屋代氏@yashirosatoruまとめ取り急ぎ。クリミア情勢→ソチ五輪とＬＧＢＴの関係/ファシズム、ナチズムの超克

屋代 聡 @yashirosatoru

ここでは、頑健な労働者・兵士に向く「男らしい男」は称揚され、そうでない男は心身虚弱であり、社会に不適合とみなされるようになる。団結に直結する男性間の友情や女性のそれは歓迎される一方、同性愛者はもちろん迫害の対象となる。

屋代 聡 @yashirosatoru

すなわち理想の「国民」には、そうであるべき「性」「生」は常に付随しているのであって、国民の価値が賞揚されればされるほど、近代国家は民族的・性的・文化的マイノリティを迫害するようになったのである。

屋代 聡 @yashirosatoru

ここで注意すべきは民族がいるから民族主義が誕生するのではなく、民族主義が自民族という概念と他民族への排斥を生みだすこと、同じく性的マイノリティが存在するから性差別が生じるのではなく、標準的な性設定＝異質なものの排除が起動するからマイノリティが人為的に生みだされるということである。

屋代 聡 @yashirosatoru

そしてこの論理は重ね合わせられてゆく。 すなわち、自民族にとって排除すべきものは、異常なセクシュアリティを持っている。異常なセクシュアリティを持つものは、国家の存亡を危うくする。というように。

屋代 聡 @yashirosatoru

おわかりだろうか。男女を問わず、良き市民、良き国民たらんと欲すること、レスペクタブルな存在になろうとすること自体が、自らの社会の外側にマイノリティを発生させ、差別構造を強化するのである。

屋代 聡 @yashirosatoru

正常な家族、正常な性行動、正常なエロス。そんなものは19世紀以降の産物に過ぎない。 同じく正常な民族、正常な国民、正常な国家という概念もまた我われが歴史のなかで構築した仮のもの、想像の共同体に過ぎないのである。 たとえそれが実態を伴っていても、その虚構性には気づく必要がある。

屋代 聡 @yashirosatoru

その点で、競技において男女差を明確にしたうえで、ある特定の目的に対して純的に創りあげられた身体とその能力を陳列し、優劣を明示する国際的なスポーツイヴェントは、全体主義や国民統制を志向する国家にとって是非とも開催したいものなのである。（2018年は韓国、20年は日本で開催予定とか）

屋代 聡 @yashirosatoru

そしてこれを徒に歓迎してしまう市民の態度も、ある程度、あるべき「市民道徳」に浸食されているのである。 実を言えば、僕自身も含め「それができたから何だというんだ」という技に酔いしれ、拍手を送っている。

屋代 聡 @yashirosatoru

だからこそだ。このソチ五輪において世界中の人びとが性的少数者の権利を守れという叫びを強くすることに多大な意味がある。五輪という舞台が「ファシズム」の装置になりうるということを意識し、ロシアの姿勢を追求することには歴史的意義がある。

屋代 聡 @yashirosatoru

先日も書いたように、五輪はじめ国際的スポーツイヴェントは、理念的には、アスリート同士の対決の場だ。しかし現実には、各国民が「表彰式には国旗が掲げられ国歌が演奏される」と思いこんでいるように、模擬戦争の側面を持つことは否めない。

屋代 聡 @yashirosatoru

だからこそだ。現実には国家間対立になっているからこそ、五輪の開催が続く限り、憲章にある「オリンピック・ムーヴメント」の精神は遵守されるべきだし、我われはその夢を信じるべきで、実現に努力するべきなのである。

屋代 聡 @yashirosatoru

性的差別、他民族蔑視、「国民」概念の顕在化、男らしさ・女らしさの賞揚、力強さの強調、感動の強制。 これは五輪のこと？　 ソチのこと？ ナチのこと？　 それとも日本のこと？ ファシズムは軍靴の音なんて響かせてやってこないよ。足音を忍ばせて、素知らぬ顔でやってくる。

屋代 聡 @yashirosatoru

昨日、僕に絡んで、まとめサイトで話を話曲して溜飲を下げているネトウヨさんは、「今の日本のどこにファシズムが？」と寝ぼけたことを仰っていたが、もうおわかりだろう、近代国民国家に生きるということ自体が常にナチズム、ファシズム、少数者差別・排斥と隣り合わせなのである。

屋代 聡 @yashirosatoru

声を大きくして、何度でも言いたい。 ソチの全てのアスリートに惜しみない拍手を。 そして一瞬の静寂の後、拍手を送る僕ら自身の感性を省みよう。（了）

屋代 聡 @yashirosatoru

今日は、いくつか言いにくいことを述べておこう。僕の呟きのRTに関して思ったことだ。僕のつたないツイートを多くの方々にRTしていただけるのはありがたいことだし、何も言うべきではないかもしれないが、少し考えるところがあったのだ。

屋代 聡 @yashirosatoru

これはナチのベルリン五輪がユダヤ人差別を加速させたように、ソチ五輪も性的少数者差別を加速させるのではないかという記事を示した上で、そもそも民族差別と性的少数者差別は同じ源を有しており、しかもそれは良き市民・国民になろうとする心性に根差すというモッセの所論を紹介したものだ。

屋代 聡 @yashirosatoru

すなわち、いま多くの市民は「差別はいけない」という人権思想に与しているけれど、良き市民であろうとする意思が市民・国民に同一化、同調化の圧力を生みだし、差別を生みだしてきたことに目をつぶってはいないか、つまり差別の温床は一般市民の心性に胚胎していないかと述べたものだ。

屋代 聡 @yashirosatoru

そして実は驚きはしなかったのだが、僕の呟きのなかで、これのRTが少ない。五輪期間中ということもあるやもしれぬが、レイシストやナショナリストの態度、ナチをずばり批判した僕の他の呟きと比べて、断然RTが少ないのである。

屋代 聡 @yashirosatoru

同じことは、以前、国民国家について述べた時もそうであった。 昨夜、縁もゆかりもない浅田真央の演技を応援してしまう僕らの心性について呟いた時も同様だ。

屋代 聡 @yashirosatoru

私たちの愛国心はメディアによって生成・増幅され、少なくとも五輪競技を見守る間、私たち他国に対し多少とも排他的な「国民」になる。その瞬間は、ウヨクたちにごく近い心情さえ宿しかねない。その事に気づくべきだ。昨日言ったことは、大略、こんなことである。

屋代 聡 @yashirosatoru

これもRTがたいへん少なかった。別に、それは良い。 ただ、以上は、いったい何を意味しているのだろうかと考えざるを得なかった。

屋代 聡 @yashirosatoru

おそらくそれは、僕のフォロワさんも含めて、多くの市民がナショナリストやレイシスト、あるいは性的少数者差別を批判する意識を持ちながら、“自分と彼らは違う”と思っている、もしくは思いたいということである。 だけど僕は、それは危険な勘違い、市民にあってはならない現実逃避だと考えている。

屋代 聡 @yashirosatoru

無論、大多数の国民は、ナチズムなどあってはならないと心底思っているはずだ。しかし僕らが近代国民国家に生まれ、今日まで生きてきたのであれば、つまり「国民」であれば、”僕らには誰しもナチ的なところがある”。 それを認めるときに初めてナチズムの超克は可能となる。

屋代 聡 @yashirosatoru

ナチは右翼の軍国主義者だけで構成されたのではない。そしてナチを支持したのは圧倒的に「良識を兼ね備えた、一般のドイツ人」だった。イタリア、日本も同様だ。“普通の人間こそがファシストになる”のだ。 だから今こそ安倍政権は一般市民の生活に介入しようと、教育の改悪をまたも狙っているのだ。