英語コーパス学会東支部研究会

英語コーパス学会東支部の講習会・研究発表会についてコーパス言語学たんのつぶやきをまとめました。
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コーパス言語学たん @CorpusTan

さて、昨日の英語コーパス学会東支部の講習会・研究発表について感想を書きましょうか・・・。 #jaecs_e2014

2014-03-09 14:42:19
コーパス言語学たん @CorpusTan

講習会・研究発表会は 【日時】 2014年3月8日(土) 10:30~16:10 【場所】日本大学文理学部 で行われたの。午前中はBYU-BNCの講習会で、午後は30分×5人の研究発表会だったわ。#jaecs_e2014

2014-03-09 14:51:18
コーパス言語学たん @CorpusTan

まずは、中央大学の新井洋一先生によるBYU-BNCの講習会の感想ね。 BYU-BNCについてはコーパス言語学たんの他のつぶやきにあるからそれを見てね。BNCは様々なメタ情報を付与してあるタグ付きコーパスだから、それを利用して様々な検索が可能になっているわ。#jaecs_e2014

2014-03-09 14:57:07
コーパス言語学たん @CorpusTan

今回の講習会は、かなり初歩的なことに終始していたけれど、このタグを利用した検索方法を実践的に勉強できたと思っているわ。ワイルドカードを利用し、正規表現に若干近いような方法で語や句の検索ができるの。講義内容はBNCのヘルプに書いてあることだったわ。 #jaecs_e2014

2014-03-09 15:02:37
コーパス言語学たん @CorpusTan

午後の研究発表の感想を書きたいわ。研究発表の感想には「質的」・「量的」という言葉が頻出すると思うの。「質的」は「理論的」とほとんど同義であると考えてください。 #jaecs_e2014

2014-03-09 15:11:42
コーパス言語学たん @CorpusTan

「質的」な研究とは、コーパスデータを質的なものとみなし、文脈やテキストを読み込むことから何らかの言語傾向を直観的に探り出そうとするもので、「量的」な研究とはコーパスデータを量的なものとみなし、数値データを解析することから言語傾向を客観的に見つけ出そうとするもののことよ。

2014-03-09 15:18:38
コーパス言語学たん @CorpusTan

一般に質的研究では、コーパスデータは抽象的・直観的に解釈されるけれども、量的研究では、定量的・具体的・客観的に処理されるの。質的研究には伝統的な言語学の知見が密接にかかわり、量的な研究では統計学や情報理論の知見が援用されるの。

2014-03-09 15:19:05
コーパス言語学たん @CorpusTan

研究発表のプログラムは 1.日本人英語学習者による基本動詞使用の課題:習熟度の見直しに基づく研究 井上聡(環太平洋大学) 2.高校検定英語教科書のテキストに占めるコロケーション割合の考察        清水 真弓(バーミンガム大学大学院生) #jaecs_e2014

2014-03-09 20:28:58
コーパス言語学たん @CorpusTan

3.身体部位所有者上昇構文における前置詞の役割: hitを中心に         野中大輔(東京大学大学院生) 4.非制限的不定詞関係節の特性と適格性                       秋山 孝信(日本大学) #jaecs_e2014

2014-03-09 20:29:55
コーパス言語学たん @CorpusTan

5.The Cuckoo's Calling著者推定問題と著者内変異 久保田俊彦(明治大学) #jaecs_e2014

2014-03-09 20:30:21
コーパス言語学たん @CorpusTan

[研究発表1] 日本人英語学習者が習得しづらい文法項目・語彙などについてコレスポンデンス分析などによって量的に明らかにしようとした研究についての発表だったわ。 #jaecs_e2014

2014-03-09 20:37:27
コーパス言語学たん @CorpusTan

@CorpusTan (承前) 今回の研究はCOCAから抽出した、母語話者が頻繁に使用する動詞30語について学習者間の語の使用を研究していたわ。ここで研究対象としたのは日本人大学生・留学経験のある大学生・高校生の作文コーパスよ。#jaecs_e2014

2014-03-09 20:42:41
コーパス言語学たん @CorpusTan

@CorpusTan (承前) これまでの中間言語の研究は、国別比較が多かったが属性の違う集団を研究することによって、母語を同一にするIL研究が可能になると井上先生はお考えだったわ。 #jaecs_e2014

2014-03-09 20:46:03
コーパス言語学たん @CorpusTan

@CorpusTan (承前) 教科書コーパスと加えることによって「教科書では指導しているが学習者全般が使えていない語」「教科書では指導していないが学習者全般が使えていない語」「教科書では指導していて留学未経験者だけが使えていない語群」などが分かるの。#jaecs_e2014

2014-03-09 20:49:08
コーパス言語学たん @CorpusTan

@CorpusTan (承前) 「留学しても消えないエラー」の存在から、もしかしたら母語転移の議論までできるかもしれないとおっしゃっていたわ。課題としてCEFRのA2レベルの層が厚くその細分化とB2レベル以上の作文の収集の困難が挙げられていたわ。#jaecs_e2014

2014-03-09 20:52:53
コーパス言語学たん @CorpusTan

@CorpusTan (承前) またTOEICでCEFRレベルを計ることにも疑問を投げかけていたわ。まぁTOEICで計ることができるのは受容語彙のレベルだけだしね。コーパス作成に使われる作文データは産出語彙よね。#jaecs_e2014

2014-03-09 20:55:07
コーパス言語学たん @CorpusTan

[研究発表2] 高校検定英語教科書におけるコロケーションの割合を観察し、実際の授業の中でコロケーションという概念をどうやって生徒に指導していけばいいのかということを中心に発表されていたわね。またコロケーションとは何かという基本的な説明もあったわ。#jaecs_e2014

2014-03-09 23:35:47
コーパス言語学たん @CorpusTan

@CorpusTan (承前) コロケーションの定義はコーパスたんの以前のツイートにも書いてあるわ。そこを参照してね。コロケーションは4つのタイプに分類されるんだけど、その中でも特に自由結合句を除いた3種類が教科書中にどれだけ含まれているのかという研究ね。#jaecs_e2014

2014-03-09 23:38:43
コーパス言語学たん @CorpusTan

様々な共起態の中で、言語学者が古くから興味を示してきたのはコロケーションよ。Firth(1957)は、「語の慣習的な結合」としてのコロケーションを本格的な言語研究の対象に位置付けたの。また、Palmer(1933)は、英語教育の観点から約6000の基本的コロケーションを精選したわ

2014-03-06 11:21:10
コーパス言語学たん @CorpusTan

(承前)Wong-Fillmore(1976)は、コロケーションなどの定型表現が言語学習の中核的位置を占めることを指摘したの。Nattinger & DeCarrico(1992)では、第二言語教育では語彙的句の習得への配慮が不可欠であるということを強調しているわ。

2014-03-06 13:18:43
コーパス言語学たん @CorpusTan

コロケーションと呼ばれる現象はさらに細かく分類できるの。Cowie(1981)はコロケーションやイディオムなどを慣用連語と総称したうえで、個々の構成要素間の構成論的・意味論的関係に注目して4種類に分けたわ。

2014-03-06 15:18:13
コーパス言語学たん @CorpusTan

その4種類のコロケーションのタイプとは、純粋イディオム(pure idiom)、比喩的イディオム(figurative idiom)、制約的コロケーション(restricted collocation)、自由結合句(free combination)よ。

2014-03-06 17:18:26
コーパス言語学たん @CorpusTan

純粋イディオム(pure idiom)とは、語要素の交代が許されず、個々の要素の意味から全体の意味を構成できず、個々の語の選択動機が喪失されているものよ。 例えば、kick the bucket(死ぬ)のような句が挙げられるわ。

2014-03-06 19:18:24
コーパス言語学たん @CorpusTan

比喩的イディオム(figurative idiom)とは、イディオムに準ずるがその意味が各要素の意味の比喩的拡張として推測可能なものなの。 例えば、blow off steam(鬱憤を晴らす)のような句が挙げられるわ。

2014-03-06 21:18:07
コーパス言語学たん @CorpusTan

制約的コロケーション(restricted collocation)とは、各要素の交代がある程度可能で意味も透明であるが、句の一部の語の意味が他の語から慣用的連語拘束(phraseological binding)を受けて比喩的に変容しているものをいうわ。(続く)

2014-03-06 23:18:00