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それでは3月9日…ミグの日と言う事にして、大祖国戦争初期に活躍したMiGシリーズについて軽く解説しましょう。 #3月9日はMiGの日
2014-03-09 21:17:36MiG戦闘機の開発は1939年の春 クリミヤにおいて行われた会議の後、5月頃から開発が始まりました。ヤコヴレフやラヴォーチキン、スホーイ、ポリカルポフ、ポロフコフなどの設計局も同じ頃に新型戦闘機の開発を始めていますね。
2014-03-09 21:19:36当時はBf109, He112, Spitfireと言った液冷高速戦闘機が主流であり、今後想定される戦争において対戦するのもこういった機体だと考えられていました。その為殆どの設計局は液冷機の設計をしています。
2014-03-09 21:21:45まず最初に行われるのはエンジンの選定です。この時ソ連には2つの高出力液冷エンジンがありました。フランスのイスパノ系12気筒”クリーモフM-105”とドイツのBMW6系”ミクリーンAM-35”です。出力はM-105:約1050hp、AM-35A:1350hp。後者の方が高出力でした
2014-03-09 21:24:40ヤコヴレフとラヴォチキンはM-105、ミコヤングレヴィッチはAM-35を選びました。高出力な方が高速機にしやすいですからね。AM-35は高出力でしたが、M-105と違いモーターカノンを搭載出来ませんでした。これは火器搭載に響くことになります…。
2014-03-09 21:26:50AM-35を搭載した新型戦闘機はI-200とナンバリングされました。1940年に完成、4月5日に初飛行を行いました。最高速度は648km/h(試作1号機)、651km/h(試作2号機)を高度7000mで記録…これは当時のドイツの主力Bf109E-3より50km/hも優速でした。
2014-03-09 21:29:08I-200の武装ですが、7.62mm機銃ShKASx2と12.7mm機銃UBx1というものになりました。モーターカノンが搭載出来ず、構造上翼内機銃も装備しにくかった結果ですね…。これらを搭載する為にコクピット位置も後ろの方に下げられています。
2014-03-09 21:34:52これはMiG-3の構造図です、エンジン、機銃、コクピットの位置を見ると無理矢理さが分かるかと…。 http://t.co/GTwdAhjYaC
2014-03-09 21:37:39これだけだと低火力に見えますが、Bf109もE-3型になるまでは7.92mm機銃x4などでしたので、あまり大差はありません。 ……とはいえ、この後すぐ20mm機関砲や12.7mm多連装の時代が来るので…やはり低下力と言えるでしょうね…。
2014-03-09 21:38:54こうして完成したI-200は新しい命名規則によりMiG-1と呼称されました。量産が開始されましたが、安定性や強度、そして航続距離等多くの欠点があり、いったん製造中止になっています。 ちなみにMiG-1の生産機数は100機程です。
2014-03-09 21:42:07その後ミグは改良を施した機体を開発。「戦闘機は奇数番号」という規則によりMiG-3と呼ばれました。このMiG-3になっても多少改善されたとはいえ安定性に難があるなど、欠点は残っていました…。 http://t.co/17G0tp0JUk
2014-03-09 21:44:13機体に欠陥などがあっても時は待ってくれません、バルバロッサ作戦により独ソ戦が勃発。MiG-3はYak-1/7, LaGG-3達と一緒にドイツと戦う事になります。欠点を残したまま。 http://t.co/zAbAzFLilo
2014-03-09 21:45:58MiG-3は他の機体、いえ他の国の機体達と比べても高高度性能に長けていました。その為高高度戦闘機と呼ばれることもあり、その役目も追いましたが…実際は敵高高度偵察機の飛ぶ高度に辿り着く事が出来ず、高高度戦闘機としての任務はほぼ果たせていません。
2014-03-09 21:47:16MiG-3はMiG-1から少し速度が下がったとはいえ、まだまだ高速な機体でした。当時の主力の中では最速と言えるでしょう。しかしそれが発揮されるのは中高度以上であり、低高度では少し速度が出せる、という程度でした。
2014-03-09 21:53:33そんなMiG-3には運が悪い事に、独ソ戦において空戦は主に中高度~低高度で行われました…MiGが苦手とする高度ですね。また運動性もあまり良いと言えない物で、中高度での戦闘はBf109に苦戦することになります。
2014-03-09 21:54:41また当時のパイロットはドイツに比べ未熟な者が多かったので…多くのパイロットはMiG-3の利点を生かせず落とされました。一部のパイロットは特性を生かしドイツ機を撃墜、エースとなっていますね。
2014-03-09 21:56:35独ソ戦の間にも改良は進められ、安定性を向上させるために胴体を延長したMiG-3udが開発されました。一番多く生産された型がこれですね。MiG-3が1000機以上、MiG-3udが2000機以上作られたとされています。 http://t.co/HKgX2oAO5g
2014-03-09 21:58:06安定性以外にも、火力の低さは大きな問題でした。YakとLaGGが20mmを搭載している一方で、MiGは12.7mmと7.62mmだけでしたからね…。 これを改善する為に作られた、型の区別すらない武装強化型がいくつか存在します。
2014-03-09 22:02:36まず最初にガンポッド、BKと呼ばれるもので、左右の翼下にUB12.7mm機銃を搭載しました。これで12.7mmx3+7.62mmx2となり、かろうじて対爆戦闘が出来るレベルに達しました。1丁につき145発撃てるそうです。 http://t.co/tDW8MmUlQK
2014-03-09 22:04:19しかしガンポッドですから、空気抵抗が大きくなり空戦で使用するにはデメリットが大きすぎました。搭載する事で640km/h(高度7700m)が589km/h(高度7600m)となり、速度が50km/h近く落ちましたからね。
2014-03-09 22:06:56……そういば、MiG-3にはBKの他のもう一つガンポッドの案があったのですが、そちらは開発に失敗…設計した2人は粛清されていますね…。 開発中は期待度が高かったみたいですが、そのせいでしょうか…。
2014-03-09 22:10:11