「シャドー・コン・フォー……エヴリ・サンシタ」#2

アズニィ @az21friday

◆ニンジャが来ない？◆だったらカラテだ◆

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三三三三三三三三三

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この話は、ニンジャアノヨで繰り広げられるドタバタ闘技大会です。ヤマもオチも意味も猥褻もないです。ただカラテはある。タグは #az21_nj とかでお願いいたします。

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【あらすじ】ニンジャスレイヤーによってカイシャクされ、爆発四散したはずのレオパルド。目覚めた彼がたどり着いた謎のコロシアムには、かつて爆発四散したサンシタ達がいた……今、彼らのなんかを賭けた戦いが始まる！

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「シャドー・コン・フォー……エヴリ・サンシタ」#2

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控え室に入ったレオパルドは、ひとまずウォームアップを始めた。「……訳がわからない……なぜ俺はこんなところにいるんだ？」誰もいない控え室。だがその時、来客が訪れた。 1

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「よう、アンタがチャレンジャーか。ドーモ、オフェンダーです」「ドーモ、オフェンダー＝サン。レオパルドです」訪れたのは、『市民殺し』と呼ばれたニンジャ、オフェンダーであった。「そんな緊張するなって。ところでアンタはどこのニンジャなんだ？」 2

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意外なフレンドリーさに彼は警戒を解き、話を続けることにした。「……ソウカイヤだ」「オッ、同門じゃねえか！嬉しいぜ！」オフェンダーはその邪悪そうな見た目からは想像もつかないような明るい声を上げた。「で、ここだけの話だがな」 3

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「実は、俺が最初の犠牲者なんだ」「……何の？」「決まってるだろ。あのニンジャスレイヤーとかいう恐ろしいニンジャだ」「オフェンダー＝サンも奴に……」「俺だけじゃねぇ。ここにいる大半が奴に殺されたらしい」「……本当に、ヤバイ級の相手だったんだな、あの死神」 4

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「……さて、そろそろトーナメント発表の時間だな。ウォームアップを邪魔して悪かった」「いや……緊張がほぐれたよ。ありがとう」「じゃあ、お互い頑張ろうぜ、レオパルド＝サン！」「ああ！」レオパルドは、オフェンダーに続いて部屋を出た。 5

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貼り出されたトーナメント表。それを見て、レオパルドは愕然とする。第一試合。相手は…………「よう、レオパルド＝サン。まあ、こういうこともあるよな」「よりによって……あんたと戦うことになるとは」「まあ手加減は無しだぜ？ 例え会話した相手でもな」……オフェンダーであった。 7

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「トーナメント第一試合は、この後すぐ始まる！レオパルド＝サン、そしてオフェンダー＝サンは、ゴリラ門とタコ門に集合だ！」響くナレーションの声。レオパルドは、意を決してゴリラ門へと向かった。 8

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「ワオオオオーッ！」「ウオオオオーッ！」「コ・ロ・セ！」「コ・ロ・セ！」ヒートアップした観客の絶叫。「この試合には、匿名のゲストコメンテーターがいます。いかがですか、M＝サン？」「オフェンダーの奴はウカツが過ぎるからな。そこをどうにかできれば、勝機はある」 9

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「アリガトゴザイマス。それではルールを解説する。なんでもありだ。剣を得物にするニンジャ、銃を得物にするニンジャ、毒を使うニンジャ。我々はそのカラテが、ジツが見たいのだ！観客は訓練されているゆえ、何をしても大丈夫だ！」 10

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「それでは第一試合……開始めいッッッ！！」高らかにゴングが鳴らされた！「ドーモ、オフェンダー＝サン。レオパルドです」「ドーモ、レオパルド＝サン。オフェンダーです」両者アイサツを終え、睨み合う。「どうした？来ねぇのか？」オフェンダーはナイフを舐めながら挑発する。 11

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「……行くぞ！イヤーッ！」ハヤイ！レオパルドは三倍の脚力でオフェンダーの懐に飛び込む！「イヤーッ！」「グワーッ！」パンチが胸にめり込む！肋骨の軋む音！だが！「ま、まだだ……まだこの程度で終わりはしないぜ！イヤーッ！」構えたナイフをレオパルドの背中に振りかざす！ 12

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「グワーッ！」レオパルドは間一髪で避けたが、肩にナイフが刺さった！「その皮、剥ぎ取ってやるぜ！イヤーッ！」「イヤーッ！」レオパルドはそのナイフを逆に掴み返し、オフェンダーの脚を狙う！「グワーッ！？」脛を切りつけられ、オフェンダーの脚から出血！ 13

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「ワオオオオーッ！」観客の歓声！転がるオフェンダー！傷は深い！「まだだ……片足でもカラテは」「イヤーッ！」「グワーッ！」「降参しろ、オフェンダー＝サン！」「……悪いな、レオパルド＝サン。この闘技場にタオルは無いんだ。カイシャクしてくれ」「……そんな、俺は……」 14

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「コ・ロ・セ！コ・ロ・セ！ワオオオオーッ！」「トドメオサセー！」「ウオオオオーッ！」鳴り止まぬ観客。だが、レオパルドにはオフェンダーの声しか聞こえていなかった。「……そんな甘いんじゃ、お前、負けるぜ……やれよ、レオパルド＝サン！」 15

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「……ハイクを読め！」チョップを振り上げ、レオパルドは叫んだ！「ニンジャの皮は／剥げなかった／インガオホー」「イヤァァァァァァーッ！」「サヨナラ！」首を飛ばされ、オフェンダーは爆発四散した！「勝負ありッッッ！勝者、レオパルド＝サン！」 16

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「ウ……ウウ……オフェンダー＝サン……」レオパルドは泣いていた。初めてできた、対等のニンジャ。それを自らの手でカイシャクせねばならないとは。勝利したとは思えぬほど、彼の心は曇っていた。 17

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「なお、今回初めて試合を見る観客に告げておく！」ナレーションがアナウンスを始めた。レオパルドはへたりこみ、虚ろな表情でそれを聞く。「優勝したニンジャだけが、この逃れ得ぬイクサから脱出する権利を得る！つまり……ここで爆発四散したニンジャは、闘技大会終了後に復活する！」「エッ」 18

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「故に彼らは、死を恐れず戦えるのだ！ただし、戦闘で負った傷は自動回復しない！各々のニンジャ耐久力、ニンジャ回復力の見せどころだな！」「ァ……ァ……？」レオパルドは、わなわなと震え始める。俺の葛藤は、俺の涙はなんだったんだ。 19

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「……ありがとよ、レオパルド＝サン」「オフェンダー＝サン……？」声のした方を見ると、そこにはうすぼんやりとしたオフェンダーがいた。「ここに来て、初めて対等に語ってくれた相手がアンタだった」「……俺も、初めて対等に話せる相手だった」 20