ホームレスには生きる資格がないので殺処分すべきだと主張する引きこもりについて６

アドリア海 @keizi80

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「え、じゃあなに俺自殺しちゃいけないの？」 『え、あなた自殺なさるんですか？』 登山男は目をぱちくりさせた。 『自殺なさったのはあなたのご友人だったのではなかったのですか？』 岬１４９

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「いやだから例えだよ例え」 引きこもりは登山男の反発を押さえ込んだ 。 「たとえば俺が今から自殺しようとしたらそれはいけないことなの？」 『はいいけませんそれはこれまであなたが犠牲にしてきた数々の命への裏切りです』 岬１５０

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「何の法律に基づいて？」 『・・・・』 「どの法律に自殺しちゃいけないって書いてあるの？」 『・・・・』 「え？じゃあ何？俺今から自殺しようとしたら捕まるの？警察に逮捕されるの？」 『・・・・』 岬１５１

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「で、何？もし俺が捕まるより早く自殺したら、その死体が務所に放り込まれるの？」 『・・・・』 「自殺は犯罪じゃないんだって！！」 引きこもりはヒステリックにわめいた。 岬１５２

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「誰かの法益を侵害しているわけでもないし、実際死んでしまった暁には 罪を償わせるべき相手がそもそもこの世に存在しない。 よって自殺者を刑法で咎めることは根本的に不可能だ。 その上で君はいったい何の正当性があって自殺者を非難するのだね」 岬１５３

アドリア海 @keizi80

自殺者が悪だというなら止めてみたまえ 俺が今すぐこの場で自殺するから警察なり何なり呼んでみたまえ。 君が正義である以上きっと俺の意思を物理で抑える勢力が徒党を組んで現れることだろう。 さっさと行動を起こしてみたまえ」 『・・・・・』 岬１５４

アドリア海 @keizi80

「さあどうしたんだい俺は自殺をするといっているのだよ」 『刑法に書かれていないことであればやっていいというのはあなた実に貧困な発想ですな』 「ふん」 引きこもりは鼻で笑った 岬１５５

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「何を言っているのかわからないな君負け犬の遠吠えにしか聞こえん。 刑法に規定されていない案件まで逐一罪と疑いだした日には君、人など生きてはいけない。 こうして今俺と話をしている君の行為も罪に該当するかもしれないし、ついさっきまで 君が行っていた登山だって悪かもしれない」 岬１５６

アドリア海 @keizi80

『屁理屈はやめてください。柔軟な思考の元に判断すればわかる話です』 「では説明してくれたまえ俺が自殺することがいったい何の罪になるのだい？ 誰に対して糾弾の対象になるほどのダメージを与えるというのだい？」 岬１５７

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『まず第一に先ほど説明いたしましたように、これまであなたが自らの生存のために 犠牲にしてきた命を無駄死ににさせるという事実があります』 「無駄死にだってえ！？」 引きこもりは身を乗り出して噛み付いた 岬１５８

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「君はなぜ俺が食事として頂いた彼らが無駄死にであったと断定するのかね。 逆に俺がどうあれば彼らは無駄死にでなかったことになるのかね。俺が もっとまっとうな人間として世界平和か何かに貢献しその生涯を全うすれば 彼らの死に意味が見出されるとでも言うのか」 岬１５９

アドリア海 @keizi80

「それこそ君むちゃくちゃではないか。 俺の食卓に上げられる過程で命を落としたところの生物はそんなことは望んでいなかったはずだ。 俺の何にも期待してはいなかったはずだ。彼らはただ自分が生きたかっただけなのではないのかね」 岬１６０

アドリア海 @keizi80

「その意味で解釈するならば彼らはどの道無駄死にだったということになるのではないかね。 いやそもそも他者の生き死に勝手に意味の有無を判定すること自体その対象へ敬意を欠く行為であり、ダメージを与えうる攻撃なのではないかね」 岬１６１