- koiflachuchu
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(これまでのあらすじ:二週間ぶりにアタバキ・ブシド・ハイスクール附属幼稚園に復帰したヤモトはスクールバスにて半裸でアフロの園児に注視される。その後おゆうぎの時間にちびっこギャングが幼稚園を襲撃。これを半裸アフロが撃退し、マッポに連行されてしまう)
2014-02-27 20:53:54「オイッ!ショーコ・マグチ!」スチール・ショウジ戸の覗き穴が開き、ドスのきいた声が呼びかけた。ショーコは一体しかないぬいぐるみを抱いて寝ていた。隣にはおまる式の便座がある。「ショーコ!聞こえねえか!お迎えだぞ!一生おじちゃんに見ていられてえか!」 1
2014-02-27 20:58:42「まだここに来たばっかりじゃん」ショーコは絆創膏をいじりながら起き上がった。「まあいいや。だから俺は無実だって言ったろ、勝手にあいつらが服破ってさ」「黙れ!」「おむかえって誰だよ」「……」返答の代わりにスチール・ショウジ戸が開いて、照明の光がおしおき部屋に入ってきた。 2
2014-02-27 21:02:38室外へ出ると、廊下では看守ともう一人、スーツ姿の女児が待っていた。「ドーモ、ショーコ=チャン」スーツ姿の女児がオジギした。「私の名はフマトニです。探すのにちょっと難儀しました。お会いできて嬉しいです」「誰よアンタ」ショーコはアイサツを返さず態度悪く言った。生意気女児! 3
2014-02-27 21:06:34フマトニはにっこり笑った。カワイイ!「君の仮のお姉ちゃんですよ。まあ君が望むのならあのまま大量脱衣事件の容疑者になるのもいいが」ショーコはアフロヘアーと絆創膏をいじりながら言った。「なんかアンタ気に入らねえ。じゃあ俺、このままここで大量脱衣事件の容疑者になるわ」 4
2014-02-27 21:10:19「シバラク!シバラク!」フマトニは笑顔のまま慌てて「本当に害意は無いんですよ。私は妹が欲しいだけで」ショーコは看守に向けて手をかざした。「ア……アーイイーッ!」看守の服が白い光を帯び、ショーコの手のひらへ吸い込まれる!直後、看守は全裸に!ナムアミダブツ! 5
2014-02-27 21:14:26ショーコは薄笑いをフマトニに向けた。だが、フマトニの反応はショーコの予想外だった。それまでの笑顔が掻き消え、酷薄な目付きがあらわれたのだ。「チッ、変態め」キリステと書かれた金の名札が不穏に輝いた。「教育がいるか?小学生をなめるなよ」「なんだと」「イヤーッ!」「イ、グワーッ!」 6
2014-02-27 21:18:16ショーコは反射的にフマトニを脱がそうとしたが、まるで遅かった。手をかざそうとした時には既に顎をイタリア上履きの爪先で蹴りあげられ、天井に頭をぶつけて落下!アフロヘアーがクッションとなったので奇跡的に無傷だ!「ケチなヨウジョソウルひとつで世界の王になったつもりだな?甘い甘い」 7
2014-02-27 21:22:38「グワーッ!」フマトニはショーコの背中をイタリア上履きで踏みつけた。ショーコがもがく。フマトニは無慈悲に言った。「お前のせいで予定が狂ったわ。選択の時間だ。いいか、お前はヨウジョだ。私にとって価値がある。お前次第だ。私の妹になるか、それともここで脱ぐか。今すぐ決めな」 8
2014-02-27 21:26:24「ざ、ざっけんなこらー!」「聞こえねえな!」イタリア上履きで背中を踏みつけながらフマトニは無慈悲に言う。「あらためてアイサツしてやるよ。ドーモ、ショーコ=チャン。私はロリコン・シックスゲイツのヨウジョ、ソニックブームだ」「ヨウジョだと」「そうだよガキィ!」 9
2014-02-27 21:34:09ソニックブームが威圧する。「私もお前もヨウジョだ!お前がケチなストリップしたことがシンジケートの耳に入ったんだよ、残念だな!遊びは終わりだ!」「グワーッ!」踏みつける!「……お前、いつヨウジョになった?そう昔でもねえだろう。不注意なんだよ、お前は!」「グワーッ!」 10
2014-02-27 21:37:27ソニックブームが足に力を込める!「グワーッ!グワーッ!」苦しむショーコの薄れ行く意識に「あの時」のビジョンがフラッシュバックする。屋上から見上げた眩しい太陽、バイオセミのけたたましい鳴き声……飛翔……バーイオイオイオイオイ……バーイオイオイオイオイ…… 11
2014-02-27 21:40:08ショーコ……いや、ショーゴー・マグチはヨウジョとなる前は男子高校生であった。両親と妹が自分と借金を残して失踪し、日常に何の楽しみも持たず、友人もおらず、勉強も出来ず、スポーツもせず、好きなアニメコンテンツもない、キョートにはよくいる高校生であった。 13
2014-02-27 21:44:44昼夜を問わず闇ファイナンスのバウンサーがアパートへ恫喝に訪れるようになったとき、ショーゴーは、学校の屋上からダイブした。落下は瞑想めいた時間であった。死角から落下地点へ、ゴミ箱を抱えた一人の女子生徒が歩み出した瞬間までは。警告を発する時間は無かった。さらに、意識があった。 14
2014-02-27 21:49:00天地が反転し、ジゴクめいた激痛が、致命傷を負ったショーゴーを責め苛んだ。隣にはうつ伏せになって動かない、長い黒髪の少女、広がる血の沼、声は出ず、名状しがたい恐怖が彼を捉える。死ねない!死ねない!死ねない!!!その時だ!ショーゴーの脳内に不気味な声が響いた! 15
2014-02-27 21:54:31「ドーモ、ショーゴー……ちとまずいな、ショー……コ=チャン。俺様はパンク……ヨウジョ……ファックオフ……ファッキンヨウジョ……死んだらおしまいだぜ……ファキゴナファッキンファックス……ファックス……ファックス……」(誰だ?てかショーコってなんだよおい) 16
2014-02-27 21:57:48「俺様はパンク・ヨウジョ……生まれはロンドン、生まれたのは1989……くだらねえ生まれかたしちまった……ロンドンなだけにロリコンの親ってな……だけど今からお前は俺様……お前は死なないぜ……ついでにヨウジョになって若返る……永遠に……」(やめてくれ!ヨウジョナンデ!?) 17
2014-02-27 22:01:42「ファキゴナファッキンファッキンファックスファックスヨウジョ……」(やめてくれ!シ死にたいんだ!苦しいんだ!あと女体化もロリ化も御免な!)……苦しい?ファックス苦しいだと?なら止めてやる……お前は俺様……今からお前はヨウジョ……(やめてくれ!助けて!) 18
2014-02-27 22:05:03一方、アタバキ幼稚園の一室。「そして、ここを谷折りして、この切れ目から空気を吹き込むと完成です」ヤモトは出来上がったエースのオリガミを机の上に置き言った。机には作り終えたハート、ダイヤモンド、ロゼッタ、ソードのオリガミがある。これでドキドキプリキュアが揃った。 21
2014-02-27 23:35:11アサリ、ブナコ、マチ、オカヨはヤモトが作った四つのオリガミを前に、沈黙した。やがて一斉に叫んだ。「「「「ワー!スゴーイ!」」」」「どうしてそんな早いの!?」「折り紙ってレベルじゃねーぞ!」「カワイイ!」「スゴーイ!」取り囲まれて褒めそやされ、ヤモトは戸惑った。 22
2014-02-27 22:16:24