#完全ノープラン艦これ与太話 【ファックアップ・ザ・ヴェイル・オブ・イノセント・ホワイト】　#3

春魔解丼 @vespiking

「おっけー！あと3発おねがい！」「はいよーでち」爆発！爆発！爆発！！持ち上がる巨体を、右舷のスコープ型艤装を介して見やるは夕張！左舷の艤装は背部艤装に格納され、かわりに新たな艤装が飛び出す。艤装はガチャガチャとめまぐるしく移り変わり、ピタリと止まる！大口径砲！ #KZNPLN

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「船体も戦いも、やっぱスマートが一番よねっ！」スコープ艤装の照準はいま、大質量のクモ要塞を質量存在データとしてのみ認識し、数値の洪水を泳ぎ、ただの１箇所を指し示す！「ここに一発！」ＢＬＡＭ！大口径砲が直撃！バランスは完全崩壊！仰向けに倒れる！その先には……！ #KZNPLN

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巨体の着水地点に仁王立ちするは、工廠長霧島！このままでは押し潰されて死ぬ！だが霧島は回避動作をとらない！先の弥生とは明らかに異なる、決断的視線で巨体を凝視！巨体が……倒れた！！ＺＺＺＺＺＯＯＯＯＯＭＮＮ！！爆音と共に着水！！ナムサン！！霧島は！？ #KZNPLN

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霧島は無言で立っていた。倒れ込んだクモ要塞の中央。ブスブスと黒煙を噴き上げ、バチバチと火花を散らす、巨体中央の大穴に。……赤熱する拳を突き上げて！ #KZNPLN

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「相変わらずおっかねー馬力でち。おりこうさん魚雷ブチ込んでもヘコみすらしてねー装甲がまるでトーフかショウジ戸でち。さすがに自信喪失するでちよ」「工廠長と張り合うのがまちがいでしょ」「まーしかたねーでちかな」遠巻きから、伊58と夕張が霧島を見やる。 #KZNPLN

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霧島は自身の船体を特殊改造し、艦娘の限界をゆうに超えた尋常ならざる身体能力を獲得している。船体の強度を遥か上回るフィードバックが跳ね返る、一撃必殺のカラテ。当然おいそれと発揮できるものではない。霧島にとっては自身の船体すら、使い捨てのモルモットなのだ。#KZNPLN

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全身の筋肉が、ビキビキと悲鳴を上げている。爆風で衣服は所々焼け焦げている。霧島に羞恥心はないが、戦闘服の耐熱性は砲戦における防御能力に直結するファクタだ。軽視はできない。改善の必要あり。衝撃により脊髄、靭帯等にも損傷。骨格と腱も補強すべきか。 #KZNPLN

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最も防御力の高い敵を屠る。飛龍が自分を実戦投入した目的は達成された。今の一撃で自身の課題も見えた。戦果は上々。――駒自身にも益のある目的を与える。霧島は自身の益のみで動く。益があるなら、自身は駒で構わない。駒を理解した、良い作戦指揮だ。やはり飛龍には才覚がある。 #KZNPLN

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まあ、本当のところはどちらでもいい。自分の仕事は果たした。正当な報酬も頂戴した。次はお前だ。飛龍。お前自身が望むと望まざるに拘らず。誰の望みであれ。お前があの椅子に座るなら、お前自身の手で、その椅子を掴んで見せろ。それが、将の器だ。 #KZNPLN

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「どいつもこいつも、一発イッたらもうおしまいでちか。フニャチンやろう共め」伊58は、黒煙の中で一人佇む霧島と、足元にだらしなく浮かぶ弥生を交互に見やる。「そういうあんたはどうなのよ」「これ以上は割にあわねーでち。ヒコーキにギョライが効くワケねーってんでちよ」 #KZNPLN

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「ま、そうね」夕張の艤装がガチャガチャと音を立て、汎用的な砲塔２基の構成に戻った。特化型ギークの夕張にとって、汎用装備など兵器として用いるに値しない。彼女らの戦闘は終わった。後は、飛龍の問題だ。 #KZNPLN

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#完全ノープラン艦これ与太話 【ファックアップ・ザ・ヴェイル・オブ・イノセント・ホワイト】#3終わり。#4へ続く。 #KZNPLN