#リプしたやつらをまとめて無人島に漂着させる

現在未完結
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ボマー @bomber_bookworm

以前に参加者募集した #リプしたやつらをまとめて無人島に漂着させる 、投下開始します。なお、募集時から少し変更し、主人公は名無しの青年。皆さんにはコメントでこの主人公くんの行動を指示して貰うことになります。#リプ無人島

2014-03-01 23:46:59
ボマー @bomber_bookworm

波の音。潮の香り。海だ。見上げれば頭上に広がるのは巨大な帆。まさか帆船の旅が待っているとは思いもしなかった。君――主人公――が今居るのは、映画の中から出て来たようなクラシカルな帆船の甲板の上だ。波の揺れと共に、みしっ、みしっと船体が鳴る。#リプ無人島

2014-03-01 23:47:33
ボマー @bomber_bookworm

町内会のくじ引きの一等で当てたのは、一週間程の海外ミステリーツアー。最近何かと話題に上がっている新興の旅行会社の企画だ。参加者にすら行先は知らされず、どんな旅になるかは行ってみてのお楽しみ。何ともギャンブルじみた話だが、これが案外評判が良いらしい。#リプ無人島

2014-03-01 23:48:18
ボマー @bomber_bookworm

ついでに企業の宣伝も兼ね、あちこちのくじ引きや懸賞の賞品として積極的に売り込んでもいるそうだ。まず賞として引き当てる所から「ワクワクの旅」が始まる、とか何とか。確かにくじ引きでも懸賞でも、旅行というのは定番だ。#リプ無人島

2014-03-01 23:48:53
ボマー @bomber_bookworm

実際に当てた時には、かなり悩んだ。けれど、ちょうど時間も空いていて、予定らしい予定も無かった……ちょっと気になったのは、「ネットの接続ができないことがある」、という但し書きくらいか。君は言われるままにいくつかの書類に署名し、指定された日時に集合場所に向かった。#リプ無人島

2014-03-01 23:49:18
ボマー @bomber_bookworm

集合地点には老若男女様々な人々が集まっていた。およそ50人ほど。そのほとんどが君と同じように、懸賞などでこの旅を射止めた者、あるいは射止めた知人から権利を譲って貰った人々だった。どの賞でも1人ずつ、となっていたため、ほぼ全員が初顔合わせだ。#リプ無人島

2014-03-01 23:49:54
ボマー @bomber_bookworm

集合地点からバスで空港に移動。そこから貸し切りのジェット機でどこか南の島に飛んで、近くの港に待っていた帆船に乗って出発。いろいろ準備済みだったのだろう、乗り換えはスムーズで、しかもそこがどこの島なのか見当もつかない。これもこのツアーの楽しみのうち、らしい。#リプ無人島

2014-03-01 23:50:20
ボマー @bomber_bookworm

「パスポートと携帯電話等は、次の停泊地に着いた時にお返しします~。今日は船で一泊して、明日の朝になりますね~」甲板上で客の質問に答えているのは、このツアーの引率・兼・くだんの旅行会社のマスコットキャラクター、『ルートゾーン君 @2C_2roNgWQ 』だ。#リプ無人島

2014-03-01 23:50:55
ボマー @bomber_bookworm

首のない銀色の西洋鎧、といった感じのキャラクターで、可愛いというよりもどこか不気味な第一印象を受けてしまう。もちろん着ぐるみだ。周囲の海も気温も、どう考えても熱帯の気候。中の人も大変だな、と君は思う。しかし客の誘導はしっかりしてるし、今の所不満もない。#リプ無人島

2014-03-01 23:51:25
ボマー @bomber_bookworm

パスポートと携帯その他を取り上げられたのは、空港を出発する際のことだった。どこに行くか分からない旅を楽しむためには、客が勝手に現在地を確認できてしまっては困るという理屈だ。出入国の手続きなども、既に書いた書類で委任した格好になっている。#リプ無人島

2014-03-01 23:52:16
ボマー @bomber_bookworm

「おーすげー! 暑いぞ! 赤道か!?」甲板で見るからにはしゃいでいる大学生風の青年は、康一君@hqLsjDR84w 。集合場所に遅刻してきて、あやうく置いて行かれる寸前だったのでやけに印象に残っている。まったく悪びれる風もないが、どこか憎めない人物だ。#リプ無人島

2014-03-01 23:52:34
ボマー @bomber_bookworm

「どこなんだろうな、ここは……」今しがた出て来た港の方を不安そうに眺めているのは、ヤクザ@j893VYBPfU と名乗った男。その名に負けぬコワモテだが、けっこう普通の常識人だ。もちろんカタギの一般人。君とは飛行機の席が隣で話すともなく色々語り合ったのだ。#リプ無人島

2014-03-01 23:52:55
ボマー @bomber_bookworm

「なんかアイドルも乗ってるらしいぞ」「マジですか?」マストの所で何やらロープを操作しつつそんな会話をしているのは、船長のだよもん提督@Ok1_UQ_rowa と船員のよっみー@YommiiDq92 。いかにも提督!といった中年男性と、どこか可愛らしい青年だ。#リプ無人島

2014-03-01 23:53:54
ボマー @bomber_bookworm

最初に船に乗船する際、船員たちからは一通りの自己紹介を受けている。近くには見当たらないが、船員は他に2人。この4名で50人近い客を乗せた船を一通り操作できるらしい。あとは厨房を預かるコックのすヴぇるぐ@6XQgLQ9rNg も船側のスタッフに含めていいだろう。#リプ無人島

2014-03-01 23:54:34
ボマー @bomber_bookworm

なんでもこの帆船、動力は風任せの、古い時代の帆船を完璧に再現したものだそうだ。いちおう発電機も積んで客室の住環境は整えているが、水も電気も貴重なので節約するように、と伝えられている。消灯時間も決められていて、夜中は電灯も点かないらしい。#リプ無人島

2014-03-01 23:54:56
ボマー @bomber_bookworm

船も海もいつまでも見ていて飽きないが、いい加減に照り付ける日差しが鬱陶しくなってきた。赤道直下ということはないだろうが、それでもかなり暑い。そういえば女性陣はほとんど姿を消している。君も自分に割り当てられた船室にいったん引っ込むことにした。#リプ無人島

2014-03-01 23:56:19
ボマー @bomber_bookworm

木の梯子を下りる。海面が見えなくなると、静かな揺れがかえって全身で感じられるような気がする。狭い廊下で船員の一人と通りすがった。ウッカリデス@ukkaridess とか言ったか、歩きながら何か齧っているな……と思ってよく見ると、それは携帯電話。え、なんだそれ。#リプ無人島

2014-03-01 23:56:54
ボマー @bomber_bookworm

大丈夫かこの船。訳も分からぬままに、何やら不穏な気配を覚える。しかし君はすぐにそれを忘れる。船の上とは思えない豪華な夕食に、他の客たちとの雑談に、早い消灯時間。かなり疲れも溜まっていたのか、君は船の揺れも忘れてすぐに眠りにつく。…………。…………。#リプ無人島

2014-03-01 23:57:21
ボマー @bomber_bookworm

「…………! …………!」誰かが叫ぶ声と共に、大きな揺れを感じて君は目を覚ました。何があったのだろう。船室の外が騒がしい。暗い中、手探りで君は起き出し、ドアを開ける。#リプ無人島

2014-03-01 23:57:39
ボマー @bomber_bookworm

「急いでください! 甲板に上がって船員の指示に従って下さい!」叫んでいるのは船員の1人、ユカコ@adyukako37 だった。どこかホモォな雰囲気の青年。「座礁した可能性があります! 念のため救命ボートにいつでも移れるように甲板に上がって下さい!」#リプ無人島

2014-03-01 23:58:03
ボマー @bomber_bookworm

 な ん だ と 。 そこから素早く身を整えて、重い旅行鞄を持って行くかどうか一瞬迷って、諦めて、急いで部屋から出ようとした……ところまでは覚えている。#リプ無人島

2014-03-01 23:58:26
ボマー @bomber_bookworm

次の瞬間、君を襲ったのは、メキメキメキ!と木が折れていく大きな轟音、客が上げたであろう複数の悲鳴、そしてひときわ大きな揺れに、ものすごい勢いで流れ込んできた海水。#リプ無人島

2014-03-01 23:58:45
ボマー @bomber_bookworm

訳も分からない暗闇の中、君は濁流に飲まれ、意識を失った――少なくともそこから先、記憶が混乱していたのか、ほとんど何も覚えていない。必死に手足を動かしたような感覚が、曖昧に残っているくらいだ。#リプ無人島

2014-03-01 23:58:57
ボマー @bomber_bookworm

…………。 …………。 …………。 #リプ無人島

2014-03-01 23:59:17