孫泰蔵さん、スコット・フィッツジェラルド「崩壊」を読んで考えたことまとめ

孫泰蔵さんが( @taizoson )、スコット・フィッツジェラルド「崩壊」を読んで考えたツイートのまとめ スコット・フィッツジェラルド「崩壊」  http://amzn.to/dzMCNY
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taizoson.eth @TaizoSon

「グレードギャッツビー」の著者スコット・フィッツジェラルドは、優れた人間について次のように指摘している。「第一級の知性の持ち主の特徴は、相反する二つの考え方を同時に受け入れながら、なおかつそれぞれの機能を発揮させる能力があることだ」

2010-10-28 08:01:12
taizoson.eth @TaizoSon

これは「崩壊」という短編の一節だが(「フィッツジェラルド作品集」より)、彼が若かりし頃に信じていた哲学と称してまず冒頭でこのように述べ、そう信じていた自分がその後いかに崩壊していくかを延々と具体的に描写し、そして最後にその信仰との訣別をうたっている。

2010-10-28 08:01:20
taizoson.eth @TaizoSon

作品自体にはいろいろな文脈があり、必ずしも「第一級の知性の持ち主」を賛辞する内容ではないのだが、それにしてもヘーゲルの弁証法をも想起させるこの一文の持つ価値は色褪せないと思う。僕はこのフレーズを心にとめておこうと思った。

2010-10-28 08:01:27
taizoson.eth @TaizoSon

ここでふと思ったのだが、フィッツジェラルドのこの作品もしかり、欧米の人が書いた記事やエッセイなどを読んでいると、一般論→具体論、具体論→一般論という形を随所に織り交ぜながら文章を展開していることが非常に多い。

2010-10-28 08:01:34
taizoson.eth @TaizoSon

おもしろい例としては、たとえば、誰かを賞賛するとき、まず「最高に素晴らしい人間の特徴は・・・」という普遍の原理のような一般論を述べ、そして「それを彼ほど体現している者は世界中どこにもいない」などという言い方で褒めるような表現方法を時折目にする。

2010-10-28 08:01:43
taizoson.eth @TaizoSon

人を褒めるにあたってまでもわざわざそんなふうに論理的な展開をとる理由は、その賞賛がいかにもっともなものであるか、内容に説得力を持たせたいからなのだろう。言い換えれば、欧米の人々は論理的に理解しないと決して納得できない人たちなのだとも言える。

2010-10-28 08:01:52
taizoson.eth @TaizoSon

僕などは、そんなまわりくどい言い方しなくても、「この人はすごいんだよ!マジですごいです!」などと情感たっぷりに伝えればそれで伝わるだろうに、と思う。なんだか欧米人はいちいち面倒だなあ、と首をすくめたくなる。たぶん、僕と同じくそのように思う人は多いのではないだろうか。

2010-10-28 08:01:59
taizoson.eth @TaizoSon

その一方、昨晩あるアメリカ人、イタリア人といろいろな話をしていたのだが、振り返ってみると明らかに英語を使っている時は普段日本語を使っている時と、話の組み立て方を無意識に変えていたことに気がついた。何かを説明するとき必ず理由や前提をいちいちきちんとくっつけて話している自分がいた。

2010-10-28 08:02:08
taizoson.eth @TaizoSon

結論を言えば、欧米は「論理」、アジアは「共感」をベースにコミュニケーションが行われているということだ。もちろんそんな単純な二元論で済むはずはないのだが、しかしその傾向は絶対にあると思う。また往々にして、男性は論理を嗜好し、女性は共感を志向すると言われる。

2010-10-28 08:02:14
taizoson.eth @TaizoSon

これからのグローバルな時代を生きていくのに、戦略や戦術を考えるための論理的な思考力は非常に大事だと思う一方、顧客との共感、パートナーとの共感、社会との共感など「共感力」もそれ以上に大事なように思う。欧米とアジアの両方の良さを高い次元で理解できるような自分でありたいと思った。

2010-10-28 08:02:22
taizoson.eth @TaizoSon

スコット・フィッツジェラルド「崩壊」を読んで、今朝はそんなことを考えた。

2010-10-28 08:02:33