラはクソイケメンで、B専の継母はそれが気に食わず、彼に仕事ばかり押し付けました。ですが彼の性格からではろくすっぽ仕事などやらずにいたので、継母は腹を立て、舞踏会くらいは連れて行ってやらないこともないと思っていたのですがその考えをやめ、今泉デレラに留守番をさせました」

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ボク「すっかり被害者ヅラの今泉デレラは屋根裏部屋で泣き出してしまいました。どうして俺だけこんな扱いを受けなきゃいけないんだ。クソ女が、一服盛ったろか。そう泣きながら八つ当たりで壁に穴を開けていると、泣くのはおよし、今泉デレラと鳴子の声が聞こえました」鳴子「おっ、ワイか」

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ボク「鳴子は…なんかこう…魔法で馬車とか…つくって…今泉くんに立派なタキシードを着せ、ガラスの指輪をはめさせました。12時には効果がきれるからレンタル代はええわ。楽しんでこい。そういって鳴子は無理矢理馬車に今泉デレラを押し込め、お城まで連れて行きました」

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ボク「王子が嫁を決めるための舞踏会などという内容を知らない彼は普通に会場に入ると、そこには美しい女の人たちばかり。男は召使いの数人くらいで、今泉デレラはすっかり浮いてしまいました。だけれどまわりからどう見られようと特に関係ない今泉デレラはどっかり椅子に座り、お酒を煽りはじめます」

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ボク「そんな今泉デレラに話しかけたのは、一人の召使いでした。貴方はどうしてここに居るのでしょう。もしかして貴方も王子様に見初められに？そうたずねられますが、意味の分からない今泉デレラは酒を飲みに俺は来たんだが。というと、召使いは分かりやすく溜息をつき、彼を裏庭に連れて行きました」

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ボク「あんなぁ、お前みたいなアホがおるからボクの仕事が増えるんよ。今日は王子様が嫁はんを選ぶための舞踏会。お前は男。わかったら出てき。そう召使いは今泉デレラに説明をしましたが、今泉デレラは継母に仕返しをするには王子に見初められるのが一番だと思い、出て行くのを断りました」

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ボク「正気かと召使いに頬を掴まれましたが、俺そっちのけあるからと適当に言い、舞踏会の内容を教えてくれたお礼にダイヤが付いたガラスの指輪を渡しました。名前は？と今泉デレラが言うと、召使いは小さな声で御堂筋と呟きます。もう会う事はないでしょうが、彼の名前を覚えておく事にしました」

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ボク「さぁ仕返しの時間だ。今泉デレラは舞踏会の中心で美しい女たちに囲まれる王子の手をそっととり、僕と一曲どうでしょうと微笑みかけます。王子はそんな彼に戸惑いながらも返事をしてしまいました。今泉デレラはたまたまダンスがうまかったため、王子を見事にリードしメロメロにしてしまいます。」

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ボク「その様子を見ていた継母は泡をふいてぶっ倒れ、会場は騒然としました。あの男をつまみ出して頂戴と女たちは召使いに言いますが、御堂筋は王子様が気に入ってしまったようなので。とただ笑い、動こうとしません。するとどうでしょう、12時を告げる鐘がもう少しでなりそうではありませんか」

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ボク「継母も倒れた訳ですし、今泉デレラはすっかり満足しました。あとは帰るだけかとお城を出、階段をおりる今泉デレラでしたが、誰かに後ろから腕を掴まれてしまいました。振り返ると、あの召使いが笑っています。王子様からの命令でして。貴方を捕まえろと。腕を掴まれた今泉デレラは慌てます」

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ボク「俺は魔法でこの姿になってる。12時を過ぎたらもとのつぎはぎだらけの服に戻っちまうんだ。と御堂筋言いますが、彼は聞き入れてくれません。それより立派な服なんて城に沢山あると笑われながらお城に引っ張られますが、冗談ではありません。このままでは王子と結婚させられてしまうのです」

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ボク「今泉デレラはそんな召使いの隙をついて後頭部を軽く殴り、階段から突き落としました。突き落とすといっても全くたいした段差ではなかったのですが、運動神経の悪い召使いは受け身をとることもできず、今泉デレラから貰った指輪をはめた右手を折ってしまいます」

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ボク「そんな彼をおいていく程今泉デレラは極悪人ではありません。召使いに駆け寄り、呼びかけます。大丈夫か、すまなかった、本当に悪かった、今人を呼んでくる。それまで頑張るんだぞ。今泉デレラは再び城に戻り、王子様に事情を話します。」

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ボク「ですがそんな召使いを助ける為に動いてくれる王子様ではありませんでした。それより戻ってきたことに感謝され、王子様の部屋にズルズルと連れて行かれます。そんな、じゃああの召使いはどうなるんだ！そう王子様に言いますが、まるで彼はとりあってくれません。」

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ボク「王子様はご機嫌で今泉デレラを着せ替えます。12時の鐘は鳴りましたが、王子様が他に服を着せてくれたので誤魔化しはききました。ですが今泉デレラはそんな事はもう気にかけていませんでした。ただ、階段下で苦しんでいた彼をが気がかりで仕方がありません。」

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ボク「王子様は自分好みに着せ替えた今泉デレラを見て満足します。私は貴方と一緒になりたいのですが、表上、女の方と結婚しなければありません。ですが私は貴方と居たい。ですから、ここで待っていてください。さっさと女性の婚約者を決めて来ます。と王子様は笑いながら舞踏会に戻って行きました」

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ボク「チャンスだ！と今泉デレラは窓を履かせて貰ったブーツで蹴破り、城から出て行きました。階段まで走ると、そこには召使いはもう居ません。一体どこに行ってしまったのでしょうか。辺りを探しますが、召使いの姿はありません。」

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ボク「そうこうしている内に今泉デレラは別の召使いに捕まってしまい、城に戻されてしまいます。どうしてこうなってしまったんだ。家で大人しくしていれば良かった。と今泉デレラは後悔しました。王子は確かにとても整った顔立ちをしていましたが、ノンケな今泉デレラの心は少しも動きません」

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ボク「今泉デレラはやけくそのようにお酒を煽り、豪華なベッドに横になりました。今日はここから出ても無駄だ、明日どうするか考えよう。そう自分に言い聞かせ、今泉デレラは眠ってしまいます…。そして日が上り、朝になると今泉デレラはたくさんの召使いに叩き起こされました」

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ボク「おはようございます、さぁ今日は王子様の結婚式ですよ！今泉デレラは起きて間も無く風呂に入れられ、朝食をすませ、王子の結婚式に出席する事になりました。街の人間や貴族の連中が集まる中、今泉デレラは王族の席に座らされます。」

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ボク「さて、王子は誰と結婚したのかと皆がソワソワして待っていると、王子はなんと今泉デレラの継母と手を繋いで出てきたではありませんか。美しい女性に喜ぶ人々と反対に今泉デレラは白目をむき椅子ごと倒れました。」

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ボク「今泉デレラが目を覚ましたのは、もう日が落ち、あたりが暗くなった頃です。ふと、今泉デレラは違和感を覚えました。服をきていないのです。周りを見回すと、隣で同じく裸で眠る王子の顔が。状況を理解した今泉デレラはトイレで胃の中のものをぶちまけ、泣きはじめました」

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ボク「今泉デレラはここから出る事を強く決心すると、ベッドの周りの脱ぎ散らかした服を着、馬車を出すように召使いに言いつけます。彼は城から金貨を持てるだけ持ち、まちから出て行きました。出来るだけ遠くまできた今泉デレラには金があったので、そこに豪華な家をたてます」

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ボク「そこで暮らしはじめた今泉デレラは王子に見つからないよう、最初に会った魔法使いの鳴子を雇い、その家が外からは見えない魔法をかけます。これで安心だと今泉デレラはしばらく優雅な暮らしをしますが、一つだけあのまちに心残りがある事を思い出します。」