魔法の世界のなかでの「魔法」ってどんなもの?

僕らがフツーに住んでる世界で、飛行機を空飛ばしたり船を水の上に浮かばせたり銃弾を遠くに飛ばしたりする原理を『科学』と呼んでいる。 そしてそれは知識が生み出す力(Science)という意味合いが込められた西洋の言葉から来たものだ。 魔法(Magic)も「賢い人が使う力」というイメージが込められている。 続きを読む
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難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

※西洋思想って、リアルが大好きなのさ。リアリズム大好きなのさ。それは現実主義ってことか?まあある種、そうだ。ただ、これは単純に現実ってこと以上の意味が含まれている。Realって言葉の語源はRes(もの)だ。つまりRealとはResっぽいって意味=モノについての、という意味だ。

2014-02-24 18:21:41
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

まあ哲学の世界でよーくでてくるウンチクなんだけどもそれはざっくり省くと、 Res(もの)について考えられてることがら=ものごとをよーくみてることがら =その時代を良く表現していることがら、時代と文脈によく結び付けられることがら と、そういうわけなんですわ。

2014-02-24 18:23:05
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

まあざっくり「リアリズム」って調べてみんさい。それで解るはずだ。文学のリアリズム、美術のリアリズム、写真のリアリズム、絵画演劇映画のリアリズム等々…リアリズムって定義がめっちゃくちゃいろいろあるでしょ。しかもそれぞれのジャンルの中でもバラッバラで。

2014-02-24 18:23:57
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

あるときは現実主義って意味だったりするし(哲学なんかそうね)、あるときは「写実主義」の意味だったりする(美術や文学)。またあるときは「自然主義」の事も表したりする。もっと内的な、印象とか人の心とかのリアリズムになってくと、「シュールレアリスム」なんて…聞いたことあるでしょ。

2014-02-24 18:25:22
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

ど・れ・も、リアリズムなんですわ。要は。Res(ものごと)についての思想なんですよ。 シュールレアリスムというのも、(アレは今も続いててさまざまな流派があるからちょっと僕は分からん部分も多いけど)あれは精神分析とかの影響を受けて育った新たなリアリズム、って位置づけが確かあった。

2014-02-24 18:26:36
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

「印象派」だって、セザンヌの批判が、そもそもリアリズム的(というかRes的)だというのは特記できるでしょう。写実的な描写はいいけどさ、見えたとおりに色彩を配置するほうがもっとリアルなのでは?と。当時の観念論と香の哲学の影響を受けて「リアル」の視点が変わったって取ればRealな訳。

2014-02-24 18:28:17
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

もうどっかかんか「Re-al」なのさw。このRe-alじゃねえもんはUn-realつまり虚構(Fiction)になるわけだ。で、Fictionであっても、その中で言ってる教訓とかなんとかは必ずこの世の都合で書かれるわけで。メタ的、と言うべきかもしれないね。

2014-02-24 18:29:51
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

つまりフィクションって、フィクション自身を消し去るように書かれるの。そこにフィクション自身の内部が残るようであってはならないっちゅう信仰が奥底にあるんですよ。

2014-02-24 18:30:18

『お伽話はドラゴンの存在を教えるものではない。そんなこと子どもたちは知っている。ドラゴンを殺すことができると、お伽話は教えるのだ。』…ギルバート・ケイス・チェスタートン

しかし外世論の文脈にのっとるなら、
『しかしながら、その御伽噺の世界にも、同じような御伽噺があっていい。その御伽噺が、御伽噺でなくてもよいことさえも、子供達は知っている。』

難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

SFもそうです。サイエンス・フィクション。サイエンスなんだから現実にあるものや理論が使われます。でもコレがホントになったらやだよねとか問題だよねってわけで使われる創作です。エンタメであることが主目的じゃないです(これを崩したのがSWとかだったりする)。

2014-02-24 18:33:20
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

そこもわかるけど「このままこの技術とか理論すすんだらこーなるかもよ(でもホントになっちゃったらホントいやかもしれんよね)」っちゅうわけで、「リアル」な話、リアリズムとは言わないんですよ。「フィクション」っちゅうんですよ。虚構って言っていい訳るんですよ。

2014-02-24 18:34:15
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

「サイエンス・フィクション」。そういうことよ。R.A.ハインラインとか、アイザック・アシモフとか。「月は無慈悲な夜の女王」とか、「地球光」(これはフィーナ姫の名前の由来だったりする♪)、「われはロボット」あたりとかね。

2014-02-24 18:35:10

※地球光の作者は上記二人のどっちでもなくてアーサー・C・クラーク。

難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

あと「フランケンシュタイン」とか… あと日本文学のさ、「竹取物語」を勝手にだれか「日本最古のSF」などと言って、海外の文脈に日本文化を結び付けようとするたくらみも、その本性はこのリアリズム…てか西洋思考の日本内流行が遠因に関わってると言えるです。

2014-02-24 18:36:13
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

今いろいろと流通してる批評だって多分まあ、そうだ。まあそのことはここでは突っ込まないけれども、今の観方から見て来ても解るように、現実的=リアル=Scienceってことは、虚構的=ファンタジー=Magicと区別されてみられてきたって考えが、「Magic」にはこびりついてるのさ。

2014-02-24 18:39:25

ついでだから真面目に語源辞典引いてみました。

Magic

1380,チョーサーごろ(魔法、魔術、呪術)
1610、シェークスピアごろ(不思議な力、魔力)
1831,手品
ME:Magik(e)
□OF:Magi1ue
□LL:Magice
□Gk:Magike(e長母音)←Magikós←Mágos
形容詞的用法(Magic)が定着したのは16世紀以降らしい。
語源辞典(英語語源辞典、研究者、1997)によると(データ古くてスマヌ),ギリシャ語→後期ラテン語→古期フランス語→中期英語を通って今に至ったようです
その大元であるMagikeはMagosの派生語系統なのですが
このMagosから来てるのは、魔理沙おなじみメイガス(Magus)でして;

Magus

1621:マギ族の人,古代の魔術師、占星学者
□L:Magus
□Magos
□OPers:Magus’
*IE:magh-(To be able to have power)
Magusはなんと古代ペルシャ語まで遡れるそうな(汗
またIEというのは「インド・ヨーロッパ語族」の略で、*IEとかついてたらこれは「IE語族に共通するコアイメージ」みたいなものの推測形なので(再構と言う),此処まで来てる以上インド・ヨーロッパ語族ではマギなんとかって言葉は共通した言語イメージを持ってる可能性が高いと言う事でしょう。

ただ、予想に反して(?)最初から「力を持ちうること」というイメージがあったっぽい事になっています(そのため可能性の助動詞Mayも関係あるようです)。

ではそれに対してChemistryやScienceはどうかってと

Chemistry,Chemist,chemical

1594~1747:錬金術(師(の),
1621~1782:パラケルススの医学理論に関する,
Chimical(古形)
□F:Chimique
//←NL:Chymics←ML:Alchimicus
ルートは:新ラテン語→フランス語→英語の古形。
「CHEMICAL」のようにCHEになったのは18世紀からだそうで

んで続き:Alchemical←Alchemyですが

Alchemy

1376:錬金術
1393~1821:金に似せた金属(製品)・それでできた楽器(ミルトンの「失楽園」ではそういう用法)
1593~99:物を変える秘法
□ME:Alkamie
□OF:Alquemie
□ML:Alchemia
□Arab:Al-ki-mi-ya-(-は長音)←
Al+Ki-mi-ya-(□Gk:Khu(e)-meiá-(Art of transmuting metals)
←Egypt:Khem,Khame
(エジプト→)ギリシャ→アラビア→中期ラテン語→古期フランス語→中期英語→現在。
なんか大元エジプトまでさかのぼるとかってことになってますよ奥さん(汗)
AlがついてるのはAlgebra(代数学)とかと同様アラビア語のせいっぽいですが、この流れでも分かるようにギリシャ語からアラビア語が借入してるんですね。
有力な説では,「アレクサンドリアの錬金術師が液体混合に用いたのが由来」という説があるそうです。
またAlchemist(錬金術師)は16世紀ごろAlchemistreなんてスペリングで出たこともあるようですが、これはPhilosopherからの連想と書かれています。やはりこの時代だとそれでも科学・哲学のつながりを意識したような記述があったんですねぇ。

さいごに科学全般を示すScienceですが

Science

1340:知識
1350:学問,科学
ME:Science,sciens,siens
□OF:Science(cog.It:scienza,Sp.ciencia)
□L:scientia(Knowledge)←Scient-,Scie-ns(Presp.)←Scire(To know to separate one thing from another)←*IE:Skei-(To cut,split)
(例:Gk:Skhizein(to split),Sansk:chinatti(he splits))
流れの順番はラテン語→古期フランス語→中期英語→現在。
大元がラテン語なのは調べる間でもなく有名な言葉から推測できそうですね。ベーコンの名言に『知ることは力だ』っていうのがありますが,アレが
『Scientia est potentia』
ですから。
然し興味深いのはこれの本来の用法で、ただ「知る」だけではなく「他と区別するために知る」という意味だったと言う事です。日本語の「理”解”」とか「”分”かる」てのとニュアンスの出所が一致してるのが驚き!
コアイメージはそのため「切りわける」というところにあるようです。そういやScissorsははさみ、切るモノですね…
ハサミと知識にこんな近い関係があったなんて知りませんでしたぁ(笑)

まとめると?

Magicは力そのものだったとのことですが、これはあくまで語源上の流れであって、実際的なニュアンスは分かりません。なにせコレMagi族って一族がいて、これが由来だったりですから。
Chemistryはギリシャからアラビア、ペルシャを経てやってきた長旅言語。はなっから錬金術とのつながりが意識された言葉。
Scienceは、「分かる」と言う事をずっと伝え続けてきた言葉。
みんなそれぞれ出所ちがうんだけど、いずれもどうにせよ「他の人よりは知識が優れてる人」が使ってるという一般的なイメージから来てると言う事を否定するまでには至ってません(それを知るためには語源とか言語学とはさらに違う調査が必要だと思います)。それらと両立する可能性も十分あるでしょう。
また日本語の「魔法」ですが、これははなっからいいイメージがありません。なにせ「魔」はもとサンスクリット語のマーラを音写した語で、人を惑わす悪い鬼、修行のさまたげになる悪い鬼のことでした(ですから「悪魔」はどちらも同じ意味の文字を並べたものになります)。
漢字の形も、鬼+麻。形声文字で、麻の部分はサンスクリット語のマーラのためにつけた部分なのです。
仏教でも「魔」は嫌われてまして、仏道から外れてしまうことを、「魔道に堕ちる」などと表現することもあります。

難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

しかしまあ、考えてみてくれよ。もともと世界が魔法…まあ例えば魔力を使う技術ってのが文化文明の中心になってる世界がもしあったらさ、その世界は自身の世界の技術やその現象を、「Magic(魔法・魔法的)」と呼ぶだろうか?寧ろそれが当たり前の世の中なんだぜ?

2014-02-24 18:40:35
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

自分たちの起こす現象が、また自分たちが操ったり操られたり影響受けたりしてる現象が、目の前にあって、それが公然の事実なんだぜ?それが客観的に研究されてるから、賢者は「魔法」を「科学的に」勉強してもいるだろうさ。

2014-02-24 18:41:23
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

だ・い・た・い、そうじゃなきゃ「ホグワーツ魔法学校」なるものが出来るはずがないw。あれは、そもそも魔法がその素質を持つ人であれば皆使える、公然の現象である=こっちの世界で言えば、もはや「科学的・客観的」なものだと知ってるから、成り立つシステムであるわけだ(※2)。

2014-02-24 18:42:23
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

※2:ホグワーツを例にとったけど、実際にJ.K.ローリング先生がそこまで考えて「ハリーポッター」シリーズを書いているという事は言及しません。これはただの一例ですので、別のお話の学校とかで考えていただいても構いません。よくわかる現代魔法とかでもいいし。学園都市でもいい…。

2014-02-24 18:43:41
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

あ、学園都市の場合は魔法と科学という対立が前提になってるから「むしろ」魔法という区別が意味を持ってくるけどねw。

2014-02-24 18:44:01
難題の預言者、悉若無@いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

その場合、そもそも魔法を使う世界それ自身のなかでは、そもそも「魔法」を「魔法」と呼ばないんじゃないか?また、もしその現象をかれらがその文明のなかで呼び合うとしたら、どんなニュアンスの言葉を使って「魔法」という現象を表現しただろうか?っていう、そういう創作的な疑問が湧いたんです。

2014-02-24 18:45:04
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