ホームレスには生きる資格がないので殺処分すべきだと主張する引きこもりについて３

アドリア海 @keizi80

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『では実際には住居を借り得るだけの経済力を有しないにもかかわらず、親族の扶養によって 雨露をしのげている人間はどうなるのですか？』 「・・・・・」 『彼らもまた生きる資格のないホームレスに該当するのですか？』 岬１１１

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「いや君、それはおかしい。雨露をしのげている時点でそれはホームレスではない」 『では生きる資格はあるのですか？』 「・・・」 『あなたはそのような人間たちの生きる資格も認めないのですか？』 「・・・」 岬１１２

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『認めないのですか』 「・・・」 『認めるのか認めないのかはっきり答えてください無職引きこもりはもとより 専業主婦や被介護者にも生きる資格はないのですか？』 「・・・」 岬１１３

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登山男は口の端を緩めにやにた笑った。 『だとすれば当然。職を失い、新たな雇われ先の確保も諦め、やがては格安の物件すら追い出される 運命にあったあなたのご友人もまた、その時点で潜在的に生きる資格を喪失していたというわけですね』 「・・・・」 岬１１４

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『つまりあなたのご友人は発達障害であっただとか、世の中に虐げられてだとか やむにやまれぬ理由によってではなく、単純に生きる資格がなかったから自殺したわけだ』 「・・・・」 岬１１５

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『いやむしろその実自殺でもなんでもなく、その目の前にある生を、資格の有無の問題で剥奪されただけと、 つまりはそういうことなわけですね』 「俺の友人は自ら死を選んだのだ！！」 引きこもりは激昂した。 岬１１６

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「彼に生きる資格と権利はあった！！だが世の中がその正当な行使を拒んだがために 自分で自分をあきらめるより他なかったのだ！！君の言う通り確かに彼はそのままでは ホームレスにまで落ちぶれる運命にあった！」 岬１１７

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「それを察したから自分で自分の幕を閉じたのだ！ ホームレスになることを嫌い、ホームレスになる前に自らの存在を消すことで、 死ぬことによって、逆に自らの生きる資格を守ったのだ！彼はホームレスではない！」 岬１１８

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「断じてホームレスではない！これ以上彼を侮蔑するようなことがあればさすがに許さんぞ！！」 『なぜです？』 登山男は間の抜けた呆れ顔を見せた 岬１１９

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『なぜそこまでホームレスをさげすむのです？』 「・・・・」 『ホームレスになってもいいではないですか。それで生きていられるのならば。少なくとも自殺してしまうよりよっぽどましです』 岬１２０

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「・・・・」 『そこが最後の拠り所だったのですね？』 「何？」 『堕ちるところまで堕ちつつも、なおまだ自分より弱い存在であるとみなすことのできる ホームレスを見下し、線引きすることで自らに最低限の尊厳を見出そうとしていたのですね？』 「・・・・」 岬１２１

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『そして自分は生きる資格のないホームレスにまでは堕ちていないという自分だけのロジックを破綻させないために 死に逃げた。そういうことなのですね？』 「違う俺は逃げていない！」 『あなたではなくあなたのご友人がです』 岬１２２

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「友人だって逃げてはいない！」 『いえあなたのご友人は小さな自尊心を保全するために死に逃げたのです。そして その決意をした瞬間あなたのご友人は確かに生きる資格を喪失したのです』 岬１２３