父、一喝される

ひー＠やる気が帰宅途中 @hi_monologue

誕生日まで、ちょうどあと1ヶ月だ。クリスマスまで、ちょうどあと2ヶ月だ。

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おいらの誕生日は、父親の給料日だった。

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40数年前は、給料は手渡し。うちの父親は、給料袋を開け、生活費を使って飲んでいた。こんな親父、日本全国、いたるところにいた。

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私が生まれたのは、夜。

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私が生まれた日の夜、いつもどおり支給された給料で酒を飲み、ふらふらと帰宅する父親。その帰宅途中で、母方の祖母（父にとっては義母）に、ばったり出会う。祖母は、母が入院する病院に向かう途中だった。

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酔っぱらっている父に向かい、祖母は「何してんの！子どもが産まれたんやで！」と一喝。あわてて病院に向かったらしい。

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そういうことがあったということを、父親本人から聞かされた。父は実母が大嫌いだった。私の記憶に残る限り、父と実母が交流しているのを見たことがない。その分、嫁の母親のことを、心の中でかなり慕っていたらしい。

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その父が、「あのときは怖かった」と、しょっちゅう言っていた。あんな剣幕で嫁の母親に叱られたこと、初めてだったらしい。

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でも父の実母は、実は子どもが嫌いで、「捨て育て」みたいな感じだったらしい。一応、長男だったんだよ。うちの父。戦前の長男って、そりゃあ大事にされたものです。まあ、父の実父も極度のアル中で、戦後すぐに死んだようなので、いろいろあったんでしょうね。

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だから、父が嫁の母親に叱られたこと、ほんとはちょっとうれしかったんじゃないか、って思う。どこがよかったのか、嫁の父親に気に入られたことも、心の支えになってたのでは。

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まあでも、嫁の母は、父と母の結婚に猛反対だったらしい。母の兄がふたりを見合いさせたといういきさつと、嫁の父が結婚に大賛成だったことが決めてで、ふたりは結婚したけど、当然最初から波瀾万丈。

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結婚前の身辺調査で、父がやんちゃで困った野郎だってことは、十分わかってたからね。

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自分の誕生月が近づくと、いろいろ思い出します。