茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1172回「ランダムなゆらぎの中の、オリンピック」

脳科学者・茂木健一郎さんの2月12日の連続ツイート。 本日は、オリンピックのニュースを見て、感じたこと。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第1172回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、オリンピックのニュースを見て、感じたこと。

2014-02-12 09:00:50
茂木健一郎 @kenichiromogi

らお(1)今滞在中のシンガポールでは、冬季オリンピックのニュースはあまりやっていない。考えてみれば当然で、シンガポールは赤道直下、雪や氷とあまり縁がない。だから、冬季オリンピックの競技が、あまり身近なものとして感じられないのであろう。

2014-02-12 09:02:45
茂木健一郎 @kenichiromogi

らお(2)一方、シンガポール政府は、夏期オリンピックのメダル獲得には力を入れていて、卓球などの有力競技で、中国系の選手を移籍するなどいろいろやっていて、悲願の金メダルをとった場合賞金が1億円になったと、こちらにきてからの四方山話の中で聞いた。

2014-02-12 09:03:59
茂木健一郎 @kenichiromogi

らお(3)いずれにせよ、滞在まだ二日なのに、冬の日本の、あのヒンヤリとして時折雪が降ってくる気候がなつかしい。四季がはっきりとした日本の風土は、大いなるめぐみだと思う。私たちは当たり前のようにそれを享受しているけれども、本当は、時にふり返って感謝してみるべきなのだろう。

2014-02-12 09:05:25
茂木健一郎 @kenichiromogi

らお(4)さて、ソチオリンピックは、スノーボードハーフパイプ男子で、平野歩夢選手が銀メダル、平岡卓選手が銅メダルに輝いた。おめでとうございます! 一方、女子ジャンプの高梨沙羅選手は、健闘したけれども、4位だったということで、でも、よくがんばったと思う!

2014-02-12 09:08:22
茂木健一郎 @kenichiromogi

らお(5)オリンピック以外にも、トップ選手が集って競う大会は行われている。スキージャンプも、世界選手権や、ワールドカップが一シーズン10回以上開催されていて、それらの大会で、高梨沙羅選手は、圧倒的な強さを見せていたのだった。まさに、ジャンプの女王の称号に、ふさわしい。

2014-02-12 09:10:14
茂木健一郎 @kenichiromogi

らお(6)純粋に「競技」という視点から見れば、オリンピックは、世界選手権、ワールドカップと同じ、「one of them」だということもできる。ところが、オリンピックにはさらに「プレミアム」がついていて、世間の注目度や、優勝した場合の意味合いも、大きくなっている。

2014-02-12 09:11:35
茂木健一郎 @kenichiromogi

らお(7)開会式や表彰式などが華々しく、またアスリートたちが「4年に1度」を目指してくる大会で、力を発揮するというのはうれしいことだろうけども、純粋に技術的な側面からみれば、オリンピックも、数ある大会のうちの「one of them」だという冷静な認識も大切だと思う。

2014-02-12 09:12:51
茂木健一郎 @kenichiromogi

らお(8)高梨沙羅選手は、このところの世界選手権、ワールドカップにおいて高い確率で優勝している、押しも押されぬ女王。大会のone of themに、たまたま「オリンピック」という名前がついているからと言って、それをあれこれ言うのはかわいそうだし、フェアではないと思う。

2014-02-12 09:14:50
茂木健一郎 @kenichiromogi

らお(9)今回のジャンプ、高梨選手が飛んだとき二本ともたまたま追い風(不利)だったとも聞く。体調や天候など、ランダムなゆらぎの中に競技はあり、その一つがオリンピックであるに過ぎない。オリンピックを過大視するのは人間の認知バイアスに過ぎないと、時に反省してみるのは良いことだと思う。

2014-02-12 09:16:14
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第1172回「ランダムなゆらぎの中の、オリンピック」でした。

2014-02-12 09:16:48