井上敏樹著「海の底のピアノ」感想まとめ
- rachi_neverland
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一晩掛けて、海の底のピアノを読了。井上敏樹の中での、母性のおぞましさみたいなものがドロドロしてるラストだった。え??これはそういう話だったの!?え、え??と思って、不可解な世界に幻惑される。そして、怒涛の復讐劇とその後のエピローグ。怪作にも程があるだろうこれw
2014-02-18 10:38:15とりあえず、読む人を選びすぎるブツではあるが、随所に面白い手法で読者を引っ張るシーンが多々あり。キャバクラ嬢とセンセイの掛け合いとか交互独白のシーンは俗でありながらも、文学的でニヤリ。なんだろう、見ててニヤニヤがとまらんw
2014-02-18 10:39:55@rachi_neverland お?奇遇だね、僕もついさっき読み終えた。中盤あたりからグイグイ惹きつける物はあるなぁ。反面、あのオチはやっぱりモヤモヤが残る。誰か、あの狂った母親を殺すんだ!!!その役目は和憲の予感もするがw
2014-02-18 10:42:42@inuyoshi_aru ですな。中盤ぐらいから目が離せなくなって一気に読んだw 水雪の生まれることは殺すことで、生きることも殺すことで、ようやく「生まれる」ことができた時の終わりってのが凝縮された人生そのものなのだなとか。これを下敷きにすると、和憲はまだ生まれてないのかなー。
2014-02-18 10:59:26@rachi_neverland 和憲は独り立ちした(つもりになっているw)段階なんで、なんともなぁ。ノラを捕まえるという目標すらも曖昧になってしまった感じでwもし鈴子が新しい和憲を妊娠しちゃったらきっと殺しに掛かる予感しかw水雪の人生は無茶苦茶濃い人生ではあるが、あまりに…(涙
2014-02-18 11:04:03@rachi_neverland あと宗方さんの調査って、結局、水雪をあちら側の世界に追いやってしまったよなぁ、当人もその危険性を察知していたからこそ、捨てたのだろうが。あの封筒も、鈴子が仕組んだ罠のような気がしてならんwただ、その過程で救われた人もいるわけで…モニョモニョするw
2014-02-18 11:06:56@inuyoshi_aru その辺が実に「男が成長するには女という存在が必要なんだよ」って感じでね…wでもそれならばやっぱり和憲にはノラを捕まえるなり、偽りのトレーニングルームを破壊するなりして欲しかったかな…。水雪は本当に生まれるために生まれたんだね…つらい…
2014-02-18 11:07:36@rachi_neverland キドニーパイだっけ?腎臓使ったパイ。あのへんは、実に敏樹らしい寓意というかねwおしっこ作る機関だなんて汚らしいという鈴子に、同調しつつも、ちょっとだけ水雪に合わせてみようと思い、結局、全部平らげるあたりとかwあのへんも成長描写ではある、敏樹的だw
2014-02-18 11:08:58@rachi_neverland 結論としては、狂った鈴子に和憲が天誅を下すシーンを脳内補完すれば、美しい破滅の物語と、男の成長物語としては楽しく読めたような気もする。けど、それがないあたりに、敏樹の母性に対する呪いというか業の深さが現れてる予感もw
2014-02-18 11:11:10@inuyoshi_aru その宗方さんが水雪に「癒される」ことを教えたってのも皮肉だなぁって。水雪には「生まれるために殺さねばならない、だが殺さない」という生き方を教えてくれる人が現れてくれたらよかったんだけど…和憲は自身が生きることに希薄だったからなぁ…。
2014-02-18 11:13:14海の底のピアノは、随所に敏樹の趣味が炸裂しているあたりが信者としては楽しいものでありまして。クラシック音楽知識とか皆無だし、クルーザーの運転やらスキューバダイビングなんて縁のない生活してますが、ワンランク上の世界を垣間見させてくれる小説ならではの面白さはあったな、うんw
2014-02-18 11:13:27けど、考えて見れば、水雪の境遇からしたら、あのハイセンスな世界に迷いこむのはあり得ない偶然であり、そこでまぁ、宗方さんが機能しているのだが。あの人も作中の便利屋にしては一番、いい人で、水雪が唯一殺意を抱かなかった人なんだから、特殊な存在なんだろうけども…謎が多すぎるよなw
2014-02-18 11:15:07@inuyoshi_aru 確かにw母性に対する呪いと父性の不在(宗方さんがギリ父性か)と、居場所を求めるフライング・チャイルドたちが、凄くファイズを思い出させたりとかもwそうすると和憲が木場で水雪がたっくん……(こらwww)
2014-02-18 11:16:09@rachi_neverland 和憲は大学に行く時点でようやっとスタートラインにたって、もう子犬のワルツをひかなくてもよろしいとお墨付きを得られただけなのでどうにもね。水雪が、鈴子の思惑どうりに『成長の肥やしになってる』あたりがどうにもモニョる。やはり鈴子を殺さねば!!(ぉ
2014-02-18 11:17:34あと、俗っぽいところも生々しさをもって描写されるのに、生活感のなさがさすが。そういうファンタジー性を持って成立するおぞましくて美しい世界。
2014-02-18 11:18:12@rachi_neverland つまり、水雪の触れたくて触れたくてたまらないのに、戦う力を失うから触れ合えないというのは、ファイズドライバーを木場に託して代理ファイズを頼んでるあたりのイヌタクのオマージュなのか!!(←強引なw
2014-02-18 11:20:35@rachi_neverland キャバ嬢の愚痴の後に、まるで仙人のような宗方さんとの図書館問答が交互挿入されるあたりは、物凄い文学的で、かなり好きw現実感がないし、寓話的だけど、確かに人間の真理を抉ってる気がする、あのあたりw
2014-02-18 11:22:06@inuyoshi_aru 読者的には重さ的に全然違うんだけど、水雪が三人を殺して生まれ変わることと、和憲が自分のピアノを弾けるようになったのは等価なんだよね、物語的に。そうすると鈴子がまた和憲を「殺す」のか?って所なんだけど、それを描かなかったのは主人公が水雪だからなのかなぁ。
2014-02-18 11:22:13@inuyoshi_aru 触れれば弱くなる(力を失う)そうしたら戦えない、っていうのは、非常にヒーローの精神構造だよね、水雪wすごく敏樹らしいヒーローの美学w
2014-02-18 11:23:53@inuyoshi_aru 水雪は図書館問答のあたりが、「神の内」だったんだろうなぁ。子供は七つまで…ってあれ。だから宗方さんが財産を手にして俗帰りした瞬間に人間に落とされた。あそこがある意味で第一の誕生だったのかなーとかね。(強引に読みすぎw)
2014-02-18 11:26:01@rachi_neverland でしょうなぁ。水雪は生まれ変わって、満足して海の底でピアノを弾く。和憲は自分の目標、夢として改めてピアノに向かう。2つは奇妙にシンクロしているが…母親のエゴを夢として押し付けられた和憲が、鈴子抜きでピアノに向かってる間は何も事件は起きない予感…
2014-02-18 11:26:55@rachi_neverland 宗方さん自身も言ってますものね、その辺はw妻は自分の静けさを奪うためにああしたのだと。仮に今から自分が全てを捨てて元の生活に戻っても、もうあの心境には戻れない。だから水雪に財産を譲った。それを踏まえると、水雪のキクシマにマンションあげるシーンも…
2014-02-18 11:30:18