ガムラン氏（@M_Gamelin）による【艦これ×papers,please】SS #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

Norin_Gamelin @M_Gamelin

「Papers, please!」「Next!」「Papers, please!」「Next!」「Papers, please!」「同型艦の写真で誤魔化そうなんて小賢しいネ！」「Next!」 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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次の入国者が検問所に入る時、金剛はふとデスクの時計を見やる。時針は間もなく午後6時を指そうとしていた。今日はおそらくこれが最後の入国審査になるだろう。「Papers, please!」 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「あらぁ、お姉さん随分疲れてそうね！」馴れ馴れしく話しかけてきた今日最後の入国希望者は戦艦タ級。体、そして瞳から迸る赤い光は彼女が深海棲艦の中でも特に力のあるelite種である事を物語っている。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「たまには気晴らしも必要じゃない？」タ級がパスポートと入国許可証に加えて、チラシを一枚押し付けた。「...What?」「あたしの友達がやってる店よ、仕事があがった後なんかに使ってあげて頂戴！」 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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チラシを見る金剛。そこには『あなたの妄想、すべて叶えます　～メゾン・ド・単装砲～　入店時このチラシで3割引』の文字と共に、どこぞのアイドルグループもかくやというようなイケメンの男達の写真。どこから手に入れたのやら、軍装の者もいる。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「いやその、男娼とかそういうのは……」「あら、男には興味ない？もしかしてお姉さん……最近合衆連邦で公認されたとかいうー、レ、レズビアン……だったり？」タ級は顔を引きつらせる金剛にたたみかける。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「滞在目的は就労、期間は6ヶ月でOK!?」大声で話題を入国審査に戻そうとする金剛。「あらやだ、そんなに怖い声出さなくてもいいのに……その通りよ、お姉さん」金剛は言質を取ると、パスポートへ乱暴に緑のスタンプを押して書類一式を返した。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「ぱぁっと遊びたい時はメゾン・ド・単装砲をよろしく！」颯爽と去るタ級、と同時に午後6時――入国審査の受付終了――を告げるブザーが鳴る。検問所から伸びた列は散り散りになり、未練そうに残る者も伊19が魚雷を振り回して追い返していた。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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さて、タ級が押し付けてきたチラシである。勤労の場である検問所にこのような物を置く訳にはいかないし、かといって金剛はこのチラシを使おうとも思わない。いかがわしい店でのいかがわしい行為が気晴らしになるとは彼女は思っていなかった。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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パスポートにスタンプを押す時のガチャリという音、そして勤労を終えた後の睡眠こそが金剛の気晴らしだ。（……機会ができたら誰かに押し付けてしまいまショウ）金剛はそんな事を考えながら、チラシを懐にしまい検問所を後にするのだった。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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【艦これ×Papers, Please】#アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局【クロス二次創作】 今回はこれでおしまい。眠い也

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【艦これ×Papers, Please】#アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局【二次創作SS】 色々と制約の多い帰省中ですがどうにか書く時間・投稿する時間を確保し、りんご県からの第三弾となります。真昼間に突然すまんな 過去作：http://t.co/65VPr9RPQx

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人類の手には負い切れない能力を持った艦娘・深海棲艦。社会主義国家アルストツカにおいて、彼女ら専用の国境検問所があるのがアルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局である。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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そしてここで入国審査を担当する艦娘が金剛型一番艦の『金剛』。彼女は今日も八等級のアパートからバスに乗り、勤労の場たる入国管理局へ向かう。アパートの廊下の電灯は4割がた切れていた。バスの中で最新の規則書を確認する金剛。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「労働者は新たに労働省発行の労働許可証が必要……印章偽造が増加中、必ず正規のものと比較せよ……」アルストツカは朝令暮改の国、規則の変更は無い方が珍しい。そのため追加・変更事項はしっかり頭に叩き込む必要がある。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「……What? オブリスタンからの入国者は全員検査せよ？」金剛は規則書の最後に追加された条項を見て首をかしげた。しかし無料で頒布された新聞の方を見てすぐに納得する。「オブリスタンで大規模密輸組織が発達、なるほどネー」 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「Jorji Costavaなる男が主導……精巧極まりない偽造書類は元入国審査官の協力によるものか……Oh, 怖い怖い」彼女が新聞『アルストツカの真実』を一通り読み終わる頃、バスは入国管理局へ到着した。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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入国管理局の国境検問所へ入る金剛。既に検問所の前には長蛇の列ができている。これほど雑然とした単縦陣も珍しいだろう。「Next!」今日最初の入国者は駆逐艦『島風』。「Youこの前も来てたよネー、確か入国券で」「今度は大丈夫！」 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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島風はその言葉に違わず、パスポートと入国"許可証"を提出した。しかし金剛の眉間には皺が寄る。島風のパスポートはオブリスタン国のものだったからだ。「Well, Youは無作為検査の対象に選ばれたヨ！」 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「ｵｩｯ！？」問答無用でカーテンが閉じ、X線カメラの撮影音がする。現像されてきたX線写真を見て金剛は深いため息を付いた。「...Hey you, この黒いカタマリは何ネ？」 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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島風のパートナーである半自律型連装砲塔、通称『連装砲ちゃん』。その胴体内部にくっきりと黒い影が浮かび上がっている。 「れ、連装砲ちゃんの砲弾……」「砲弾っていうのは粉状で、小分けして袋に詰めておくモノなんデスカー？」 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「……私には誰も追いつけないよ！」言うが早いか、検問所から飛び出そうとする島風。しかし検問所の入り口では先刻ご承知とばかり伊19が足元に魚雷を仕掛けており、島風はそれに盛大に引っかかって転んだ。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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転んだ島風にアルストツカの制式軍帽を載せた軽母ヌ級eliteが覆いかぶさって動きを封じる。「やーめーてーよー！」「Next!」検問所の外から聞こえる叫び声にも構わず金剛は次の入国希望者を呼び出した。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「Papers, please!」「Next!」「Papers, please!」「ちょっと検査させてもらうヨ！」「問題無し！Next!」「Papers, please!」「Next!」「Papers, please!」 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局

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「You, 入国目的は？」「アンチョビ漁の求人で」雷巡チ級flagshipが次なる入国希望者だ。流石に深海棲艦最強格、flagship相手では多少気圧されるもののそこはプロ。入国希望者は入国希望者として平等に取り扱う。 #アルストツカ海軍東グレスティン鎮守府入国管理局