ハイジ】オレンジ色のライトに照らされて燃えるように赤い鉄筋の上に立つ。後方にはエレベーターの通る道があり、前方にはオフィスビルがひしめき合う。人工的な青白い光が気持ちを高ぶらせる。
2014-03-15 17:13:01狭間】東京タワー、むき出しの鉄骨の上。見上げれば、観光客が登ってくる、平たい箱みたいな展望台が、屋根のようにそこにある。地上二百メートル。三月のはじめ、夜風はつめたい。
2014-03-15 17:13:12@HaKo_723 狭間】「落ちんなよ、」杖をつく腕を、支えるように掴んでくれる確かな感触。足場にする鉄骨の幅は、なかなか広い。それでもさすがに怖いなと思いながら声をかける。
2014-03-15 17:16:25@c_yu_n ハイジ】「でぇじょぶ、でぇじょぶ♪」鼻先に冷たい風が掠めていく。まだまだここで興奮しきるわけにもいかない。もう片手をそっと冷たい鉄筋に添えたまま、彼が次に跳べるタイミングを待つ。
2014-03-15 17:20:06@HaKo_723 狭間】「おまえなら一瞬で登れるもんな、」地道に繰り返した自分の空間移動を思い浮かべながら呟く。三十メートル分ずつ、詰み上がっていく視界の高さを、都会の灯を見ながらここまで来た。
2014-03-15 17:25:24@HaKo_723 狭間】高いところの強い風に乱される、金色の髪を見る。自分の髪も、視界の横で揺れる。黄色いパーカーの裾がバタバタはためいて、ぱちりと弾けた白い星に目がとまる。「パチってなった、今、」ひらめいたそれを見て、ちょっと笑う。
2014-03-15 17:29:48ハイジ】喫茶店クオーレを出、科学館を共にした青年たちと別れてからここにいる。どうも身体を流れる電気の調子が悪く、一気に発散しようと思って彼を誘ってこの電波塔に登っている。
2014-03-15 17:30:15狭間】次の移動で、展望台の上に出られるはずだ。一日はしゃいだこともあって流石にほんのすこし疲れてきたけれど、興奮がそれに勝る。びょうびょうと、既に風がつよく吹き渡る。
2014-03-15 17:32:09@HaKo_723 狭間】笑みを受けて、じんわりと笑う。弾ける小さな電光を、眼球の表面に反射させる。「…もっかい、登んな?」声をかけて、しっかり掴まってて、と、表情で促す。
2014-03-15 17:36:56@HaKo_723 狭間】確かな感触に笑って、なんとなく上の方を見る。壁に守られた展望台。あのガラス張りの箱の中にいるヒトたちは、この空気の冷たさや風のつよさは感じられない。ほんの少しだけ、優越を感じる。自分たちはいま、トクベツな場所にいる…空間移動を発動する。
2014-03-15 17:44:12@HaKo_723 狭間】展望台のうえ、いままでよりもしっかりした足場。「…っと、」呟いて、またすこし変わった視界を見回す。それから、上を見上げる。それでもまだまだ高くそびえる、組み上げられた赤い鉄骨。
2014-03-15 17:46:56@HaKo_723 狭間】「どうする、もっと登る?」少しいたずらっぽいような、ちょっと興奮している笑みを、隣の相手に向ける。この場所でも、おそらく充分に、目的は果たせるけれど…
2014-03-15 17:48:19@c_yu_n ハイジ】「んや、ここでイケる」いっそこの先端まで登りたいくらいだけれど、空間移動をしてくれる彼の負担も考えてにぃ、と笑う。風は十分に凍えるほど冷たい。
2014-03-15 17:57:47