- tatanai_douwa
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ほんのりと頬を赤らめながら何度も礼を言う大崎に抱きつきたくなった宮城だが、理性という名の剣を抜いて、己の脳天を突き刺した。その結果、割合とクールで自然なセリフを吐くことができた。
2014-02-26 22:59:15これである。部屋でお茶でもご馳走になりたかったところであるが、今回は「印象付けパート」だと、宮城の中で無理のないシナリオができていた。女性に対してがっついていいのは風俗だけだ、そう思っていた。
2014-02-26 22:59:39お礼ができないことを詫びる大崎を手で制止し、宮城はコンビニへ向かった。買う予定だったちょっと季節はずれのおでんは、もう必要ないくらいに、体が火照っていた。金もなければ女もいない自分の、運の良さに、宮城は自然と笑顔になった。
2014-02-26 22:59:45宮城がその男に声をかけられたのは、例によってバイト帰りだった。アパートに帰って借りたAVでも観ようか、そんなことを考えながら視界にアパートが入ったその時だった。突然男に話しかけられた。
2014-02-27 09:50:55男は30代前半といった感じで、ガタイは良く、濃い顔のハンサムだった。ミステリアスさを胡散臭さのお湯で5分煮たような風貌だ。スーツ姿のその男性は、藤堂吾郎と名乗った。
2014-02-27 09:51:30宮城には心当たりがあった。昨日の話だ。しかしそれがどうしたというのだろうか、宮城にはまったく理解ができなかった。詐欺かなんかだろうと決めつけ、やり過ごすことに決めた。
2014-02-27 09:53:29まぁ言わなくてもわかるさ。最近の幸運も予測していた。だから近づいたんだよ、あんたに。それで相談なんだけどさ。これ以上の幸運、欲しくないかい?
2014-02-27 09:53:49そう。あ、お金とったりはしないよ。これは俺の趣味だからね。あんたに幸運をあげたいんだ。というか、俺のセンサーが興味を示した人に、ね
2014-02-27 09:55:05幸運っていうのは、予測できればそこにめがけて突っ込むことができる。俺は役所みたいなもんなんだ。幸運を予測して、それをあんたに伝える。手続きや知識、法則を教える。そして、あんたはその幸運に突っ込むために必要なことをする
2014-02-27 09:55:57小説なんかで、ほら、星なんとかさんがよく書いてるだろう。あとはなんだ、ランプの魔人とかさ。そういった類のことをするんだ。願いを叶えますっていう。俺がね。ただ、魔法ではない。あんたにもそれなりに行動してもらう。でもそれは、的確なレールに乗っているんだ
2014-02-27 09:56:21