少女展爛会の敷居をまたぐ

十色 @toiro

少女展爛会のデザイナさんとちょっとお話しする機会があって、そこで「少女展爛会の敷居を下げてほしい」という意見があると聞いた。PLにもっとはっきりとした目的を与えた方が遊びやすいから、そういうシナリオとか遊び方とかが提示されてほしいと言うことらしい。

十色 @toiro

自分の意見は、少女展爛会みたいなシステムではPLには自分でPCに目的を見つけさせてあげてもらいたいと思っている。それはそれとして、自分が少女展爛会を遊ぼうとしたときは結構難儀したことを思い出した。

十色 @toiro

遊びたいと思って、GMしてくれる人がいる当てもなく、じゃあ自分でGMをやろうと思い立ち、ルルブを読み込んで、システムを理解し、世界設定に耽溺し、公式NPCに想いを馳せ、そして遊ぼうと思い……つまづいた。

十色 @toiro

シナリオを用意できたとして、あるいは既成シナリオを準備したとして、それをマスタリングしきるイメージがさっぱり浮かばなかったのだ。そこにはとても甘いお菓子があるのは見えているのに、どんなに背伸びをしても届かない、そんなもどかしさ。

十色 @toiro

お菓子はほしいし、諦めるのは悔しい。どうしようかと悩んで、ふと「エコール」という映画が話題になっていたことを思い出した。少女達のとどめられない一瞬がテーマ。調べてみると舞台設定がとても似ていて、参考資料として役に立ちそうだと思った。

十色 @toiro

「エコール」だけでは足りない不安もあり、いろいろ映画の情報をググって気になるものを探してみた。結局さらに「小さな悪の華」「ヴァージン・スーサイズ」も見ることにした。

十色 @toiro

「エコール」は、少女はどこから現れどこへ去るのか、世界と少女との係わりを教えてくれた。 「小さな悪の華」は少女二人の関係を支える振る舞い――つまりは少女展爛会での戦い――を教えてくれた。 「ヴァージン・スーサイズ」が教えてくれたのは……少女を理解しようなんて思うなってことだった。

十色 @toiro

そして、自分は無事に少女展爛会が遊べるようになりましたとさ。めでたしめでたし――なんて感じだったわけで、敷居は確かにとても高い。ちょっとは布教する努力はしているけれど、乗ってくれる人は少ない。遊びやすくしてほしいという意見があるのは当然だと思う。だってお菓子は見えているんだもの。

十色 @toiro

敷居が高いとは言うけれど、それはいったい誰にとって高いのだろう？ PLにとって？　それともGMにとって？ どちらにとっても、という答えは分かりきっているけれど、手を差し伸べるべきはGMだ。PLにはGMが手を差し伸べられるけど、GMに手を差し伸べてくれる人はいないのだから。

十色 @toiro

自分が始めに少女展爛会を遊びたいと思ったとき、自分には何が足りていなかったのか。シナリオが用意されていても、自分はそれをマスタリングできないと思った、その理由は何なのか。

十色 @toiro

少女展爛会というシステムの主題は、少女達が自身に欠けたものを埋めるためにほかの少女との関係を求めることにあって、シナリオはそのための撒き餌に過ぎない。つまりシナリオをいくら眺めても、GMはPLをどのように動機付けすればいいのかは分からない。

十色 @toiro

言ってしまえば、少女展爛会のシナリオはすべからく舞台となる「屋敷」の一部分を切り出しただけの箱庭だ。PCの向かう先はそれぞれPLの思うがままで、GMは彼女たちの気を惹くためのキラキラしたものを存分に準備しなければならない。

十色 @toiro

自分の引き出しには、そのキラキラしたものが足りなかったのだと今は思う。少女達は気まぐれで、サイコロの妖精はさらに気まぐれだ。撒き餌を撒いたときに、何が寄ってくるのかは分からない。むしろ、何もかかってくれないんじゃないかと不安になるくらい、分からない。

十色 @toiro

自分で船を用意してそれにPLに乗ってもらうのと、PLそれぞれに舟の座漁を渡して船を作ってもらうのと、どちらが大変か。GMには渡すべき材料はあらかじめ分からないとしたら、答えは言うまでも無い。ましてPL達は船の作り方を知らないかもしれないのだ。

十色 @toiro

だから、船という目的をはっきりさせた遊び方を用意してほしいということになるのだろう。でも、それはちょっと違う気がしている。船はあってもいいけれど、その船に乗らない選択肢がなくなるのは、PCではなくPLに船に乗れという同調圧力がかかってしまうのは、つまらない。

十色 @toiro

少女展爛会のルルブに、女の子を裸に剥いて魔女の印を探そうというシナリオフックがあるのだけれど、魔女の印を見つけることも、裸にすることも、それができたかどうかなんてどうでも良くて、そのために少女達がどう振る舞ったか、その結果として少女達の関係がどう変わったか、その方がよっぽど大事。

十色 @toiro

箱庭シナリオという言葉は死語になりつつある気がしていて、そんな中で少女展爛会は事実上の箱庭シナリオが前提のシステムだ。シーン制なのにね。似ているようで、実は違うというのは不幸な誤解の元になりやすい。

十色 @toiro

既知のものと同じように遊ばせて、と言われたときに、できませんと自信を持って未知の遊び方を示せるようになると、それは素敵だろうなと思う。

十色 @toiro

長々ととりとめなくつぶやいたけど、少女展爛会を遊ぶのに必要なのはイメージソースとしての参考資料（のリスト）。始めルルブを読んだときになくて困った。

十色 @toiro

明日じゃ絶対書けないから脳内麻薬がキマってるうちに書いたけど、今日は長い一日になりそうだ……

system解読者 @system_decoder

……少女展爛会におけるＰＣの目的って、要はソサエティ（人間関係）で少しでも優位に立つ事で、この上なく明確がつ簡潔かつ共有しやすい目的だと感服してたんだが、これ以上はっきりとした目的を示す必要があるの.. http://t.co/FX9x5LmGuG

system解読者 @system_decoder

ちょっと少女展爛会について徒然なるままに。ＰＬをどうやってひきつけるか、ＴＲＰＧ共通の難問だ。ヒロインといちゃこらしたい、敵と叩きのめしたい、仲間に命令したい。昔は毎度すりあわせして大ゲンカしたから、システムで分業するようにした。少展は、先ほど言った通り人間関係で優位に立つ事だ。

system解読者 @system_decoder

人間関係を結ぶことで少女は強くなり、特徴的なアイテムを持つことで少女は優位になるのだから、この意見は嘘ではないはずだ。で、しんどいだけの人間関係はノーサンキューなので、少女同士の百合世界に限定しているわけだ（因果が逆転してるが、密に密に）ならば、少女展爛会のＧＭは何をするべきか？

system解読者 @system_decoder

ＰＬたちが気持ちよく人間関係を設定するお膳立てをすることだ。そう、少女展爛会に参加した以上、ＰＬたちは自分のカワイイＰＣたちが他のキャラクターと関係性を持つことを望むことをＧＭは期待していいし、そういうＰＬこそＧＭは誘っているはず。ならば、伊達にして返すためのお膳立ては見える