定型詩とその音楽的実現について(伊東乾さん)

まとめました。
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Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

ヴェネチアのルイジ・ノーノ財団から27年前に彼に献呈したemancipationに関する問い合わせのお手紙を頂く。イタリアという所は50年100年のスパンで芸術を本当に育ててきた風土が一つのプライドになっている。芸術家向けのお問い合わせを頂くとそういう返事が出来ますが、この国は★

2014-03-21 21:32:33
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

春からの楽劇演習ではVerdi Otelloを語り歌い演奏しますがA.Boitoのテキストは6韻脚4韻脚、元来が定型韻文のリズムを持っていて、それが音楽としては3だったり2だったり4だったり別のリズムに置き換わってんですね。元のダンテみたい?な文語の朗誦からレッスン始める予定^^

2014-03-21 21:35:42
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

各国分十分たくさん目を通したわけではないですが、小瀬村幸子訳の音友日本語版はさまざまな意味で国際的に一線の分析を踏まえたテキストで非常に感心しています。音楽学あるいは芸術諸学というのは演奏や創造に本当に役に立ってこそ力で批評感想等と別の専門、地道な貢献に心から感謝しています。

2014-03-21 21:38:45
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

特にすばらしく凄まじいのは、ホメロスもかくやというような、定型の中に切羽詰った対話や、内面の思惑などが散りばめられていて、それをまず定型詩として完全に身体に入れてからピアノに向かうか、否か、で、出発点が全く変わってしまうんですね。Verdiが作曲スタートの時点に立ってみる大切さ。

2014-03-21 21:44:02
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

原型を踏まえた上で表出的であるのと、その場その場の感情に任せたような音楽の作り方とでは全く品位が違ってしまう。露骨に演奏に出る違いだけれど、こういう話はごく一部の人しか興味を持たない。そこに一番大切な生命線があるわけだけれど。先般の偽者騒ぎなどのようなレベルは勘弁して頂きたい。

2014-03-21 21:46:11
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

定型詩とその音楽的実現は、高校生時分からかれこれ30何年いろんなケースで考えてきたけれど一番ポピュラーなVerdi-Boitoをちゃんと勉強したのは始めてで抜けてたピースが埋まる気がする。トリスタンとヴォツェックの間にはオテッロがありイアーゴとオテッロの二人が多重人格的に混在とか

2014-03-21 21:49:10
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

こういう話(に私自身は毎日多大の時間と労力を傾注して仕事しているのですが)に反応してくださる方は少ないと思うけれど、ヴァーグナーもそうですし、ブーレーズのマラルメなど最たるもので、まずテクストに一定徹底してアプローチしてからでないと、訳のわからない音だしで終わってしまうので要注意

2014-03-21 21:52:12
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

日本人は歌会始のテレビを見るとき、それが57577であることを皆知っていて、それをずーっと長く伸ばしてると思って聴いてるわけですね。これを音からだけ入って、57のリズムを念頭におかずに外人が真似したらどうなるか?と。しばしば日本の古典洋楽が陥る症状で僕自身自戒を込めて取り組む次第

2014-03-21 21:54:27
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

レッスンで新しい曲をもらいました練習します、譜面台に楽譜をおいて最初からひとつひとつ音をだします・・・という地道な取組みは一方で不可欠ただ他方楽譜を出来上がったものとしてだけ見て「読まない」と音楽は造型してゆけません(ましてレコードなど聴いてるだけでは職業的な仕事にはならない)

2014-03-21 21:57:01
はばな @habana1000

@itokenstein @italiano_tan VERDIのズンチャカチャチャッチャッチャッはその韻文のスタイルと関係があるんでしょうねえ

2014-03-21 22:01:53
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

@habana1000 @italiano_tan あんま ないんじゃないですか?初期中期のナンバーオペラは 正直僕はかなり縁遠いです。ファルスタッフは昔お手伝いで少しだけ勉強したことがあり最晩年の彼は驚異の別人と思っていたのですが、どこからから変わったか理解しました。ボイトです

2014-03-21 22:05:06
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

@habana1000 @italiano_tan 仕事で降ってくれば何でもやりましたけど、トラヴィアータとか絶対に僕は別の世界の住人と思っていたので、自分の中にはいってこなかったですね。そういう時期だったのだとおもいます、25年くらい前ですが

2014-03-21 22:08:30
はばな @habana1000

@itokenstein @italiano_tan ううむ、酔余につまらないことを書き込んでしまったのに真剣な書き込み、恐れ入ります。

2014-03-21 22:38:42
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

音楽的にはね、それまで安定した最低音を支えていたバリトンが、バス・バリトンというより深い基音が出てくる事で浮いちゃうんですよ(Otello Atto3 Scena8)そこからミスり初めるんですねJagoは作劇的に。音楽以外の変なストーリーでなく国を超えて通じる普通の内容が大事です

2014-03-22 13:06:45
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

原典に当たって確かめた範囲のことを、しっかりアナリーゼした上で身体に入れて音楽として再現すれば、世界のどこであっても、まともな音楽家とは良いコラボレーションが出来ます。地域でのビジネスには別の経済がありますが「クラシック」と呼ばれている範疇に上記以外を混ぜ込むのは間違いの元と思う

2014-03-22 13:20:17
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

さっきソリストにも送ったけどOtello Atto Terzo後半は下手なLuciano Berioの譜面などより遙かに複雑な言葉のカオスそのもので、これは計算が狂ったJagoにとってのハルマゲドンの光景と僕は思ってて、そういう打ち合わせをしています。絶望の中であらゆる錯雑が遠い

2014-03-22 13:23:55
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

でも本当です。真摯な心の通じる会話や議論は命を養ってくれるもの。今日の午前中も在コペンハーゲンのイタリア人ソリストと解釈の議論をしましたが、雨降って地固まるというか、こういう仲間があるから、と生き甲斐を感じました^^ @paulerdoshさんとのお話に替わるものはないですよ

2014-03-22 17:36:13
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

日本国内で、腰をすえたアプローチを考えようとすると、冗漫な経費とかいわれて結局尻すぼみが少なくありません洋楽の場合。お寺とのご縁などは本格的であることで心の通じるものになりますが。事情はドイツやイタリアのオペラでも同様で、やはり原典に謙虚に学びつつ慎重果敢のアプローチがとても大切

2014-03-22 17:38:47
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

原著で書いた本人の仕事とか、それを直接知る人から聞く事とか、啓発される度合いが教科書で薄められてるものと全然違う晩期Verdiの中には明らかにRavelがそこから学んだものが随所に見出され息を呑むが、教科書化すると何も通じなくなる。そういう原著の極小の差や輝きに最も圧倒されます

2014-03-24 12:58:57
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

最初に考えた人って、決して公式とか一般論でやってない事が多い。おかしなことやってるんですよ以前からの常識でいえば。Verdiはスッチャカチャンと思う人は以前の僕含め多いけどOtelloの冒頭あれ何?と尋ねてどう答えます?トリスタン和声の拡大から展開した結果を逆行してるわけですけど

2014-03-24 13:03:47
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

スペイン狂詩曲からダフニスまでラヴェルで随所に出てくる4-6の響きも明らかにトリスタン以降のものだけど、ヴェルディが見つけてるんですねJagoのウソの甘言の展開で。これに魅せられて追求した人と、最初の予言と。いわゆる武満トーンは黛敏郎さんの思いつきを武満氏が延々追及したものですし

2014-03-24 13:07:00
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

ちゃんと考えながら譜面見ればすべて書いてある。楽譜の中に。Otelloでいえば冒頭6-10小節に答えがDNAみたいに凝縮してる。それをきちんと読めば全曲がどう作られるかもわかります。「ナンバーオペラを克服した」とか寝言みたいな話じゃなくて、すごい作曲家ですよこの人は。不勉強でした

2014-03-24 13:15:15
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

ノーノが言うわけですプッチーニはひどいと。あんな薄っぺらな流行作家は顧慮に値しないと。これに対してヴェルディは偉大な作曲家だと。そのときは言葉の話中心で(そうかな?)と思って聴いてたけど、27年位経ってあの時彼が言ってた内容や意味を始めて知りました。自分で当たらないと何も解らない

2014-03-24 13:17:36
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

言って見れば後だしじゃんけんみたいなもので誰でも出来る簡単な事。ヴォツェックやダフニスは僕ら知ってるわけで、1910年代に書かれたこれらの仕事の中に1902年に無くなったヴェルディ晩年の冒険的な仕事が随所に生きてるってだけですが、ラヴェルもベルクも何に感動したのか解って面白い

2014-03-24 13:20:32
Ken ITO 伊東 乾 @itokenstein

例えばBoitoの書いたOtelloの劇詩判らない所が随所あります。専門家に教えを請いたいけれど現実には若いネイティヴに助けて貰って勉強している。そんなとき疑問の多くの答えが実はオペラの楽譜に書いてある訳。例えば詩のアクセントはどこにあるか?はヴェルディが第何拍に当ててるかで解決

2014-03-24 13:24:15
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