更新： 311後の放射能汚染の調査研究状況に関するNYTの記事翻訳

The Sun Snores Press @taiyonoibiki

@zebra_masa ①福島の放射性降下物調査における懸念 ディヴィッド・マックニール／クロニクル・オブ・ハイアー・エヂュケーション　　2014年3月16日 ニューヨークタイムズ 　

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@zebra_masa ②東京　ー　2011年３月福島原発事故発生直後の混沌と恐怖に満ちた数週間、研究者たちは住民の上に降りそそいだ放射性降下物を測定するため格闘していた。ミチオ・アオヤマの最初の発見は何にも増して驚くべきものだった。

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@zebra_masa ③日本政府の気象観測機関で働く上級研究者として、彼は太平洋の海面近くのセシウム137の濃度が史上最悪の事故と言われるチェルノブイリの汚染の10,000倍にも達している可能性を指摘した。 　

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@zebra_masa ④二か月後、彼は発見の内容を短くまとめて、未公開の論文としてイギリスの科学誌「Nature」に掲載するための準備を進めていた。すると、研究機関の理事から突然きわめて強い調子で、論文から彼の名まえを削除するようにと言う電話がかかって来た。 　

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@zebra_masa ⑤「理事はそのとき〈論文の内容でわからないことがいくつかあるんだ。それについて明らかにしたい〉と言いました。と、アオヤマ氏はその時のことを振りかえる。｢理事は〈私は今回の事故がチェルノブイリより悪いとは言いたくない〉と私に言いました。」　

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@zebra_masa ⑥その理事はすでに引退し、この記事に対してコメントすることを拒んでいる。アオヤマ氏が名まえの削除を求めたため、けっきょくその論文がNatureに掲載されることはなかった。 　

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@zebra_masa ⑦アオヤマ氏がそのとき感じていた圧力は特別なものではなかった。ただ、こうしてインタビューに応じて、その事についてこうして話すことの方が尋常でないのである。 　

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@zebra_masa ⑧非公式にだが、日本の研究者たちは、福島第一原発の三つの原子炉でメルトダウンが起きてから三年が経過した現在でさえ、事故の影響を控えめに語らなければならないような圧力を感じていると言う。

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@zebra_masa ⑨国から支給される研究費や大学からの支援が受けられくなると話す研究者もいる。また、研究を妨害された研究者もいるし、公衆の〈不安〉を感じさせるおそれのあるデータを公表するのは避けるようにと釘を刺された研究者の例もある。 　

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@zebra_masa ⑩「この手の研究にかかわることは政治的に非常に危険なことなのです」と、日本琉球大学の生物学者で、福島からの放射能がすでにある種の蝶に遺伝的な畸形をもたらしているとする論文を書いているジョージ・オオタキ氏は言った。

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@zebra_masa ⑪彼の研究は一般市民からの寄付によって支えられているのだった。この事は、国民が自分の研究を支持していることの現れだと彼は言う。「しかし、これは例外的な状況と言っていいでしょう」と彼は言った。 　

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@zebra_masa ⑫福島原発が健康に及ぼす正確な影響は、議論の渦中にある。日本政府は福島第一原発周囲の強制非難区域の年間積算被曝量の限界を20ミリシーベルトまでに設定した。これは原発の放射線管理区域で働く労働者の被曝限界量として世界の標準となる量である。

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@zebra_masa ⑬ちなみにICRPが推薦する一般公衆の被曝限界量は年間1ミリシーベルトであるが、年間積算被曝量100ミリシーベルト以下では癌発症率に顕著な所見が見られないと主張する研究者もいる。

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@zebra_masa ⑭放射能のレベルを下げる努力として、また15万5千人の避難者を帰郷するように説得する努力として、政府は広大な領域の膨大な量の表土をはぎ取り、一時的にある場所に積み上げておく作業、いわゆる〈除染〉作業を行っている。

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@zebra_masa ⑮日本の国立最新産業科学技術機関の専門家たちは、その費用を5,000億ドルと見積もっているが、実際はそれをはるかに上回るだろうというのが大方の見方である。 　

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@zebra_masa ⑯これは広大な領域の現在進行形の生体実験室で研究できるまたとないチャンスであるという理由から、少数の研究者が世界中から福島に引き寄せられている。

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@zebra_masa ⑰サウス・カリフォルニア大学の生物学者で、チェルノブイリについて多くの論文を書き、鳥と昆虫のライフサークルにおける放射能の影響を研究をしているティモシー・A.ムッソー教授はその一人である。

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@zebra_masa ⑱彼はすでに福島の生物に観察される異常や欠損についていくつかの論文を書いているが、彼が今まで試みた三回の福島研究旅行では、（人々がみな口を閉ざして語らないということ）によってたいへんな困難に直面した。 　

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@zebra_masa ⑲またある例として、一人の日本の教授と二人の博士号取得後の学生が、研究途中の共同研究を投げ出すことになってしまったということがあった。ムッソー教授の発見にかかわって自分の将来を危険にさらすことはできないと言われたのだった。

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@zebra_masa ⑳「彼らは、みな、〈この問題はあまりにも影響が強すぎるし、議論を呼びすぎる〉と言いました。」と、ムッソー教授は言った。「そして、二人の博士号を持つ学生は、この事が自分たちの将来の仕事に悪い影響を与えるではないかと心配していました。」と言った。 　

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@zebra_masa ㉑ムッソー教授は、しかし、このことをソ連時代の、つまりチェルノブイリの研究者を逮捕したり刑務所に入れたりしていたソ連時代と比較することを慎重に避けている。というより、ムッソー教授は、日本の虚弱な研究支援制度そのものに問題があると見ている。

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@zebra_masa ㉒「これは誰が見ても明らかなくらい明らかです。日本では研究者はみな〈自主規制〉してしまうのです。さもないと、研究者たちはその上司から、〈気をつけなきゃいけないよ〉と間接的に警告されるのですね」と、ムッソー教授は言った。

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@zebra_masa ㉓　「日本では（ソ連に比べて）はるかに巧妙で陰湿な検閲が行われているのです。つまり、「国からの研究資金が絶たれてしまうということですね。

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@zebra_masa ㉔政府は表土をはぎ取る作業に何兆円もつぎ込みながら、環境中の放射能測定やそれが生態系に与える影響についての査定にはほとんど一円も出さないのです」と、ムッソー教授は付け加えた。 　

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@zebra_masa ㉕大地震と大津波が福島第一原発のメルトダウンを引き起こすずっと以前から、日本の主要な大学や研究機関のうえにかかっている、原発推進派の強大な圧力について批判する声はあった。