ドリル・イェーガー#3

なんか凄い艦これっぽいぞ!
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劉度 @arther456

◇◇◇◇◇◇◇ ←九十一式徹甲弾

2014-02-28 20:34:10
劉度 @arther456

【ドリル・イェーガー】#3

2014-02-28 20:34:39
劉度 @arther456

(これからSSを投下します。TLに長文が投下されますので、気になる方はリムーブ・ミュートなどお気軽にどうぞ。感想・実況などは #ryudo_ss を使用していただけると大変ありがたいです。リアルタイムで見なくても後でtogetterにまとめるのでご安心をそれでは、どうぞ)

2014-02-28 20:35:32
劉度 @arther456

時刻は12:14。アルフォンシーノ方面洋上を、戦闘機編隊が飛行していた。『レイ・ハリーハウゼンより各機へ』空を飛ぶ戦士たちに、後方の空母より通信が入る。『これよりオペレーション・アララトを開始する。1分後に本艦の対魔ジャミングシステムの範囲外だ。諸君の健闘と勝利を祈る』1

2014-02-28 20:36:50
劉度 @arther456

「ピジョン1より各機へ」鳩を模したノーズアートの隊長機が、追従する僚機に呼びかける。「ここからはいつも通り、俺の采配でやるぞ。5分後に日本の航空部隊と合流、そっから洋上部隊のためにクソ空母の顔面に風穴を開ける。いいな?」『了解!』『やっちまいましょう!』2

2014-02-28 20:40:12
劉度 @arther456

艦娘を持たない米海軍は、深海棲艦の艦載機から身を守るために、小型無人機による直上防空戦を採用している。だが、寒さに対処するために巨大化した艦載機には、小型無人機では火力が足りない。それに、無人機に電波が届く範囲は、大型艦載機の射程範囲でもある。3

2014-02-28 20:44:08
劉度 @arther456

米海軍第35任務部隊旗艦『レイ・ハリーハウゼン』所属、ピジョン・チーム。ゼロ年代に逆行したような戦闘機隊だが、並の深海棲艦は寄せ付けぬ精鋭でもある。「見えたぞ。日本機だ。速度落とせ」前方に空を飛ぶ黒い影。前面スクリーンに、教科書でしか見たことのないレジプロ機が映る。4

2014-02-28 20:47:43
劉度 @arther456

『ワーオ……』「あれがマジック・ゼロか」小さな零戦が、編隊を組んで飛んでいる。艦娘たちが放つ式神である。こうして見るのは初めてだ。戦闘機隊が並ぶと、隊長機らしき零戦が、機体を傾けまるで翼を振るように動かした。飛行機乗りの挨拶だ。こちらも同じように、翼を振って応える。5

2014-02-28 20:50:01
劉度 @arther456

「各機、ケツはあいつらが守ってくれるそうだ。大型空母を潰すのに専念しろよ」『了解!』巨大ヲ級の艦載機には立ち向かえるが、小さすぎるハバクックの艦載機には有人機では勝てない。ピジョン・チームも二人の仲間を討たれている。今回の作戦は、弔い合戦でもあった。6

2014-02-28 20:53:25
劉度 @arther456

アラートが響く。ほぼ同時に、遠くの海中からビッグ・ヲーが現れた。『おいでなすったぜ、隊長!』「一々言うな、見えてる!」計器を確認。オールグリーン。ビッグ・ヲーから発進した艦載機群が向かってくる。武装のロックを解除。「ピジョン1、エンゲージ!」叫ぶと同時に、トリガーを引いた。7

2014-02-28 20:56:51
劉度 @arther456

主翼下からミサイルが発射される。『ピジョン2、エンゲージ!』『ピジョン4、エンゲージ!』僚機も同様にミサイルを放つ。間もなくミサイルは爆発し、向かってくる敵機の半分が消滅した。残り半分が散開し、各々に航空戦を挑んでくる。「行くぞ、ショウタイムだ!」8

2014-02-28 21:00:35
劉度 @arther456

ピジョン・チームも散開。冬の海で航空戦が始まった。隊長機は機体を上下左右巧みに操り、敵機の背後を取ると機銃で撃ち落とす。「敵機撃墜!」巨大艦載機と米軍戦闘機の性能は、米軍が若干有利。加えてパイロットがベテラン揃いなら、敵わないわけがない。だが、問題が一つ。9

2014-02-28 21:03:55
劉度 @arther456

『隊長!来ました、カラスです!』戦場に、小さな黒い影が割り込んでくる。彼らがカラスと呼ぶ、20cmほどの艦載機だ。しかしその戦闘力は、今彼らが相手にしている巨大艦載機とさして変わらない。今回のターゲット、ハバクックが発進させたものだ。機銃を撃つが、的が小さすぎて当たらない。10

2014-02-28 21:06:18
劉度 @arther456

逆にカラスは小回りを効かせて後ろに回りこんでくる。「Shit!」機体を振って機銃を避ける。さあどうする、と考えた瞬間、突然後ろのカラスが爆散した。「ワッタファック!?」驚く彼の視界の端に、緑に塗装された零戦が入る。パイロットの小さな妖精が、ニヤリと笑った。11

2014-02-28 21:10:35
劉度 @arther456

「ジーザス……マジでケツを守られちまった」あれだけ苦戦したカラスたちを、零戦隊は次々と屠っていく。気を取り直し、隊長は操縦桿を握りしめた。ビッグ・ヲーは目の前、やることは一つ。眉間に合わせられた照準が、ロック完了を示す赤色に変わった。「食らいやがれぇ!」12

2014-02-28 21:13:06
劉度 @arther456

主翼の下からミサイルが炎の軌跡を描いて発射された。一直線に飛んだミサイルが、寸分違わずビッグ・ヲーの額に突き刺さり、炸裂する。巨体が大きくよろめく。「ヺヺーンッ!」トドメと言わんばかりに、他の機体からのミサイルも着弾し、ヲ級は海に倒れこんだ。13

2014-02-28 21:16:37
劉度 @arther456

「イピカイエーッ!キャリアー1、撃破!」会心の一撃に、隊長は思わず叫んでいた。しかし新たな敵を知らせるアラートが鳴り響き、すぐに集中を取り戻す。まだ戦闘は始まったばかりだ。計器をチェックし、ピジョン・チームは現れた巨大軽空母の群れへと突撃していった。14

2014-02-28 21:19:59
劉度 @arther456

上空を航空隊に守られつつ、蔵王と轟天号、そして艦娘たちは順調に進軍していた。出てきた巨大深海棲艦たちは、今のところ米軍が引き受けている。蔵王の魔力レーダーはハバクックの、尋常ではない魔力をしっかりと探り当てている。戦艦棲姫や南方棲戦姫に勝るとも劣らない大きさだ。16

2014-02-28 21:23:56
劉度 @arther456

「付近海中から、強力な魔力反応!」オペレーター妖精さんが叫ぶ。「ヲ級か!?」「いえ、これは……!」海面が盛り上がり、そこから黒髪の巨大女性型生物が浮上する。「戦艦……だと……!?」天を衝くビッグ・リ級が姿を現し、提督は驚いた。こんな奴まで巨大化しているのか。17

2014-02-28 21:27:24
劉度 @arther456

「主砲!てぇーっ!」轟天号の主砲、三連装冷凍砲がビッグ・リーに発射された。ビッグ・リーの脇腹に命中し、表面が一瞬で凍りつく。直撃すればフラッグシップすら粉砕する冷凍砲だが、今回は相手が大きすぎて勝負にもなっていない。ビッグ・リーが右手を振り上げる。18

2014-02-28 21:30:48
劉度 @arther456

だが腕が振り下ろされる直前、鋼の巨人が艦隊の間に割って入った。巨人は腕を交差してビッグ・リーの腕を受け止める。人類の叡智の結晶にして、太平洋の切り札、ジプシー・デンジャーがビッグ・リーの前に立ちはだかっている。腕を掴んで組み合い、一機と一隻の足元で波が打ち砕ける。19

2014-02-28 21:34:13
劉度 @arther456

『行け!ここは俺たちが食い止める!』通信機から声。ローリーのものだ。「……隊列を直して。進軍する!」蔵王を先頭に、日本艦隊は更に先へと進む。海域の最奥、巨大な魔力の源には、ビデオで見た通りの氷山空母姫が待ち構えていた。20

2014-02-28 21:37:44
劉度 @arther456

その周りには、深海棲艦の駆逐艦が遊弋している。駆逐艦と言えど、やはり巨大。鯨のような大きさだ。元が駆逐艦なら戦艦の砲撃で倒せなくもない相手だが、それでも時間はかかる。提督は空を見る。一大航空戦。振り返る。ジプシーとビッグ・リーの格闘戦。時間はない。21

2014-02-28 21:41:21
劉度 @arther456

「むっちゃん」『なあに?』ドリフトで繋がった陸奥に、提督は声をかけた。「時間がない」『そうね』「助けてもらっても、いい?」『もちろん!』感覚の向こう側で、陸奥が頷く。それを受け取って、提督は傍らのあきつ丸に声をかけた。「あきつ丸、ケッコンを頼む」22

2014-02-28 21:44:38